m's diary

タイル巡り♡タイル制作♡建築巡り♡町歩き

寿山(丸仙化学工業所)見学

2024-04-07 | 建築巡り・街歩き【その他】

丸万商会さんを経て、平田会長さんにご案内されたのは、126年の歴史のある会社、寿山(丸仙化学工業所)さん。
社長さんにお出迎え頂いた。
事務所前には様々なタイルのサンプルがあり、


サンプルの中には、布目タイルもあるではないか。
お話をお伺いすると、なんと泰山タイルの下請けもされていたという。
もしや、あの立命館大学の布目タイルも・・?
とお聞きすると、作ってました。と、しかもあのいくつもある校舎
の8割方を下請けで作られていたとのこと。
ええっ!ここで作られていたの~~~?!
あの大量のタイルは、どこで作られていたんだろうか?と常々疑問に思っていたのだが、
会長さんに、何の前フリもなく連れてこられたこちらの会社が
泰山タイルの下請けをされていて、しかも立命館大学のタイルを作っていたなんて・・なんというお導き?!
泰山タイルだけでなく、大仏タイルも作られていたのだそうで、、
すごい会社にやって来たようだ。
現在も、湿式の押出し成型により、人の手の加わるタイルづくりをされているそう。



実際の立命館大学の布目タイルのサンプル。
紫がかった赤茶色の上品な色合い、「赤失透」
これだ~!


工場も見学されますか?と聞かれ、
もちろん!
と、案内して頂くことに。
寿山(丸仙化学工業所)さんでは、土づくりから自社で一貫生産をされている。


岐阜県美濃地方の粘土を中心に、岡山県の陶石などをブレンド、こちらにあるようなリサイクル品も交え、14種類もの原料を混ぜ合わせ、オリジナルの土を作られているという。
やきものの色合いは、釉薬だけでなく、土と釉薬の相互の作用により決まるということ、その為土づくりが大切であることを知る。



こちらは、原料を細かく挽くフレッドミル。


布目タイルは、粘土とドンゴロスの布をサンドして、ローラーで
圧力を加えて作られているそう。


押出し成型の為の様々な金型。


製品が押出され、カットされているところ。


完成品、釉掛け前、乾燥前。


乾燥後、釉掛けされた後は、一枚一枚、手作業でこちらのさやに入れられ、


トンネル窯で38時間かけて焼成される。



出来上がった製品たち。



表には、試行錯誤されながら開発中のタイルがずらりと並ぶ。


見たことのないような表情のタイルも。


現在販売中の布目タイルとスクラッチタイルのバリエーション。



こちらは、縁を手でちぎって風合いを出されたという商品。
土の質感や手作りの風合いも良いなあ。


さまざまなサンプルが貼られた壁面。



昔作られていたという印花で模様をつけたおもしろいデザインのタイルも



世界的な高級ブランドの店舗に使用される立体感のあるタイルは
湿式の押出し成型でしか実現できない複雑な形。
半円状のめくれ上がった部分はすこしずつ角度が違うため、それぞれに金型が必要なのだとか。



こちらも高級ブランドロエベの店舗用の試作品。
色に対して妥協しないブランド側に応えていく苦労も。



事務所兼ギャラリー。
タイルだけでなく、器も製造販売されている。


床のタイルも素敵だった。





展示のボーダータイルは、どれも好きな雰囲気。


泰山製陶所のタイル見本も。


泰山製陶所のカタログなども見せて頂いた。
右端には、喫茶フランソアと同じデザインの八芒星のタイルも。


社長さんの古いタイルのコレクション。
この窪みのあるタイルは、何度か見かけたことある。







こちらのタイル壁の塊は、京都の和菓子店、大極殿本舗本店のタイル。
手の込んだ覆輪目地が入れられている。
こちらのタイルの復元も手掛けられたという。



復元されたタイルのサンプル。


そばにあった旧小学校の校舎を曳家で敷地内に移築した建物は、



今後ギャラリーとして整えられるそう。


お手洗いのタイルが、これまた素敵だった。
腰壁のボーダータイルと床のタイルの色味が美しく、


上部はオフホワイトの布目タイル。



女子トイレは色違いのグリーンが基調に。

一通り見学させて頂き、寿山さんのものづくりへのこだわりや情熱を感じ、
このように今でも手仕事を大事にしたものづくりをされている会社があるのだということを知って感激した。
この後は、寿山の社長さんに多治見駅まで車で送り届けて頂き、
無事帰途へつくことができた。

タイル三昧の一日、各所で貴重なお話をお伺いすることができて、実り多き一日だった。


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多治見・丸万商会さんのショールームへ

2024-04-07 | 建築巡り・街歩き【その他】

モザミューを後にし、平田元会長に連れてきて頂いたのは、丸万商会さん。
ショールームの入口付近には、レトロな好みのタイルが貼られていた。素敵〜


ショールームの中には、これまた違ったパターンのレトロタイルが数種類床に貼り巡らされている。


これらのタイルは、現在は作られていないものだそうだが、
昔、海外輸出用に製造されていたものだそう。


現在は、ショールームとして使われているお部屋は、以前は、事務所として使われていたという。


丸万商会さんでは、新たなタイルのデザインの開発や、海外へ向けての輸出もされている。
現在販売されているタイルも素敵なのだが、


目が釘付けになってしまったのは、昔、海外輸出向けに作られていたというタイル見本。


渋い色味のラインナップが並ぶ。


わあ~これも素敵。
可愛いデザインに渋い色味、というのが超自分好み。


こちらも色のラインナップはさまざま。
でもどれもシックな色味で、今もあれば、人気が出そうに思うのだけど・・
現代の主流はミニマムでシンプルなインテリアなので、
こういった重みのあるデザインのものは一般ウケはしないのだとか。



海外輸出用とは伺ったが、レトロな喫茶店などの床などに貼られていそうなデザインだなあ。





細かいパーツなこのタイルも可愛い。







輸出用のタイル、どれもこれも好みのタイルばかりだった。


こちらは、現在作られているタイルの中で、最も気になったもの。
一枚のタイルで、釉薬が何色か掛け分けられている。
その掛け分けラインがまちまちなのと、土の質感に温かみがあり、手作り感があっていいなあと・・


こちらは色違い。


オリジナルのマジョリカタイルも。
左から柊、葵、ポインセチアをデザインしたものだとか。
こちらのタイルは、ハンドメイドで、職人さんが一枚一枚手作業で色を塗り分けされて作られている。


台湾やシンガポールでは、昔のマジョリカタイルが、ずらりと並べられて用いられているが、日本ではこういったポイント使いの方が受け入れられそう。


輸出向けでは、海外ではプールを持つ人が多く、プール向けのタイルとして、ブルーが基調の素敵なタイルが多かった。



ショールームを出て、外回りにも貼られているタイル。
グリーンと葉っぱのデザインがさわやか。


葉っぱのタイルの中に、お花がいくつか加わることで、ガラッと雰囲気が変わった。



お手洗いを借りると、トイレの壁面に貼られていたタイルも味わいがあって素敵だった。
こちらもカタログに掲載されていたので、現在も販売されているもののよう。

この後は、社長さんに、次なる目的地の寿山(丸仙化学工業所)さんまで
車でお送りして頂けた。









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信楽・信楽窯業技術試験場&陶芸の森陶芸館&黒田園他

2023-12-20 | 建築巡り・街歩き【その他】
先日ついにタイル制作用の電気窯を購入し、その備品の調達や偵察に信楽へやって来た。



高速走行中、すごいいいデザインの橋を見つけた。
アール・デコぽくもある。
帰って調べてみると、新名神高速道路の近江大鳥橋という橋で、
鶴が背中合わせに天に向かって飛ぶ姿を現しているそう。
美しい~。


信楽へ着くと、まずは、立ち寄りたかったアンティーク家具のお店、アンティーク・フレックスへ。
思ったよりスケールの大きなお店で、ものすごい数の家具が所狭しと並んでいてワクワク。(撮影了承済)



ヨーロッパのアンティーク家具、さすがに装飾が半端なく細かく、美しくてうっとり。


アール・ヌーヴォーの飾り棚も。


ライティングビューローも、隅々まで細かく彫刻されている。
引き出しそれぞれに、二つの顔が貼り付いてて、装飾が濃厚。


このテーブルの脚もクセ強いなあ。



そうかと思うと、こんな愛らしい小鳥が装飾されたものも。
リボン付きの鍵穴がまたおしゃれ。




ついつい細部に目がいって楽しんでしまった。
大き目のローテーブルが欲しかったのだけど、残念ながら低めのものはなく・・
お値段もリーズナブルな感じなので、又欲しい家具ができたらここへ来よう。



そして、信楽窯業技術試験場へやってきた。
去年来た時は、まだオープン前だったので、新しくなった施設を見ていこう。
この看板のタイルモザイクが素敵。
様々な質感、釉薬のタイルがモザイク状にデザインされている。



見学は、受付後、1階のみ自由に見学できる。
こちらの施設では窯業技術の研究開発や、後継者育成などが行われているそう。



ロビーの壁面を飾っているのは、旧庁舎場長室にあったという熊倉順吉デザインの陶壁画を移設したものだそう。


信楽らしい焼き締めの素朴な土の味わいが素敵な陶壁。



日本万国博覧会迎賓館用に製作された同じく熊倉順吉デザインの陶壁の一部。


建物内外には、開発された製品などが設置されていて、
こちらの坪庭は、信楽らしいなまこ釉の植木鉢や大小の円形の陶板が組み合わされていた。苔などの植物の緑との調和もいいなあ。



枯山水庭園をイメージしたというタイルの質感が面白い。

ここで、試験場の方からいろいろと説明もしていただき、タイルに興味があると伝えると、今、陶芸の森陶芸館でやってる展示に、こちらの試験場所蔵の建築陶器やタイルが出ていると教えてもらった。
とりあえず、旦那がお腹を空かせているので、後ほど見に行くことにして、まずはランチ場所へ向かった。


この日のランチは、黒田園へそばを食べに行くことにしていた。
土日は、数時間待ちにもなるという人気店だが、平日だったので、すぐ入れた。
風格のある建物は福井の築70年になる古民家を移築してきたもので、移築後20年になるという。






床は、移築時に、信楽焼の陶板を敷いたのだそう。



お座敷席と、囲炉裏端の席があったので、囲炉裏端へ。


火はついてはいなかったが、、



平日限定の海老天セットを。
そばも、サクサクの海老天も、朝宮茶も美味しい~


扉の引手には、鳳凰の彫り物が。



お腹がいっぱいになったのだけど、ちょうど向かいに朝宮茶の老舗、山本園の濃すぎる抹茶ソフトを食べておきたくて立ち寄る。



十分に濃すぎる抹茶ソフトに更に追い抹茶がかけられてる。
最高の風味だった。


大きな陶板の看板を掲げる陶器店。
陶器店で、大きめの土鍋も欲しかったので立ち寄るが、、
原料の影響で土鍋は、今全体的に品薄だそうで、見つからず。


信楽郵便局が、さすがにやきものの町らしく、タイル使いが素敵な建物だった。


三角形に張り出したタイル壁。


透明感のある瑠璃色もきれい。


陶芸材料のマルニ陶料へも立ち寄り、陶芸材料を物色。
ここの壁面のタイルがなんとも言えない風合いで好き。


こちらの陶器店のアプローチに敷かれてた円形と楕円形の陶板も面白かった。


そして、陶芸の森陶芸館へやってきた。






なにしろ特別展のポスターがこんな感じで、岡本太郎が前面に出ていたので、
建築陶器やタイルの展示があるとは、夢にも思わなかった。
どうやら信楽の建築陶器からの岡本太郎の流れらしい。



序章の近代建築と装飾陶器のはじまりから。
近代窯業の祖、ワグネルが開いた窯、旭焼で焼かれた暖炉用の組タイル。


陶磁器試験所で試作された、透かし彫りのレリーフタイル。
とても手が込んでいて、美しい。



獅子の噴水口


レリーフタイル。
陶磁器試験所で作られていた数々の試作品などを見ることができて興奮。


こちらは、陶磁器試験所本館玄関を飾っていたという鬼瓦風の装飾タイル。


孔雀が2羽描かれた華やかな陶板は、トルコ釉の発色が美しく、オリエンタルな雰囲気。


陶磁器試験所にて昭和2年に制作された秩父宮邸陶器製装飾電燈台。
建物は空襲により消失しているので、唯一残されたもの。


1926年フィラデルフィア万国博覧会へ出品された装飾電燈台。
3匹のうさぎが土台で支えている。



滋賀県立窯業試験場指導で製作された滋賀県庁舎の階段のレリーフタイル。
現在も市庁舎で見れる。


大物作りが適していた信楽では、滋賀県立窯業試験場で、このような電燈台などの建築用装飾陶器の開発が進んだのだそう。


動物の噴水口なども作られていた。




旧フェスティバルホールの装飾陶製レリーフや岡本太郎の代表作、万博の太陽の塔も信楽で手がけられたものだそう。
こちらの岡本太郎の「坐ることを拒絶する椅子」も信楽で作られたもので、
他にも様々なパブリックアートが信楽で手がけられてきたという。
岡本太郎と信楽にそんなに密接なつながりがあったとは。


岡本太郎の作品の中で、ダントツ可愛かったのが、この「犬の植木鉢」
岡本太郎が芸術の大衆化を目指し、作ったもののひとつだそうで、
1954年に常滑で最初に作られたのだそう。


何体か作られているようで、このひとつは、刈谷市の中学校に置かれてるようだ。



植物を背負ってる姿も可愛い。

いろいろととても見応えあってよかったので、帰りに陶磁器窯業試験場にご挨拶をしに立ち寄り、展示物の資料なども見せてもらって、更に展示物の写真も撮らせて頂けるとのことで、学芸員さんにお繋ぎくださった。
再び陶芸館へ伺い解説付きで鑑賞させて頂けて、とても満喫することができた。




その後、「かまーとの森」でお茶して帰ることに。
1972年に建設された全長80mのトンネル窯の跡地を使用し、カフェ&ギャラリー、ショップにされている。






入口そばにある円形の建物は、トンネル窯の燃料タンクだったもので、ここから窯に燃料を供給していたそう。
現在は小さなギャラリーになっていて、中には作品が展示されていた。


お店の奥がカフェスペースになっている。






手前がショップに。
かわいい雑貨類がいろいろと。



奥には古いミシンのコレクション。
オーナーの趣味で集められたものだとか。


トイレへの通路は、工場内を通る。


積み上げられた製品の植木鉢。


古い土練機が置かれていた。



おやつに紅茶とワッフルを一枚ずつ。

この日は街中をあまり歩き回る時間がなかったけど、満喫できた。
前回歩き回ったレポはこちら→



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佐川美術館他

2023-11-13 | 建築巡り・街歩き【その他】

近江八幡を後にし、やってきたのは佐川美術館。
ここに来るのは初めてで、一度建物も見てみたいと思っていた。
チケットを買って中へ入ると、目の前には広大な水が張られた庭があり、
建物は、その水庭に浮かんでいるかのように建っている。
広大な敷地にゆったりと建てられた建物。


建物の設計創案は、陶芸家の15代樂吉左衛門によるもので、
設計施工は竹中工務店とのこと。


切妻造の長い平屋建ての建物が2棟並んでいる。


エントランスまでのアプローチを歩く。


水庭の水のゆらぎが、杉板型枠コンクリート仕上げの壁面や屋根の軒裏に反射してきれい。






この日はガウディ展が開催中で、展示室は撮影禁止。


中庭も水庭になっていて、回廊で繋がった向かいの建物が見える。




特別展以外にも平山郁夫や15代樂吉左衛門の茶碗の展示も楽しめた。
茶室も公開されているようだけど、決まった平日の予約制。
ゆったりとした建物と展示が楽しめる美術館だった。



ここから、前に戻って、ヴォーリズ記念病院の後、旦那が行ったことないというので、ラ・コリーナにちょっと寄り道。




青空と、生い茂る緑の屋根





天井には、無数の炭が貼り付けられていて、独特な景観の吹き抜けのホール。2階は喫茶室に。






自然の木のうねりを活かした柱や梁など、
あちこちに楽しい造形が見られる。



八幡堀まで戻ってきて、車を停めてから
散歩しながらランチへ向かう。


ヴォーリズの旧八幡郵便局。
この日は閉まってた。


郵便局のすぐ近くの食堂ヤポネシアで、カオマンガイのランチを。野菜が盛りだくさんで美味しかった。


食後、旧吉田悦蔵邸へ向かう道すがら、ヴォーリズ建築の近江八幡教会へ立ち寄る。
初代の建物は明治40年に建てられたが、火災により焼失し、現在の建物は、昭和58年に再建されたもの。


聖堂も拝見。
中央には、簡素な感じのシャンデリアが下がり、


三箇所に入れられていたステンドグラスは、分厚いガラスを割って、断面を見せるステンドグラスであるロクレールっぽい。





入口扉についていたのも。
ぶどうと


魚。


すぐそばには、昭和10年に再建された(初代は明治40年)同じくヴォーリズ設計の旧近江八幡YMCA会館であるアンドリュース記念館。



かつて玄関があったという北側。


向かいには、昭和15年、ヴォーリズ設計による、近江兄弟社の独身青年社員宿舎であった、旧近江兄弟社地塩寮が建つ。




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近江八幡・吉田悦蔵邸

2023-11-11 | 建築巡り・街歩き【その他】

ヴォーリズ記念病院見学後、ランチして、吉田悦蔵邸へやって来た。
吉田悦蔵は、ヴォーリズの近江八幡の商業学校時代の教え子であり、
片腕として、生涯ヴォーリズを支えたといわれる人物。
現在、四代目のご夫婦がこちらの邸宅を保存維持されていて、
お住まいされながら、一般公開もされている。


ご当主さん案内の元、見学させて頂いた。


玄関には、ヴォーリズらしい造り付けの収納兼ベンチが設置されている。
収納部分も引き出しが三段もあったりと、細やかな造り。


玄関ポーチのタイルは、布目で、泰山タイルだといわれていた。


まずは1階のリビングへお通し頂く。
南向きの窓からは、明るい光が入る。
うっすらとミントグリーン系の壁紙が上品。



壁は土壁だそうだが、特殊な加工で、現在では再現するのは難しいものだとか。


リビングには暖炉があり、白いタイルが貼られてた。
上部は、絵画がはめ込まれた形に。


その白いタイル部分の上中央には、みにくいアヒルの子を描いたタイルが貼られていた。どこのタイルかは不明らしいが、
アール・ヌーヴォーぽい、、外国製?!


こちらは暖炉に置かれていたもの。
庭から出てきたものだそうだけど。
モザイクで作られていて、辰砂釉がきれいな発色。


こちらは風景を描いたものだけど、アヒル同様アール・ヌーヴォーぽいライン。


暖炉の内側には、耐火煉瓦が使われていて、いくつかの会社の刻印が見られる。サンプルを使ったのでは、とのこと。


座り心地よさそうなソファ。
ソファも文化財指定されているもので、
最近修理されたという。


リビングは二間続きになっていて、
こちらのスペースは、ピアニストであるお母さまの演奏会などにも使われている。


家具調度品がとても素敵で、代々、骨董品などを集める趣味を持たれていたとのこと。


机の上にはランプのついた裁縫道具入れなども。


これらの椅子も文化財指定されたもの。


可愛い形の椅子。


そしてリビングから出られるテラスには、タイルがあしらわれた壁泉跡があった。


布目のタイルがよい味わい。
中にはモザイクタイルも。


こんなオウムのタイルは、初めて見た。


貝殻を焼き付けたようなタイルも貼られていた。


テラスの先に見えるのは、離れの茶室。
こちらは非公開。


次に和室へ。
入口は、このような扉がついていた。





こちらの茶室は、日牟禮八幡から移築された江戸中期の建物だそう。


舟板が再利用されている。


茶室では、お茶のお稽古などもされていたそうだが、
人気の教室で、手狭になった為、後ほど離れにも茶室を建てられたのだそう。


襖の引手は竹の節が使われていた。



そして、ダイニングルーム。
ミントグリーンが素敵なダイニングルームだったが、
壁の色は、何度も塗り替えられているそうで、
最初からこの色ではなかったもよう。


造り付けの戸棚は、収納力もばっちりだそう。


ダイニングを出た所にあるスペースは、コート掛けなど
収納の為のスペースに。



隅にあるのは、2階へつながる糸電話的なもの。
いろいろと工夫が凝らされているなあ。


階段を上がって2階へ。



階段途中にある洗面所兼トイレ。
アメリカ製のホーローのシンクが二つ。
コロンとした形が可愛い。


2階の書斎兼居間。


細かく彫り込まれた軽井沢彫りの家具が美しい。


書斎の奥の部屋には、おばあさまが嫁入り道具として持って来たのでは、というクローゼットが、ワンポイントに薔薇の寄木細工が施されていておしゃれだった。





部屋の片隅には、座面がメッシュな小ぶりの椅子。
あちこちにさりげなく置かれてる家具がいいなあ。
家具は全部で23点が文化財として登録されているという。


そして、寝室。
実際にこちらで寝起きされているというが、生活感が全くなく、美しい。


寝室にはこの部屋の中で、身支度が完結できるようにと
洗面台が備わっていて、その両脇には、夫婦それぞれのクローゼットが造り付けで設置されている。



グレー味を帯びたホーローの洗面台、シックで素敵。
鏡は収納を兼ねている。


歯磨きのコップ置きと、歯ブラシ立てが一体となり、用の美を感じるデザイン。


階段ホールにぶら下がる照明は、ローズがモチーフでモダンな雰囲気。



廊下の隅にぴたりと収まっていたのは、ランドリーボックスとのこと。
竹製のようだけど、なんておしゃれなランドリーボックスなんだろう。


和室の入口に使われている杉戸絵の描かれた戸は、別の武家屋敷から持ってこられたものだそう。


その扉を開けると和室




ヴォーリズ直筆の絵とサインが残されている。


3階にも客室として使われていた部屋があり、そちらには、昔の旅行鞄が並べられていた。
昔の旅行鞄、、なんと大きいのか、、歴代の旅行鞄が並べられていたが、


やはり、この一番大きなものが最も古いそう。
カバンだけでも相当な重量があるという。


3階の部屋の床だけが、建築当時のまま残されているとのこと、
何ともいえない良い艶があった。



そして、金物のドアノブ。
ヴォーリズといえば、クリスタルのドアノブだけど、
初期の頃は、この金物のドアノブをアメリカから輸入して使用していたそう。
こちらは、ヴォーリズが建てた最初期の住宅なので、残されていたようで、
後ほど衛生面や耐久性などからクリスタルに変わっていったという。


部屋の隅には、ぽっかり穴のあいた造り付けのチェストがあった。
この穴は、室内で身支度を整える為に、水を張った洗面器を置いて使用したそう。

以上、いろいろと解説をして頂きながら一通り見学させて頂いた。
実際に住まわれている中での建物が見学できるという機会はなかなかないことで、使われている家具と共に建物が生き生きしているのを感じた。
公開する側にとっても勇気がいることだと思うけど、建物が大切に保存維持されて、活かされていて更にそれを見学できる機会を与えて頂けるのは、とても有難いことだなと感じた。



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ヴォーリズ記念病院旧本館&礼拝堂&五葉館

2023-11-11 | 建築巡り・街歩き【その他】

10月のこと・・
友人にヴォーリズ記念病院旧本館(ツッカーハウス)の見学ができるようになったと教えてもらったので、吉田悦蔵邸見学と、ガウディが来たら佐川美術館へも行きたいと思っていたので、それらを兼ねて久々近江八幡まで訪れてきた。


近江八幡へは、初めて家族連れで来た時から、何度も訪れている好きな町だけど、ヴォーリズ記念病院へは、その時以来。
2007年に訪れた当時、ツッカーハウスは、解体は免れたものの建物は老朽化が進み、危うい状態で、外観のみかろうじて見れる状態だったが、この日は見事に改装されて、中へも立ち入れるようになっていた。


玄関ホール。
ボランティアガイドさんにより、建物内を案内して頂いた。


大正7年、結核が大流行していた当時、ツッカー女史の献金により、結核療養所として、ヴォーリズ設計により建てられた。
建物は、日照の方角や時間、効果的な通風などを最大限に考慮して建てられているそう。
病室は2階で、1階は管理事務所として使われていたという。


クリーム色のタイルが貼られた暖炉跡があった。




ヴォーリズといえばの、クリスタルのドアノブがあちらこちらに使われている。


院長室だったか?
こちらは鮮やかな黄色のタイルが貼られた暖炉。




家具なども当時のままのものが保存展示されていた。


開館当時のツッカーハウス。


建物両脇には、八角形に張り出した、こんな日当たりのよいコーナーも。



階段はゆるやか。


2階にある病室は男女に分かれた団体部屋になっていて、広く取られた窓が並び明るく、さすがに風通しもよさそうだった。
当時はこちらにベッドが並べられていたようだ。


窓が大きく明るいからか、照明は小さ目のものがぽつぽつと吊るされている。


こちらは女性用の団体部屋。
現在は、展示室に。
男女、全く同じ広さだそう。


男女共に、部屋から張り出したサンルーム的なスペースがついていた。


職員の部屋。



物置状態的な部屋の床に敷かれてた蜀江文のタイル。


この先、三階にも、物置などのスペースがあるそうだが、まだ整備途中の為、立入禁止。


そして、ヴォーリズ記念病院礼拝堂へ。
このアプローチがいいなあ。
昭和12年建築。




礼拝堂では、毎週日曜日に礼拝が行われ、
ヴォーリズ記念病院の患者さんたちが訪れる。










礼拝堂の窓からは、五葉館が見える。


丸みを帯びた窓のハンドル。


ドアノブと鍵穴の金具。
シンプルだけど、良い形。


壁紙には、独特な模様が入っていて、新たに作るのは難しいものだと言われていた。


最後に五葉館へ。


昔に訪れた時は、草木に覆われていて、全体を見渡せることができないほどだったが、修復されて、中へも入れるように。
ツッカーハウスと同じく、大正7年に建てられた。
療養がすすみ、退院間近の患者さんを収容する施設だったそう。



病室は一つ一つ独立していて、五方向に突き出しており、
高床式で建てられているため床下の換気も十分。



入口扉は、紫水晶のドアノブが使われていた。


建物内へ入ると、中央部分は大きな広間になっていて、各部屋の患者さんたちが娯楽室として、集えるようになっている。


病室は蒸気暖房が取り入れられ、各部屋は窓が三方向に付き、通気の良さと共に、窓からは自然の緑が目に入るようになっている。
なんと贅沢な部屋・・



窓越しに隣の病室の患者さんと話もできるようになっていたとか。


二部屋ほど、修復前の状態で保存されていたが、天井などボロボロの状態だったが以前の状態を見れるのはいいな。


部屋の扉はすりガラスに病室の番号が入っている。



洗面所はタイル貼りに。





衛生面など掃除のしやすさを考えてか、床からの立ち上がりは、曲面になっていたり、
さまざまな工夫が凝らされたヴォーリズ設計の建物をあらためて見ることができてよかった。

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岡山の旅2023【総社まちかど資料館&岡山禁酒会館他】

2023-10-01 | 建築巡り・街歩き【その他】

吹屋から、少し時間に余裕があったため総社へ立ち寄れた。
明治43年に建てられた旧総社警察署も江川三郎八設計によるもの。
現在は総社市まちかど郷土館として公開されている。


入口を入ると、受付窓口だったと思われるカウンター。


1階展示室。
岡山の洋風建築の歴史などの展示。


2階へ。


八角形の塔屋部分。
上げ下げ窓が並び、明るい素敵空間。




2階展示室には、総社の伝統産業、売薬関連の資料などが展示されている。
マネキンは当時の薬売りを再現。


い草・畳表も総社の主要産業だったそうで、編み機などの展示も。



床下換気口の装飾。


向かいには、モザイクタイルのショーウィンドウのある建物があった。
本屋さんのよう。


白と水色の市松模様のモザイクタイル




周囲も少し歩いてみる。






2階に貼られてるブルーのタイルが魅力的な建物。



美しいタイル。


ソフトクリームののれんが気になった建物。



なまこ塀と虫籠窓のある重厚感ある町家も見かけた。


松の彫刻がある持ち送りは、初めて見た。








洋館付きの立派な邸宅も。





岡山に戻り、最後に禁酒会館のカフェへ行くことに。
禁酒会館の隣にあった気になったビルを見て行く。
ガラスブロックと、タイルが貼られた階段ホール。









道路に面した窓には外からうっすら見えたステンドグラスが、きれいだった。


各階に入れられたステンドグラス。


そして、禁酒会館へ。
建物は大正12年に建てられたもので、禁酒運動の拠点として、岡山禁酒会の定例会、講演会、強化運動者の宿舎としても利用されていたそう。
向かいから写真を撮ろうとしたが、木が邪魔して撮れない、、


ドイツ壁風の壁面に白いタイルが貼られた外観。


前回来た時は、閉まっていて中には入れなかったので、今回初潜入。
酒害相談所の看板もあり、現在も建物の維持管理と共に禁酒の為の活動の支援が行われている。


1階は、珈琲屋ラヴィアンカフェに。
天井が高く、とても良い雰囲気。



カウンター


ギャラリースペースには、雑貨販売のコーナーもあり、内部にも一部タイルが貼られていた。





禁酒会館には、昔、カレーを出す食堂があったそう。
当時使用されていた食器などが展示されている。


現在は数量限定で、カレーを出されているようだ。


2階へ。


2階は、いくつかの会社事務所やレンタルスペースとしても活用されている。
ライブなどが開催されるホールもあるみたい。


多種類の型板ガラスが使われた窓。


細い廊下を進む。


突き当りは窓。
窓の外の緑や城の石垣が目に入る。


裏にも階段が。



カフェのアイスコーヒーも美味しかった。
二日間の旅もこれにて終了。
車移動のおかげで、いろいろとはしごできて楽しかった。お疲れさまでした〜

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岡山の旅2023【旧吹屋小学校本館&吹屋の街並み】

2023-09-30 | 建築巡り・街歩き【その他】

真庭市の旧遷喬尋常小学校を後にし、やって来た吹屋。
吹屋にも江川三郎八設計の小学校があるという。




弁柄と銅生産で繁栄した鉱山町、吹屋は、江戸末期から明治にかけて
つくられた独特な町並みが残されている。
まずは、混まないうちにランチするため、ランチ場所目指して歩く。
吹屋に来るのは学生時代以来で、雪がちらつく寒い冬に来た覚えがある。
この日は、9月も半ばなのにまだ夏並みの暑さだった。



べんがら色に染まった吹屋郵便局。


旧片山家住宅
創業以来200余年に渡り、弁柄の製造販売を手掛けてきた片山家の屋敷。


お目当てのお店、カフェ燈。
開店時間くらいに伺ったが、すでに満席になってた。
並んではいなかったので、とりあえず待つことに。





隅瓦には、打出の小槌が。


お店の前は、旧吹屋町役場。
建物は明治中期の頃のものだそう。
現在は資料館のようだけど、閉まってた。


待ち時間の間、少しうろうろ。


いい風化具合のベンガラの壁


そして待ち1組目の私たちは、カフェの別棟のお部屋に案内して頂けた。


こちらは、普段は一棟貸しの宿として、町屋スティができるようになっているようで、中庭のあるゆったりした造りの部屋、テーブル席で、涼しくて快適。







そして、日替わりランチが運ばれてきた。
地元産の野菜が使用された色とりどりのランチがヘルシーで、美味しかった。


デザートに、自家製梅酒ゼリー高梁紅茶を頂く。
お腹がいっぱいになったところで、旧吹屋小学校へ向けて、散策しながら向かう。



昭和40年頃まで、郵便局だった建物だそう。その後食堂にも。


元来た道を戻る。


お土産屋さんに改装された町家、旧山内家。



石州瓦が美しい~


長尾醤油酒店酒蔵を改装したギャラリーでアート展が開催されてた。


酒蔵の雰囲気にぴったりのアートだった。


弁柄窯元の中野屋。
つし二階?のなまこ壁は、七宝繋ぎ文様に。





石州瓦が連なる吹屋ならではの風景。


そしてやってきた旧吹屋小学校。
何か様子がおかしい?!
カラフルなこのテープは、マステのmt?!
mtと吹屋小学校がコラボして、イベント開催中のようで、
インスタレーションなどが行われてた。


旧吹屋小学校は、明治33年に東西校舎、明治42年に江川三郎八設計により本館が建築され、平成24年の閉校まで、現役最古の木造校舎として使用されてきたそう。


玄関が~、マスキングテープでデコられてる~~
せっかく来たのに、マステなしの玄関が見てみたかった・・


イベントのせいか、お客さんも多く、
あちこちに、マステのインスタレーションがあって、
写真が撮りにく過ぎる。










2階の講堂も、せっかくの折り上げ格天井なのに、天井から無数のテープがぶら下がるカモ井のハエ取り紙風インスタレーションで、、台無し;



テープの間に見える講堂の演台。


この後、マスキングテープ販売特設会場へ行くと、会場はかなり白熱していて、ついついマステ漁りに夢中になってしまい、、
さっきまで散々文句を言ってたのに、すっかり皆を待たせるくらいにマステを買い込んでしまってる自分がいた;


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岡山の旅2023【津山神社の本業タイル&旧遷喬尋常小学校他】

2023-09-29 | 建築巡り・街歩き【その他】

津山に宿泊した翌朝は、集合時間までに一人早朝散歩へ。
可愛いモザイクタイル看板見つけた。「ROSE」


裏側には、薔薇の花がモザイクで描かれてた。
いい看板だなあ。バーのようだ。


お店は閉業してたようだけど、Coffeeのフォントと
ハーフティンバー風の壁面の装飾がいい感じ。






以前、訪れた時に巡った近くの近代建築を見に行く。
大正15年建築、内村鑑三の弟子、森本慶三が、キリスト教文書伝道を目的として設立した我が国唯一の基督教図書館。現在は、森本慶三記念館となっている。



正面上部には、キリスト教にちなんだ羊とヤギのレリーフ


入口の持ち送り。


時計台のついた塔屋もある。
裏手には津山城の城跡があり、


手前には、つやま自然のふしぎ館が。
建物が近代建築ぽいと思ったら、旧津山基督教図書館高等学校夜間部の校舎だったそうだ。
こちらの博物館も、森本慶三が開設した施設だそうで、
動物のはく製や化石、鉱物の他、遺言により森本慶三本人の臓器も展示されてるとか。



昭和9年建築の旧津山市庁舎。現在は津山郷土博物館。



帰り道、住宅街の中で、モダンな建物発見。
駐車場の壁には、カラフルな小窓が入っていて、
エントランスの柱には、丸くくりぬかれた窓が





そして、昨夜歩いた時に見た木造三階建ての旧西村旅館。
2階部分まで江戸末期からあったものだそうで、3階は、その後
旅館業をするために継ぎ足されたものだそう。


木造三階建ての存在感がすごかった。


うっすら西村旅館の看板が残る。


1階の窓ガラスは、様々な型板ガラスが使われていた。






この後は、ホテルルートインに戻って、バイキングの朝食を。
かなり・・食べ過ぎた。


そして、まずやって来たのは、美作国の一宮神社、中山神社。

こちらには、本業タイルがあるそうで、
拝殿は、江川三郎八の設計だそう。
江川建築もタイルもダブルで見れるというスポット。


長い参道を歩く


めちゃめちゃ愛嬌のある狛犬がいた。


可愛い。


この先は拝殿、本殿と並ぶが、立入はできない。


塀の外から、、手前の拝殿は、江川三郎八設計のもの。



こちらの本殿は、中山造りという建築様式で建てられた、重要文化財。


社務所の方の


入口足元には、本業タイルが敷かれている。
前日に清子の家の風呂場で見た本業タイルと同デザイン、同サイズだった。



よく踏まれる中央部分が少し剥がれかかっていた。



その後やってきたのは、旧遷喬尋常小学校。
江川三郎八設計、明治40年建築の重要文化財で、平成2年まで真庭市立遷喬尋常小学校の校舎として使用されていた。
ここも以前、家族に無理やり?立ち寄ってもらったところ。





当時、巨額な費用を投じて造られたという校舎には地元産の優れた建築材が多用されていて、
廊下は幅広く分厚い松材を、戸の板壁は、全面無節の杉材が用いられているとか。


良い艶。


廊下の先の壁には、卒業記念制作に作られたもの。


江川三郎八資料室も。
どこのだったか?解体された天井装飾の実物が展示されていた。


前日に見た、旧旭東幼稚園八角園舎の模型。


校舎の両端につけられている階段は、ゆるやかな傾斜で上りやすい。














圧巻の講堂は、二重折上げの格天井。
鏡板はすべて檜の柾目板だそう。


小学校の講堂とは、思えないような迫力と風格が漂う。








カフェとして使われてる教室も。


校長室。


鳳凰が描かれてた風流な金庫。

この後は、吹屋へ。





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岡山の旅2023【江川式建築とタイル巡りその二】

2023-09-26 | 建築巡り・街歩き【その他】

「清子の家」を見学した後は、津山へ向けて、途中の近代建築を巡る。
大正5年建築の旧永井歯科医院。
下見板貼りの外観に、大きな縦長の上げ下げ窓が二つ一組で
きれいに残されていた。


山本学商店、目に留まったタイル。


ショーウィンドウ下には、ふっくら飴釉のモザイクタイル。





走行中、山手の木々の間から見えた建物。
旧和気郡山田村役場庁舎で、現在は、佐伯町ふる里会館に。
窓の三角の尖ったアーチや装飾がセセッション風?
周りの風景からは、明らかに浮いた雰囲気。


扉は閉まっていて、
連絡先番号があったので、とりあえずかけてみたが、繋がらず。
中は民俗資料館のようになっているようだけど、
2012年にも来ていたようだが、中には入れなかったみたい。

そして、岡山まで来たので30分でいいからブドウ狩りをしたいと提案していたが、同意する者はおらず、却下される;
後に道の駅で、ぶどうを買って、食べれて、満足した〜


昭和6年に建てられた旧片上鉄道吉ヶ原駅駅舎。
ハーフティンバーに、赤い三角屋根が可愛い。




こちらの持ち送りが、見たことないデザインで面白かった。
サイコロ状の立方体に米のような模様のレリーフ装飾がついている。


駅舎の中。
天井の細工も良い。




改札口は石製。





そして津山へやって来た。
津山に来るのは三度目だが、以前家族と来た時には、駆け足だったので
ゆっくり見れた。
大正6年建築の旧中島病院本館



現在はまちの駅、城西浪漫館として、一般公開され、
カフェやショップとしても営業している。







つちや写真館。


明治37年建築、日本基督教団津山教会。







津山文化センターは、この日はイベントがあり、入ることができなかった。
前回来た時に見た内部はこちら→


こちらは、今回初めて。
大正9年に建てられた旧妹尾銀行林田支店だった建物が、現在はポートアートデザイン津山という、ギャラリー&カフェとして使われている。
一見、お寺のような佇まいだが、銀行ということで、


内部は、銀行時代のカウンターが残されていて、
営業室がカフェになっていた。



天井が高く、ここの折り上げ格天井がすばらしい~


折り上げ格天井の下部には、明かり取りの窓があって、その下にも帯状に装飾が入ってる。組子のような細かな装飾が豪華で、和洋折衷のデザインが素敵。





床には八角形と正方形の組み合わせ、蜀江文の形のタイルが貼られてた。


営業室のある建物の更に奥には、渡り廊下が繋がって、煉瓦造りの蔵もあり、
そちらは展示室として活用されている。


中庭



ギャラリーでは、和紙を使用した作品が展示されていたが、煉瓦造りの空間にぴったりマッチしていて素敵だった。





こちらは、和紙を針で突いて、毛羽立たせ、模様を描くという手法でつくられているとのこと。今まで見たことのないようなアートで、とても素敵。
羊毛フェルト的な感じなんだろうか~気の遠くなりそうな作業。



和風の外観と、洋風の煉瓦造りの蔵や門がマッチした建物で、
好きな雰囲気だった。


通りを歩いていて見つけた、モザイクタイルの「駐車禁止」
水玉風のタイルの上に貼られてるのもまたいいな~


地元の洋菓子屋さんかと思ったら・・
入ってみると、お店の中では、おじさんの趣味?の模型がいっぱいで、
お菓子のコーナーは、片隅においやられてた。


後、城東むかし町家和館も以前じっくり見学したが、
中にある洋館を見ていく。


ドイツ壁の洋館は、ヴォーリズ建築のような雰囲気で、


紫の水晶のドアノブや、


水晶のドアノブも。


タイルの貼られた理容室。



可愛い椅子がひとつだけ。
ぽつんとバス停。


元銭湯の福寿湯が、改装され、コーヒースタンド福寿湯として活用されているということで、立ち寄る。


床のモザイクタイルも一部見えた。


浴槽や看板など、銭湯の名残が残る店内。


浴槽はモザイクタイル貼り。







天井の湯気抜きもそのまま。
鯉のぼりが吊るされてた。


銭湯アイテムがあちこちに。


席は、2,3人掛けが数席で、それほどゆっくりできる感じではなかった。



ブルーベリースムージーを。

この日の行程は、これで終了し、津山泊で
翌日に続く、、

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