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m's diary

タイル巡り♡タイル制作♡建築巡り♡町歩き

富山の旅2025【高岡の町歩きその二】

2025-04-20 | 建築巡り・街歩き【その他】

能作から、高岡駅まで戻り、レンタサイクルを返して、再び町歩きを開始。


洋風の看板建築。うっすら看板文字が消えた箇所が、、何屋さんだったんだろう?


坂下町の交差点に向かい合わせに建つ看板建築も魅力的だった。


寝具店と


通りを挟んで、こちらは塗料店。


ファサードにはモザイクタイル柱が4本も。


カラフルなガラス片がたくさん入っているベビー用品店の柱が、きれいだった。




タイル尽くしのお家。


玄関周りにもこんなレリーフタイルが貼られてた。





白いタイル貼りの洋風建築。


山町筋に入ると、蔵がすごい密度で現れ始める。
蔵を改装した喫茶店。



和の蔵だけでなく、窓周りに洋風意匠のある蔵も。





せいろやふるいなど金網商品のお店


閉ざされたショーケース下には、クリーム色のモザイクタイルが貼られていた。


黒漆喰塗、天窓のあるお宅も。







明かり取りの天窓の塔がかわいい。


山町ヴァレー。
昭和4年に建てられた文具商だった旧谷道家タイル貼りの洋風建築。リノベーションされて、韓国料理店やマッサージ店などが入る複合施設に。


1階部分の外壁には、布目タイルが貼られてる。


一部、貼り替えられたものなのか、こんなラインが入ったタイルも。


エントランスホールは、モザイクタイル貼りに。


文房具店時代の木製の棚が残っている。


階段を利用して、季節柄お雛様の展示がされていた。


建物の奥には中庭を囲むように蔵が建ち、それらの蔵が様々な店舗に活用されている。


お昼に山町ヴァレー内の韓国料理店でランチを。


スンドゥブチゲ定食を頂いた。

山町ヴァレーの斜め向かいくらいには、一際立派な蔵造の町屋が。
黒漆喰塗りの重厚感溢れる建物は明治33年の高岡大火災の後に再建された菅原家住宅。


雷紋装飾の入った箱棟に、雪割り。


庇には鏝絵の天井装飾。



源氏香が透かし彫りされた塀なども残されていた。


2階は縦長の上げ下げ窓のついた洋風の町屋






洋風の看板建築と、蔵造りの町屋が合体したような建物も。


そうかと思えばモダンなタイル貼りのビルもあった。


淡いグリーンのモザイクタイル貼りの外壁にアーチのある井波仏具店。


唐草模様のアイアンワーク。


淡いグリーンの大理石のモザイクタイルや柱がモダンで素敵。





蔵造りの町並みの中で、突如現れる赤煉瓦の洋風建築。
大正期に建てられた旧高岡共立銀行本店


通用口の持ち送り。


高岡信用金庫本店。
新しい建物のようだけど、周囲の蔵造りの建物になじんでいた。
黒漆喰塗りの外壁がかっこいい。


駐車場への通路?床と柱に貼られた黒いタイルがなんとも
渋くて良い感じ。





ちょうど向かいにあった高岡郵便局。
1,2階は、なまこ壁になっていて、周囲の景観との調和が保たれてる。



金屋町へ向かう道すがらは、銅板貼りのお家にたくさん遭遇。





「仏壇うるし大場」



いい感じにツタが絡まったクリーニング店。


見つけた瞬間、可愛い!とうなった理髪舘。
館ではなく舘の字も良い。


型板ガラスの入った2階の窓。


1階欄間にも結霜ガラスが。



腰壁にボーダータイルが貼られてた建物。




オレンジからベージュの色ムラが面白いタイル。

この銅板貼りの建物も素敵。


1階の軒の上の飾りがモダンだなあ。


高岡鋳物発祥の地、金屋町は石畳と千本格子が美しい町並みが見られる。




鋳物の町の側溝蓋






美しいタイルの貼られた壁。


千本格子の家並み

緑青が吹いた銅板がひときわきれいな色を放ってた。







ボーダータイル。


笹の葉がデザインされた鋳物プレート。


床面に貼られてた滑り止めのついたタイル。


オリエンタルな雰囲気のこのタイルも良いな。


ファサード全面タイル貼りのお家。







金属工芸工房の建物には、丸窓がひっそりと。





帰りに急ぎ足で購入したお土産は、好物の月世界と、
初めて購入した水だんごと不破福寿堂の鹿の子餅。


この鹿の子餅が激美味で、虜に~
ふわふわもっちり食感に天にも昇る気持ちになった。
創業の明治時代から作られていたそうで・・驚愕した。
これにて二日間の旅が終了。
十分満喫できて、高岡へも再訪できてよかった。









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富山の旅2025【高岡の町歩き&能作工場見学他】

2025-04-16 | 建築巡り・街歩き【その他】

富山駅前に宿泊した翌日は、久しぶりに高岡と、そして鋳物メーカーの能作へ行く予定にしてた。
能作の工場見学を11時に予定してたので、朝一は高岡の町歩きを。


駅から近場の末広町の辺りをぐるりと一周。
タイル尽くしのビルを見つけた。
階段のアイアンの手すり子もかわいいな。


大きな円柱の周りに貼られるタイルは所々に立体感のあるレリーフタイルが混じる。


アールの壁面を埋め尽くすやきものらしい質感のあるタイル。





深いグリーンのタイルに覆われたビル。


ブロンズのライオンが見守る。


グラデーションのある青みがかかったグリーンがきれいだな。


中央部分がぐにゃりとへしゃげたデザインがおもしろかったビル。


駐車場の料金所の建物がただならぬ雰囲気で、


丸窓や腰壁には布目タイルも貼られてる。


ちょうどお向かいにおられた方にお伺いすると、
広い駐車場にはもともとお屋敷があったとか。
そのお屋敷の洋館部分だけが残されて料金所として活用されてるようだった。




こんなレリーフ飾りも


裏へ回ると縦長の洋風の窓もあった。


広場の階段踊り場に貼られていたモザイクタイル。





腰壁に貼られていた切り口がラフなタイル。



適当にちぎったような長短のあるタイル。
表面の凹凸で変化してる釉薬の色も良いな。



大人しい色味だけど、パズルのように組み合わさるデザインがおもしろいタイル。


ちょこちょこ見かける型押しタイルも。

菱型のうろこのような銅板貼りの建物。


軒など部分的に銅板が使われ、1階の黒いタイル貼りが渋いお家。
サッシも黒く塗られてた。


牛乳箱も



銅板貼りのお家がいくつか見かけた。



はっとしたのは、この窓のドレープの入った持ち送りが優雅だった建物。






路地裏で見つけたカラフルなガラスブロックに、タイルがあしらわれ、木製の面格子的なものも独特な意匠だった建物。


開いていたら、思わず吸い込まれそうだった二口食堂。

この後、レンタサイクルを借りて、能作を目指す。
徒歩2時間のところなので、自転車だと1/3の40分を予想していたが
道を間違えたりで45分かかってしまい、予約前ぎりぎり到着。


十数年前に家族でも一度工場見学をしたことがあったのだけど、
それから2017年に新社屋ができて充実してるようだったので、再訪することに。
赤い屋根は、鋳造の炉をイメージしているという。


能作は、鋳物の町、高岡に大正5年に創業。
創業時より仏具や茶道具、花器などを製造してきたが、近年は、錫製品など
インテリア用品やテーブルウェアなども手掛けている。


建物は、その鋳物の素材となるさまざまな金属で彩られている。
エントランスの外壁は、真鍮の板に覆われていて、


外壁の一画には、錫の板が貼られたコーナーも。


エントランスホールを入ると、出入口周りにも真鍮の板が艶やかな光沢を放っていた。






エントランスホールで目を惹くのは、鋳造で使用する木型の展示。
これらは展示兼収納庫となっていて、現役で使用されているものなのだそう。


さまざまな形と色の木型。2階までの吹き抜け空間を埋め尽くす量にも圧倒される。
見せる収納がとっても良いアイディアだなあ。


さまざまな色があるのは、制作した職人によるものだという。


鯛焼きの型などもあった。









そして、工場見学ツアーへ。
奥は、銅製品のコーナー。鋳物で「銅」と形作られた大きなサインがかかる。


こちらは、「炉」の文字が見える。


「錫」製品のコーナーでは、ちょうど鋳込み作業をされてる職人さんの姿が。
型を型枠へ入れて、その周りを砂で押し固める作業。
砂だけで固まるのがちょっと不思議。



板状になった錫の原料。


型枠。


溶かした錫を型枠に流し込み、型から外された製品。


さまざまな仏具や花器などの見本品が並ぶ。


こちらは製品の仕上げの部署。
焼き上がった製品を磨き上げ、微調整していく。



くすんでいた製品も磨き上げる中で、光沢を帯びる。


光輝く完成品たち。


錫製品は特にやわらかいので仕上げの微調整も難しいとか。


完成した錫製品。


様々な錫製の商品。


動物の顔が描かれたものは、裏を返すと盃に。



館内のサインは、全て真鍮でできていて、シンプルでおしゃれだった。



こちらはちょっと立体感のあるサイン。


FACTORY SHOP&レストランもおしゃれな空間だった。


錫板が貼られた壁が印象的なコーナー。




シンプルなテーブルとチェア、そして真鍮とガラスのシェードの照明。


給水コーナーには、錫製のコップが置かれている。
水がまろやかにおいしく飲めるそうだ。


2階は、展示コーナーに。




仏具製造から始まった能作の歴史を製品と共に紹介するコーナーも。


真鍮の音色がきれいなベル。
少しづつ音色が違ってた。


錫製のカゴは、自由自在に曲げて、形づくることができる。





能作で前回訪れた時に購入した、この苔玉付きの銅製のハリネズミのオブジェが可愛くて今も愛でてる。もう苔玉はないけど




能作本社屋から立山連峰を望む。

この後は、再び高岡の中心部へ自転車で戻った。
なかなか良い運動になった。


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富山の旅2025【富山市立図書館他】

2025-04-15 | 建築巡り・街歩き【その他】
gooブログが終了するらしいけど、とりあえず富山の旅が途中なので
これだけ終わらせとこう。

滑川から富山にやって来た。
この日は、富山駅前の格安で快適だったホテルに一泊。ホテルに無料のレンタサイクルもあるというので、チェックイン後、見ておきたかった富山市立図書館へ向かうことに。


富山市のマンホール、立山連峰と雪の結晶の組み合わせがかわいいな。


アザミのデザインのマンホールも良い。
アザミの根っこが薬用になり、富山の薬とつながるとのことで、市の花に選ばれているらしい。


途中に、赤い屋根の塔屋の乗った建物が。


二つの塔屋があって、塔の先には風見鶏的なものもついている。


アーチ型のベランダに、赤い面格子も。
建設会社のビルのようだった。


大型モザイクタイル物件にも遭遇。
クラブちぼり
この桜木町辺りは、富山の歓楽街のようで、雑居ビルなどがぽつぽつと。


グリーン~ブルー系のガラスモザイクが貼られてた。


コーナー部分には、エンブレムのようなお店のマークを現したモザイクも。




こちらのビルもタイルが壁にも床にも。


やや光沢のあるタイルに、所々厚みのある飛び出したタイルが貼られてる。


アクセントに貼られてた赤いタイル。


床には、こんな丸模様のタイルも。


お隣?だったかのビルにも大き目のコラベル型にレリーフの花模様の入った可愛いタイルも発見。


歓楽街を抜けると、交差点の角に近代建築らしき建物。
昭和21年に建てられた富山第一銀行本店。



そして、富山市立図書館が入っている複合施設「TOYAMAキラリ」へやって来た。
隈研吾設計により平成27年にオープン。
図書館以外に富山市ガラス美術館、富山第一銀行などが入っている。


外観は、立山連峰をイメージし、御影石、ガラス、アルミを組み合わせ
デザインされたものだそう。
キラキラした見た目のインパクト大。


裏側へ回ると、壁面が緑化されていて、省エネ効果も考慮されているそう。



中へ入ると、鏡貼りに木製のルーバーが使われた壁面、エスカレーターへと誘われる。



各階への案内板も木の端材が用いられていた。


2階へ上がると、吹き抜けの大空間が現れた。
木製のルーバーが縦横無尽に取り付けられていて、
木の温かみのある空間に。



2階から6階までは図書館と、ガラス美術館が入っていて、
シンプルな書架も美しい。








シンプルなサイン


ガラス美術館の方は閉館時間間近だったので、入れず、




見上げても、見下ろしても壮大な空間が広がっていた。






最上階から階下を望む。


図書館から戻り、晩御飯に豪華海鮮丼を。


通りがかりにヘキサゴンモザイクタイル貼りの生け簀を見つけた。


この後は宿へ戻り、富山1日目が終了。


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富山の旅2025【滑川建物フェスへ】

2025-04-14 | 建築巡り・街歩き【その他】


小杉から滑川へやって来た。
駅を出てすぐ、ほたるいかタイルに遭遇。





玄関周りを竹風タイルで埋め尽くされた家も。


Y字路に建つ下見板貼りの元商店?だろうか?
懐かしい看板がたくさん貼られてた。



こんな飼料看板も。


衣料品店の壁にはなぜかミュシャ風の絵の看板。


こちら旧嶋田屋から建物フェスで公開中の11軒の建物巡りを開始。
旧嶋田屋は江戸時代から宿場町としてにぎわっていた滑川の中心地、橋場に面して建つ明治19年建築の旧旅館。



1階には美しいシルエットの建具が入っていた。








2階のお部屋もそれぞれ意匠が美しく、各部屋襖で隔てられてている。


障子欄間やガラスの感じも良いな。


床の間のあるお部屋


波と千鳥がデザインされた照明。


川縁の部屋が特に気持ちよさそうだった。


2階の中央についていた階段。






釘隠しと障子の引手もバリエーション豊かだった。


旧嶋田屋を見た後、11時からほたるいかの産業体験予約を入れていた川村水産へやってきた。


定置網で収穫する滑川のホタルイカは、関西のスーパーなどで見かける兵庫県産のホタルイカとは違い、
身が大きく料亭などへ卸される高級なものだそう。
こちら、採れたてのホタルイカの生の状態のもの。


ゆで上がり。


ゆで上がったものを氷で締めているところ。
ゆで上がりと、氷で締めたものを試食させて頂いた。
少し食感が違うかな・・でもさすがに美味しい・・
工場では、マレーシア人の方々が黙々と作業されていた。



スライドなども見せて頂きながら解説を聞き、最後は
お店で、試食やお買い物を。



朝どれ、ゆでたてのホタルイカを1パックお昼ご飯のお供に購入。
ホタルイカは時価で、この日は1パック千円だった。



滑川で見たマンホールは、ホタルイカの定置網漁をデザインしたもののようだった。



大正3年、地元の宮大工、岩城庄之丈により建てられた廣野家住宅。
中川沿いのすばらしいロケーションにあり、2階の開け放った窓は、見晴らし良かった。
(内部ネット公開禁止)



二階の川沿いのお部屋からの見晴らし


廣野家住宅の郵便受け。



廣野家住宅に隣接するこちらは洋風の造りの廣野医院。


1階に美容院が入っていた角丸なバルコニーのある建物。





明治初期に建てられた城戸家住宅。
味噌、酢、醤油を製造販売を行い、その後は雑貨店として営業されていたそう。





重厚な梁が通る高い吹き抜け空間に、天窓がある仏間。


思ったより奥行があり、一番奥にあった存在感のある蔵。


蔵の扉には、細やかな透かし彫りなどの細工が施されていた。


味噌や醤油を醸造していた頃の設備なども残る。






何気に置かれてたすずらんの透かしの入った飾り棚が可愛いかった。


城戸家住宅の向かいには、元たばこ屋さんのショーケース下に
ピンクの玉石タイルを見つける。






以前は、薬局でもあったようで、ガラスのスクリーンのある調剤室も残されていた。
現在、珈琲スタンドもされているようだ。




慶応3年、大火の後、再建された滑川最古の町屋、有隣庵。
こちらも、玄関の明かりとりのある高い吹き抜けの空間が印象的だった。
(内部ネット公開禁止)


他にも屋根の上に明りとりが付いている建物、ちょこちょこ出会う。


慶応3年頃に建てられた旧宮崎酒造店舗兼主屋。
明治8年に売薬と酒造を営んでいた小泉屋から土地と建物を購入し、
始まったといわれる宮崎酒造。


こちら通り庭の上を走る梁が、迫力いっぱい。





広いお座敷も


麴蔵





旧宮崎酒造の奥には、ひっそりとカフェもある。


ちょっと派手目の黄色に塗られらた建物は、歯科医院だったそう。


明治初期に建てられたという菅田家住宅主屋。


大正5年、岩城庄之丈により建てられた養照寺本堂。







江戸時代に建てられた本陣が当時のまま残されている。
桜の間


滝の間



藩主専用の上段の間も。




襖には七宝焼の引手が。
表裏違ったものが入れられていた。




昭和11年建築、田中小学校旧校舎。



玄関ポーチ貼られていたクリンカータイル。


中央階段













腰壁に木製のパネルが貼られた貴賓室


優雅なデザインの持ち送り






昭和6年建築旧高嶋医院。
詩人、高嶋高の父が建てたという滑川初の洋館医院。



シャンデリアの下がる1階応接室。









2階、
茶室の付いた広間。


雁のような鳥が透かし彫りされた欄間。





炉の切られた茶室





蔦の絡まる郵便受けのある壁


古びた美容院の建物。


午後からは、まち歩きガイドツアーへ。
ガイドさんは、滑川の高校生。古い写真と現在の町並みを見比べながら案内してくれた。
滑川で発生した米騒動は、この辺りで起こったのだとか。
こちらの2階がトタンで覆われた建物は、米蔵だったそう。


かつては商店街としてにぎわっていたというさらしや通り。
車の駐車場となっている部分、下に水路が通ってる。


「コンブヤ」という名前の化粧品&雑貨店。
元は昆布屋さんであったそうで、昆布の名前が継承されてるのがおもしろかった。









明治20年建築の滑川館本館
明治から大正にかけて、滑川町長や県会議員を歴任した加藤甚右衛門の邸宅として建てられ、昭和15年より土肥家の所有となり旅館として営業されていた。



こちらにも元こんぶ屋が飲食店に活用されていた。
昆布屋さんが多い富山、どうも地元産ではなく、北前船で運ばれてきていたもののようだ。



ツアー終了後は、建物巡りの続きを。
こちらは今回最も気に入った旧金川歯科。
昭和30年に建てられた旧診療所。



モザイクタイルが貼られた円柱のあるポーチや、腰壁もタイル貼り。





木製の窓のサッシや扉も良い風化具合。



玄関入ったところに残されていた受付窓口と思われる小窓。


待合室だろうか・・


昭和レトロな雑貨の販売が行われていた。


旧診療室。


応接室。


ボーダータイル貼りの暖炉があった。


目地幅太目で、ひとつひとつのタイルの存在感のある美しい暖炉。


暖炉に続く棚には、薄いピンク色のモザイクタイルが貼られてた。



1階には洋室だけでなく、和室も二間あった。
2階は立入禁止。


すぐそばの旧ヱビス屋百貨店と髙木屋は昭和7年に建てられた旧衣類店と履物店の店舗兼住宅。


1階は改装中のようだった。
どのようなスペースになるのだろうか・・


コンパクトでかわいいらせん階段がついている。


2階の住居部分には、複雑に入り組んでいて、欄間などのある和の空間が残されていた。
テラスのような空間も。




お風呂もタイル貼りだった。


床は、縁は小さなモザイクタイルで囲った玉石タイル貼りに。


腰壁は、グリーンがさわやかなタイル。


目に留まった2階がびっしりモザイクタイル貼りの建物。


マーブル模様の黒いモザイクタイルを茶色の小口タイルが囲んでる。



こんなマーブル模様のタイルも発見。


そして中町会館へ。
元は、木造教会だったそうで、現在は自治会公民館として活用されている。
こちらで、コジマユイさんの建物イラストの展示を拝見。
今回のフェスでの公開建物が、一軒一軒、細やかに描かれていた。


2階は立入禁止だったが、階段を見上げたところ。


クロージングイベントは、こちらの中川沿いの廣野家住宅の2階から
お琴の演奏では、きれいな音色が辺りに響き渡っていた。


一日で周るにはちょうど良いくらいの範囲と物件数で、
丸一日楽しませて頂いた。



この後は、この日の宿泊地の富山へ向かった。



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富山の旅2025【小杉の町並み】

2025-04-12 | 建築巡り・街歩き【その他】
滑川の建築フェスに参戦する為、日曜の早朝、富山に降り立った。
フェスは、10時からだったので、ひと歩きできるかも~と
小杉へやって来た。
以前にも一度富山へ家族で訪れた時にやって来たことがあったが、
久しぶりの再訪。


こちらは、昭和9年建築の小杉町役場として建てられたもので、
江戸時代後期から小杉で盛んだった鏝絵の名エ、竹内源蔵による左官仕事が施された建物。
現在は、その竹内源造記念館として活用されている。
この日は開館時間より早い時間だったので入れず、でも翌日も月曜休館だったので、仕方ない~とこの日に。


妻部分の換気グリル上には、竹内源造の唐草模様の鏝絵が華麗に描かれている。



こちらの黒漆喰塗りの建物は、明治44年、小杉貯蓄銀行本社社屋として建てられたもので、現在は小杉展示館として公開されている。
外観は蔵造りの和風だけれど、内部はガラッと雰囲気が変わり洋風の意匠だった。(今回は入れなかったが)


そしてこちらのかわいい郵便局は、大正13年に建てられた小杉郵便局だった建物が、現在は「LETTER」という複合施設に。
オフィス、古書店、美術教室が入っていた。
以前訪れた時は、閉ざされた状態だったのでうれしいな。



郵便マーク周りの鏝絵も可憐な雰囲気。



明治35年創業の造り酒屋、森永酒店。
仕込み蔵をリノベーションしたイタリア料理店もある。



小杉の町では、鏝絵を生かした町づくりが行われていて、
町の様々な店舗の看板が、それぞれオリジナリティあふれる鏝絵でできている。



肉屋さんの鏝絵看板。


種苗屋さん


表具屋さん


八百屋さん


老舗の料亭中村楼は、江戸時代の武家屋敷を移築したものだそう。



駄菓子屋さんのショーケース下に水色がきれいな小口タイルが貼られていた。




郵便局のポストが描かれた鏝絵。


リアルな歯の鏝絵も。


ガラスブロックとランダムな形がいい感じのタイル壁。




タイル貼りのビルを見つけた。
丸窓周りもモザイクタイルが貼られてる。
明治35年創業、配置薬の三枝薬房





もう一軒見つけた酒屋さん。
大正14年創業の鳥内酒店。





美容室の店前床には、変形コラベルのようなタイルが貼り巡らされていた。


この後は、滑川へ向かう。


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元銀行のレストラン ジュール・フェリエ~今井町散策

2025-03-31 | 建築巡り・街歩き【その他】

少し前、フォロワーさんのお二方と奈良から大阪へとお出かけを。
車に乗せてもらってまずは橿原市へやって来た。
ランチの前に日本聖公会八木基督教会へ。


昭和11年に建てられた和洋折衷の教会堂。
下見板貼りに瓦屋根が乗り、一見和風だったが、
ステンドグラスの入った三連アーチ窓。窓の部分は洋風感ある。



入口扉もアーチ型で、中央に大きな真鍮の十字架が入っていた。


屋根の上には、十字架のレリーフが入った鬼瓦



ミサの途中だということで、2階席へ案内して頂けた。
子ども連れの方もおられ、2階席は広々、
27畳もの桟敷席が広がっていた。
2階席がこんなに広々とした教会は、初めて見たかも。


障子を開けると、上から聖堂が見渡せる。


この造りから音響効果にも優れた聖堂になっているとのこと。


先ほど外から見たアーチのステンドグラスは、葡萄の蔓が絡まった十字架がデザインされている。








桟敷席の西側の障子を開くと、縦長の上げ下げ窓が隠されていた。

2階の和室は、子供連れの礼拝の他、地域の方々の会合などに、
また泊まり込みでのお通夜などにも重宝されるなど
大いに活用されているようだった。


そしてランチに、奈良の橿原市にあるジュール・フェリエラ・バンクへやって来た。
建物は、昭和3年に建てられた旧第六十八銀行八木支店をリノベーションしたもの。





店内へ入ると、吹き抜けの空間が広がり、2階には回廊が巡らされている。
ゆったりとしたテーブルの配置に。


2階にも個室があるようだったが、この日は利用中とのことで見られず。



金庫室の扉も残されていた。
奥はキッチンだったかな?


コースは、前菜から、


オニオングラタンスープがうれしい。


メインにステーキ。


パンに、デザート、珈琲or紅茶も。
おしゃべりしながらゆっくりと至福のランチを頂いた。



ランチ後は、今井町へ移動して町歩き。
今井町は、重伝建保存地区として指定された江戸時代からの町並みが残されていて、現在も約500棟の町屋が保存活用されている。
思ったより広範囲で、江戸時代にタイムスリップしたかのような町歩きが楽しめた。


早速、威圧感のある建物が現れる。
材木商だったという豊田家住宅は、幕末には大名貸しを行い、
藩の蔵元を務めていたという豪商の家。



江戸時代は、米屋を営んでいたという中橋家住宅。
重要文化財のお家がごろごろと。


床屋さんも控えめサインポールで、周りの景観になじんでる。


完璧すぎる路地裏風景


各町屋によく見られたこちらの金具は、「駒つなぎ」という馬をつないでおくためのものだそう。



今井町のマンホールは、この「駒つなぎ」がモチーフに。



カフェに改装された町屋も。


雑然とした所がほぼほぼなく、まるで映画のセットのように美しく維持されているのがすごいなあ。




格子の下部には、換気の為か、各家さまざまな形で換気口が設けられていた。







戸袋下部の細工が凝っていて美しい。


市松模様に彫り込まれた細工。


元薬屋さんなのか、渋い薬看板がたくさん。




古美術店の看板が風情あって良い感じの通り。


葡萄の蔓がモダンな鋳物の灯籠。


玄関先に亀がたくさん。
亀甲模様のネットがおしゃれだなあ。


無料公開中だった旧米谷家住宅を見学。


金物商を営んでいたという18世紀中頃に建てられたもの。
吹き抜けの土間には、



おくどさんが残され、その上には煙返しが見られる。


蔵前座敷も増築されていた。


町屋を改装した和カフェもあったが、この日は時間が押してたのでパス。



こちらは、珈琲店。



学習塾まで、こんな雰囲気のある町屋だとは。


河合家住宅は、江戸時代中期から続く酒蔵。
内部も見ることができた。





屋根の角には、布袋さんのような瓦人形が乗っていた。



そして今井まちなみ交流センター「華甍」へ。
こちらは
明治36年、高市郡教育博物館として建てられ、昭和初年から30年間は今井町役場として使用されていたという。
現在は、今井町の資料館として活用されている。





外観からして、とても華やかで横顔も美しい。


2階の窓も気になるな。


格天井の車寄せ。


擬宝珠を模した親柱のある階段ホール。
あの窓のある2階へは、立入禁止。
イベント時には公開されることもあるそうだ。
奥の展示室には、今井町に関する資料の展示がされていた。


駐車場へ戻る道すがら、漆喰の壁全面に竹が描かれていたのを見つけた。
裏面も同様に描かれていたが、こういうの初めて見たかも。


なんだかそそられる看板が。
100年以上、風邪薬を造っている会社がクラフトコーラを手掛けて販売されているそう。



このハンガー型?の面格子も今井町でよく見かけた。


郵便受けとタイル。
他にもアンティーク雑貨のお店など、ちらりと覗いたが時間切れ。

この後は、一路大阪へ、鯛よし百番へ向かった。








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香川うどん旅202【ヤドン公園&渡邊邸他】

2025-01-15 | 建築巡り・街歩き【その他】

二日目の朝、ゲストハウス花鳥苑を後にし、1軒目のうどん屋、池上へ向かう。


昨日のおか泉の長蛇の列を目にして、長時間並ぶのだけは避けたいと早めに向かったが、開店40分以上前に一番乗りしてしまった。誰も並んでなくて拍子抜け。
30分前くらいになると、車が1台、2台と増えてきた。


そして開店。
池上は、移転前のお店に何度か通ったことのある好きなお店。
うどん界のレジェンド、るみおばあちゃんは、一昨年に亡くなられたそうで、
代わりに等身大の看板が立てられていた。


池上のもっちりと弾力のあるうどんが好き。
せっかくなので、大(二玉)を釜玉にして食べた。
よく考えたら、好きなお店で食べたら、もう何軒もはしごしなくてもいいんじゃないかと。
後、最後に山田家で食べれたらよいかな。


その後、娘が見つけてた「ヤドン公園」へ。
香川県が「うどん」と語呂が似てる「ヤドン」を推しポケモンとして、PRに活用してるそうで、マンホールやお土産物にも使われてるらしい。


ヤドン公園は、家族連れでにぎわっていた。
よく知らないけど、ヤドンかわいい。


公演の遊具のあちこちにヤドンがいてる。






ピカチュウのベンチもデザインかわいい。


自販機もヤドンとピカチュウ。





その後、見学予約していた渡邊邸へ向かう。
車窓から、ライオンの顔インパクトがすごい幼稚園発見。



そして三木町の渡邊邸へやってきた。
讃岐の豪農、揚家所有だった茶室10のうち5つが移築され、
お茶人であった現当主のご両親が様々に手を加えられ、茶室として使用していた建物。


当主さんに迎えて頂き、ご案内して頂いた。
家族4人で伺ったが、関心があるのは、私だけで・・
と話すと、当主さんも昔は、ご両親が熱心だった茶道には、ご興味がなく、
音楽に没頭されてたそうだが、次第にご両親の残されたこの建物たちを守り、活かそうという考えに行き着かれたのだそう。
そのうち子供たちも、関心を持つようになりますよ、
と言われたが、うちの場合はまずないな;


敷瓦が敷かれた玄関のたたき



丸炉の席。
丸い炉が切られている。


櫛窓の席。
半円の櫛型の窓があり、網代天井が美しい。


鯰魚庵、こちらは当家伝承の建物。
書院には、前当主で茶人だったご夫妻の写真が、火灯窓の両脇に飾られていた。


床框は、普段はカバーが付けられていて、
お茶時に外すと、高台寺蒔絵が施された美しい細工が現れる。
お客さまを喜ばせる仕掛けが随所に見られる。





欄間には、福を呼ぶ蝙蝠の透かし彫り。


障子、斜めに渡した竹が入っていたが、こちらは、障子が歪まないためのつっかえ棒的な役割のものだとか。


お庭へ。



紅葉の落ち葉が一面を埋め尽くしていた。
さぞ見事な紅葉だったのだろうなあ。


紅葉の頃も絶景だっただろうが、枯れ木や落ち葉も風情があって、茶室との相性もよいな。
外腰掛け。





お庭をぐるりと一周。


こちらは、狐月庵。
茶室前の織部のタイルが印象的。
手前の小さな黒味を帯びた石は那智黒石だそう。


タイルは移築時に、前当主のセンスで貼られたものだそうで、
タイルの間に飛び石をめり込ませてあるのも面白い。


何よりこのタイルの色合いが美しい。


一枚一枚、微妙に違うグラデーションの美しいタイル。
雨に濡れると更に輝きを増すという。


狐月庵の中も様々な木材が使用されている。





天井は屋久杉が貼られ、竿縁は、栗の木を手斧仕上げしたもの。





水屋も素敵だった。


鋳物の照明は、桐の文様をデザイン化したものだった。



床下収納の扉には、可愛い瓢箪のくり抜き。
(指を引っ掛けて開ける為のもの)


更に奥にあった茶室、白雲軒。
萩の茎を並べて網代に編んだ天井も圧巻。





無双窓。


かわいい梅の花文様の透かし彫り。




扉の瓢箪形のつまみ。
細かいところまでこだわりが見られる。






更にお手洗いには、床に本業タイルが貼られてた。


透かし彫りの入った建具や照明も美しいな。


このような照明の類は、前当主がひとつひとつ集められたものだそう。


茶室にふさわしい、それほど華美でない小ぶりの照明たち。















最後にお抹茶とお菓子を頂く。
個人の見学は、お抹茶、お菓子付きで1000円と気軽に見学することができ、
全国からお客さんが来られているそう。
当主さんは、建物は、使われる中で生かされると考えられ、
蔵では、バンド活動をされている当主さん自らライブ演奏を行われたり、
茶会などのイベントも不定期で行われている。
昨年に登録有形文化財に指定された建物を今後も維持し、守っていかれるとのことで、
このように建物が生かされ、活用されるのはすばらしいなと思った。


渡邊邸を見学させて頂いた後は、うどん本陣山田家へやってきた。


お昼はとっくに回ってたので、そろそろ空いてる頃かな?と思いきや、庭には順番待ちのお客さんがぞろぞろいてた。
しかし、意外に回転は速いようで、待つことに。




3、40分で順番が回ってきて、うどんにありつけた。
この日は2軒目で、最後にしようと思ってたので、ちょっと豪華な
天ぷらの盛り合わせといなり寿司のついた釜ぶっかけ定食にした。
最後にここのうどんが食べれてよかった。


帰るころには、庭にあふれていたお客さんもすっかりいなくなっていた。
登録有形文化財の本館。







本館の内部。

香川うどん旅、最終的に二日間で、うどん屋は、5軒巡って終了。
昔は二日で10軒巡っていたことを思うと、今回はやや少なかったが、
満足できたのでよしとしよう。







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香川うどん旅2025【こんぴらさんへお参り&ゲストハウス花鳥苑】

2025-01-14 | 建築巡り・街歩き【その他】
丸亀からこんぴらさんへお参り&腹ごなしに。
参道で、扉周りにレリーフが入ってるかわいらしい不動産屋さんを発見。


向かいには2階に細かな漆喰装飾のある洋服店。


更に3階にステンドグラスの入ったただならぬ雰囲気の洋館を見つけたが、、家族一緒だった為、よく観察できずに素通り。


屋台やお土産屋さんがひしめく参道は、とにかく人でごった返していて
やっと抜けたかと思うと、延々続く階段も人でいっぱい・・
さすがに、三が日を甘くみていたみたい。


相当上ったので、やっとゴールかと思いきや、旭社、まだ途中、、本宮はもっと先だった;
 

さらに本宮手前では交通規制?!が入っていて、しばし順番待ち。


ここに来るまでもずっとだったが、そこそこ急な石段をこの人ごみの中、上がっていくことに恐怖を感じる。
誰かひとりでも足を踏み外して上から落ちてきたら終わりだな~と。




御本宮の前がそれほどスペースなく、すぐ階段なので、
これは、押し合いへし合いになるとかなり危険。人数制限はごもっともだな。
無事お参りを果たす。


階段を785段も上がると、さすがに見晴らしも良い
さぬき富士がいい形。



犬を連れて上がってる人も多く、江戸時代に飼い主の代わりに代参する役割を果たす「こんぴら狗」という風習があったのだとか。
今でも犬を連れてお参りをすることもできるのだそう。
かわいい犬みくじもあった。


帰りの下りは、ますます転げ落ちそうで怖かった;


帰りに見つけた和繋ぎ文様のレリーフタイル。



車で来たので、駅舎まで走って見に行く。
JR琴平駅は1922年建築の三代目の駅舎。





こんぴらさんへお参りの後は、宿へ向かいつつ途中の三豊市の下高瀬簡易郵便局へ立ち寄る。
1935年に建てられた元呉服店の建物が郵便局になっていて、
今も現役で使われているという。
住宅街の中、ものすごいインパクトでそびえ立っていた。


レリーフ装飾もデコラティブで、呉服店時代の屋号が入っている。


お正月休み中なので、新年のあいさつ看板が出されてた。
扉や外壁、床のタイルもいいなあ。


もう一つ出入口。



床の無釉タイル。


壁面の一部に使われている型押しタイル。



南面


こちらにも出入口が設けられてた。
使用されてないようだけど。


そして、日本のウユニ塩湖、父母ヶ浜へも立ち寄る。
干潮時に潮だまりができて、そのリフレクションが美しいのだそう。
だが、この日は干潮ではなく、やや風も出ていたので
そこまでの絶景?は望めず。


波が立ってないと、鏡のようにリフレクションがきれいなのだそう。


宿に一旦チェックインした後、この日の夕食にやってきた骨付き鶏が食べれる観音寺の「味鶴」
ここで、骨付き鶏他、鶏三昧の夕食を。


この日、宿泊したのは、一棟貸しの「ゲストハウス花鳥苑」(写真は翌朝撮ったもの)
鳥取家の迎賓館として約100年前に建てられた建物。


現在、ホストさんが住まわれてる母家は更に古いのだとか。茅葺屋根がトタンで覆われてる。


1棟貸しの元迎賓館は、家族四人で使うには、もったいないくらいの広さ。
1階の8畳二間を使わせて頂き、一間はリビングとして、もう一間は、寝室として、家族四人分の布団を敷いてくださってた。
他にも、洋室や台所、2階にもお部屋があり、3家族くらいでも十分泊まれそう。





松竹梅の細工が施された書院欄間。






そして、最も素晴らしかったのは、浴室。
五右衛門風呂の浴槽に、モザイクタイル貼りの床、凝った天井の湯気抜きもあり、実際に入ることもができるのだ。
五右衛門風呂は、薪で焚くこともでき、薪で温めた湯は、体の芯まで暖かくなると聞いたので、是非ともやってみたかったのだが、、
家族全員がやらないと断言、それでも一人でやろうと思っていたのだが、
夕食から帰って来て、沸かすのに1時間かかると聞いて断念・・
結局給湯器のお湯で入った。


モザイクタイルにうっとり。


ヘキサゴンの無釉モザイクタイルが一面に、お花模様が可愛く、縁取りのラインや、入口の一段上がったところには、違うモザイクが敷き詰められていたりと華やか。





コーナーには、こんな小さなタイルの洗面台も。
実際に入るとなると、広すぎてちょっと寒かったが、現役のタイル貼り五右衛門風呂、堪能できた。


外へ回って、お風呂の焚き口。


畳敷きの脱衣所もとても素敵だった。


床の間風のしつらえには、こだわりの木材や雀の可愛い透かし彫りが入っていたり、、




浴室前の洗面シンクにもモザイクタイルが敷き詰められていた。


浴室床と同じヘキサゴンのタイルでワンポイントの模様が入る。



お手洗いの扉。


型板ガラスもきれい。



中庭から見えるアーチの窓のついた洋館は、


台所ともう一室応接間のような空間になっている。
内部は改装されてるようだが、窓枠や扉は大きく立派なまま。
もちろん全部屋使用可能。


台所と続きの洋室。
元々は、壁は全て漆喰だったそう。


擬宝珠のついた階段親柱。


今回は、1階しか使わなかったが、
翌朝、2階へも見学に。
階段途中の飾り棚。





2階には、広縁のコーナー部分がサンルームのように広くとられてて、朝日が差し込んでとてもいい空間だった。
半分戸袋が閉まってたので、開け放つと更に開放感あって良いだろうな。




2階にも8畳の二間続きの広間があった。




1階の和室と同じく、松竹梅の書院欄間の細工。


部屋との間の欄間の細工が、浮き彫りのような立体感のある彫り物で、
とても手が込んでいた。
少し新しく見えた欄間。こちらは、建物が建てられた次の代、昭和初期くらいに入れられたものとのこと。


これは、たわわに実る桃?!


こちらは、へちまやひょうたん、くるくるした蔓までリアルに彫られていた。


襖の引手は六角形。
中には草花が描かれている。



鶴。


もう一方の廊下には、カーテンを開くと、そこには手摺壁に様々な動植物の
透かし彫りがされていた。


ちょうちょに


カキツバタ、


ユリに


梅。



全て図案が違っているようで、楽しい。

2階の見学も終え、建物も十分満喫できた。
そろそろ二日目のうどん巡りに繰り出すことに。
現当主さんと、奥さんが見送りに出てきてくださり、
なかなか起きずに一人準備が滞ってた息子が出てくるまで立ち話。
宿にされるまでのいきさつなど、いろいろとお伺いすることができた。
最後に家族写真を撮ってもらって、宿を後にした。
つづく・・




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香川うどん旅2025【藝術喫茶清水温泉&猪熊弦一郎現代美術館他】

2025-01-11 | 建築巡り・街歩き【その他】
久々のうどん旅、一昨年は自転車(ロードバイク)で回り、昨年のお正月休みにも家族で決行しようとしてたが、震災が起こって延期にすることになり、
ようやく今年、家族で決行してきた。
過去のうどん旅はこちら→
過去のうどん旅では、1軒目のうどん屋のオープン時間に合わせて家を出発してた。
今回、そこまでの気合はなかったのだけど、早朝に出かけるとなると、
息子がちゃんと起きてくれるのか?起きてくれなくて、昼出発とかになると、
プランは全ておじゃんになってしまうリスクある為、深夜、まだ息子が起きてるうちに出発することにした。



1月3日とまだお正月の三が日なので、推しのうどん屋は、閉まっているところが多く、とりあえずは、年末年始のうどん店営業情報から朝6時からオープンしてる「セルフ釜揚げうどん岡じま」へやってきた。
店名にも釜揚げとついてるくらいなので、釜揚げうどんを注文。
娘は寝ぼけまなこで1軒目はパス。


そして、うどん屋2軒目へ行く前に、
こちら多度津の藝術喫茶清水温泉へ。
大正末期創業の元銭湯をリノベーションした喫茶店で、なんと朝7時からモーニング営業しているのだ。
こちら、以前、並びの合田邸を見学した時に、ちょうど改装中だったところを見せて頂いていたが、完成してから初の来店。




暖簾をくぐると、男湯、女湯の文字の書かれた入口があって、
真ん中は、モザイクタイル貼りに。



中へ入ると、男女の仕切りは取り払われていて、広々空間。
番台やロッカーなど、お風呂屋さん時代のものは、できる限り残されているようだ。





漢数字が力強いロッカーの前のこちらも飲食スペースに。


私たちは、奥の席へと案内された。
こちらは元、女湯の浴室。
タイルの壁面には、カラフルなアートが描かれている。



浴槽の中に、テーブルが設置されて、冷たくないよう敷物がちゃんと敷かれている。



テーブルのセンターにも本業タイルがはめられていた。


1軒目、うどんを食べた3人は、モーニングコーヒーor紅茶を。


娘は、この風呂桶セットを注文したいと言ってたので、
風呂桶モーニングを注文。
銭湯ならでは、風呂桶にモーニングセットが入ってる・・
パン2枚は多いだろう、後のうどん巡りに差し支えるだろう、
ということで、みんなで少しずつ手伝う。


銭湯時代のタイルの痕跡を探す。
浴槽のモザイクタイルはそのまま。


こちらは、浴室の入口扉下に貼られていたモザイクタイル。


床の一部に貼られてたタイル。



玉石タイルも。




こちらは女湯と男湯で石鹸を貸し借りする時に受け渡しに使う穴、だそう。
今の銭湯には絶対ないな。



番台。


お手洗いに置かれてたかわいい鏡。





家族がコーヒー飲んで休憩してる間に、せっかくなので、多度津の有名近代建築2軒だけでも見に行ってこよう、と、腹ごなしに走る。






いい具合に風化した赤かべ薬局の金属製看板


朝日に照らされ、神々しく輝く山本医院が現れた。
トナカイ?も健在。


美しいレリーフ装飾。


山本医院の向かいには、旧楽天堂医院。
とても装飾豊かな建物で、ちょうどお向かい同士でこのような建物が
残っているなんて、ほんとに奇跡のような地帯だな。





面格子とタイル


やわらかな濃淡が美しいタイル。


陶製モザイクのカバーは、照明だろうか?
明かりはどこから?!


総本山少林寺。
多度津は、少林寺拳法発祥の地らしい。
柱と柱の間をふと見ると


変形?玉石タイルが貼られてた。


金毘羅街道沿いには、重厚な町屋が並ぶ。
こちらは元酒屋さんのよう。
つし二階の外壁には七宝繋ぎのなまこ壁が見られた。


こちら、合田邸の洋館部分。
現在は不定期的に公開されているようだ。
以前の見学→


戻ってきて、うどん巡りを続行。
ここで、次に予定していた好みのうどん店、「なかむらうどん」が
同じ中村でお店が違っていたことが判明。
急遽、「海侍」へやってきた。
ここも初めて。開店前には、既にお客さんがが並んでいて、我々も列に加わる。



お店のイチオシとあった、鶏わさび漬けぶっかけを注文。
鶏のボリュームが思ったよりあって、家族に手伝ってもらう。


「海侍」の店内。


その後やって来た3店目は、「よしや」ここも初。
開店してすぐだというのに、そこそこの列ができていた。
宮武系だというので、ゲソ天も注文してみたが、
あのしなしなの衣のついた宮武や山内で食べれる期待していたゲソ天とはちょっと違った・・

この後、自分的には本命の、「おか泉」にはなんとか行っておきたいけど、
お腹がいっぱいなので、腹ごなしに時間をつぶさなければいけない。
この辺りでというと、
私は、まだ入ったことがなかった猪熊弦一郎美術館へ行ってみたかったが、
もちろん家族は誰も美術館なんて行きたくないし、町歩きもしたくない。
家族が満足する時間をつぶす場所を頭フル回転?で考え、
最近会社でゴルフを始めた息子用に、ゴルフの打ちっ放しはどうか?と
勧め、googlemapで丸亀近くのゴルフ練習場をピックアップ、家族3人はそっちへ行くことに。


猪熊弦一郎現代美術館で車から降ろしてもらう。
丸亀駅の駅前広場前に建つこちらの美術館は、丸亀市ゆかりの画家、猪熊弦一郎、本人寄贈による作品を約2万点所蔵、
1991年、先日亡くなられた谷口吉生設計により建築された建物。


コンクリート打ち放しの大きな開口部のある大胆なエントランスには、猪熊弦一郎制作の陶壁画や、巨大なオブジェが置かれている。




エントランスホールへ入ると、吹き抜けの空間は広々としていて、
天窓から明るい光が入り、とても開放的。


1階は受付とミュージアムショップ。
展示室は、この階段を上がって2階から。



広々として、シンプルな展示空間。


展示壁面上の間接照明からほどよくやわらかな明かりが降り注ぐ。



色や雰囲気が心地よく感じる抽象画たち









作品以外にも、猪熊弦一郎が作家生活の中で、出会って集めたものの展示も楽しかった。
そばに置いて愛でてきたというさまざまな味わいのある小物たち。





同じ2階のもう一つの展示室と3階では、企画展が開催中。
今回企画展はパスした。



階段で3階へ。
透明のガラスの階段壁がシンプルで美しい。



エレベーターホールへの渡り廊下。



2階には、展示室だけでなくミュージアムホールや美術図書室、ワークショップなどができる造形スタジオなどもある。









こちらは、美術図書室。
奥の壁面が造り付けの書棚に。



ガラスブロックの窓から外の光が取り込まれ、仕切りのないゆったりとした
大きなテーブルに籐椅子が並ぶ閲覧席。


テーブルライトのデザインもシンプルで素敵だった。


そして外へ出て、外階段から2階へ。
外階段もゆったり贅沢に取られていて、建物のみどころの一つとなってるようだ。
上に見える渡り廊下は、先ほど中から撮ったエレベーターホールへの通路。



階段通路もアートの展示場に。


3階から2階を見下ろす。


3階のカフェ前の広場。
猪熊弦一郎現代美術館を堪能。

谷口吉生設計の建物では、以前広島のごみ処理場の中工場を見学したこと思い出した。→
こちらもごみ処理施設なのに、美術館のようにシンプルで美しかった。


この後、家族から連絡がくるまで、丸亀の町を散策。
とりあえず駅の裏にある、こちらのモザイクタイル貼りの建物を確認に行く。
ちゃんと残っていてよかった。


見事なマーブルタイル貼りの柱。
ダイヤ型のフレーム内に、違ったモザイクタイルが貼られているのも良い。


こちらはダイヤ型の中にダイヤ型の無釉タイル。


軒を見上げると、こちらは茶色のマーブルタイルがびっしり。
タイルも皆健在でよかった。


更に商店街の方へ歩いていくと、旧重元果物店の重厚な黒漆喰と黒いモザイクタイルが2階部分に貼られた建物。
1階のりんごのシャッターもモザイクタイルのようで楽しい。


近寄ると、こんな感じでシャッター部分に穴が開いていて後ろから別の色が出ているという凝った造りになっている。


屋根の棟の瓦も迫力あるなあ。


ここの元喫茶店の足元のモザイクタイルも好き。


微妙なグラデーションの色合いの亀甲型のタイル。


この出入口もかわいい。


以前、じっくり防空壕まで見せて頂いた元農機具や鍛治など鉄を扱う商店、現在まちの駅、秋寅の館もさすがにお正月休み。

この辺りで家族から連絡があり、遊び終えたとのこと。
その後、合流して、いざ「おか泉」へ。
しかし・・店の前を通ったら、ロープまで張られ、尋常じゃない列ができていた。無念だがこれは無理だなとあきらめることに。
なぜ、2軒目、3軒目をやめてこちらに直接来なかったのか、悔やまれる。
お正月のうどん屋状況を甘くみていた。

この後は、まだそれほどお腹は空いてなかったので、夜の骨付き鶏に掛けることにし、こんぴらさん詣でに向かった。
つづく・・


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千葉の建築&タイル巡り【千葉大学&柴又・山本亭】

2025-01-08 | 建築巡り・街歩き【その他】


大屋旅館をチェックアウトした後は、千葉へ戻り、レンタサイクルを借りて
千葉大学亥鼻キャンパスへやって来た。
キャンパスには、いくつかの近代建築や現代建築が点在してる。
こちらは、1936年建築、旧医学部本館。




裾が絞まった形状の柱が4本並ぶ車寄せがかっこいい。



現在は、使用されていないようで、入口扉は、良い感じの風化具合。


車寄せの庇には、トップライトが設けられていて、


四角い形状のアールデコな照明も。





外壁は、型押しタイル貼り。


櫛目が縦横斜めに入る型押しタイルに、茶色い斑点のような模様が入ってる。


出入口上部には、こんなギザギザ加工されたタイル?が貼られてた。



裏口から



1927年に建築の旧精神科病棟。現在はサークル会館に。


入口にはクリンカータイルが敷かれたスロープがあり、お手洗いを借りようと入ったら、


元お手洗い?だったようなスペースに入り込む。
なんと、腰壁がタイル貼りに・・タイルに呼ばれたのだろうか?!


白い無地のタイルに、雷文のマジョリカタイル。
よく見る緑じゃなく、黒の雷文だった。


床は蜀江文の無釉タイル。



近代建築だけでなく、現代建築もあり、
庇が何重にも重なったこちらの建物は、2013年に建てられたゐのはな同窓会館。



ゐのはな記念講堂は、医学部創立85周年を記念して1963年に槇文彦設計により建築。


コンクリート打ち放しの外観にファサードはガラス貼り、台形の形がとても個性的で、内部を見てみたかった。


エントランス


銅板の屋根も見える。


前日に、日が暮れてから来た千葉市美術館へも再び。やはり閉まっていたが、、










その後は、東京へ戻ってきて、葛飾柴又へやって来た。
こちら山本亭は、大正末期から昭和初期に増改築されたカメラ部品製造会社、
山本栄之助氏の自邸だった建物。
入口には長屋門があり、外観もタイルが装飾的に使われていたり洋風の雰囲気だが、



内部もステンドグラスが入ってた。


床はモザイクタイル貼りに。
こんな和洋折衷のモダンな長屋門は、初めて見たかも。


建物は、近代和風建築の母屋に、


一部洋風建築も取り入れられている。


玄関ホールの照明。


庭園に面して、書院造のお部屋が六間並んでいる。


ガラス戸越しに見える庭園がすばらしいなあ。
庭園の見晴らしの為に、全面がガラス戸に、そしてガラス欄間が入れられている。




縁台へ出てお庭を眺める。


ちょうど夕日が沈む頃。
手前には池泉が、奥には築山、滝も設けられている書院庭園。
米国の日本の庭園専門誌の3位にランクインしたとか。
緑豊かで美しい。









孔雀模様だろうか、おしゃれな欄間も。






こちらで喫茶することもできるのだけど、
閉館近くだったので喫茶は終了してた;
この建物とこのロケーションでゆっくりお茶できるのはポイント高いなあ。


洋館の手間の玄関の間。


そして奥の洋風の応接室「凰の間」
ステンドグラスの欄間が和室との間を違和感なく繋いでた。


洋室手前の床は、菱型モチーフの寄木貼り。


ステンドグラスはシンプルなもので、白漆喰仕上げの天井、
石造りの暖炉に、アール・デコっぽい壁紙




照明は、竹のような模様が入った和の雰囲気のものだった。



それぞれに凝った書院欄間の彫刻や透かし彫り。












玄関入ってすぐ右手には、手洗いとお風呂も。


浴室の湯気抜きのある天井。
竹がきれいに組まれていた。


帰りに柴又帝釈天へ。





サルの浮彫りがとてもリアル。





公衆トイレの入口にふと目に入った陶板画。





参道を駅へ向かって歩く。
もうすでにお店は閉まっていたり、閉まりかけだったり。


丸い瓶がかわいいおせんべい屋さんで、瓶の中の手焼きのせんべいを購入。


名物草だんごも食べていこう。





これにて東京&千葉の二日間の旅が終了。
東京から千葉、思ってたよりも近くて楽しめた。


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