今陶芸で釉薬の塗り分けをしていて、型を彫らない場合、どうしたらきれいに塗り分けができるかを試行錯誤中。
スペインタイルでは鉛筆でラインを引くだけで釉薬がはみ出さないと聞いていたので
一度どんなものなのか?体験してみたく、先日スペインタイルの絵付け体験に行ってきた。
トライアルコースで、10cm四方のコースターをの絵付けをチョイス。
この中から好きなデザインのものを選んで、下絵を素焼きのタイルにカーボンで写しとる。
その後、濃いめのシャーペンで2度線をなぞって下絵が完成。
こんな細いシャーペンのラインだけではみ出さないのかなあ?
と半信半疑だったが、釉薬をスポイドで落としていくと、ちゃんとシャーペンのラインが
境界線の役割果たしてる・・
はみ出したところはシャーペンの先でカリカリとこすり取ると簡単にはがせる。
釉薬を入れ終わったところ。
やってみて普段、陶芸で扱ってる釉薬と素焼きのタイルの性質がやはり全然違うなあというのを実感。
スペインタイルの素焼きのベースは低い温度で焼成されたやわらかいもので、
そのベースに合った釉薬は普段使っている釉薬よりもさらさらしてる。
焼き上がりは一番最初の写真。
教室に飾られてあったスペインタイルを見せて頂いた。
今回私も試してみた鉛筆でラインを引いた後、スポイドで釉薬を流すクエルダセカ技法のタイル。
15世紀にイスラム諸国からスペインに伝わった伝統的な技法だという。
こちらはスペインの伝統的なマヨルカ(マジョリカ)タイル。
素焼きのタイルや陶器に白い釉薬を掛けた後、鮮やかな顔料で筆を用いて絵付けをしていく。
こんなに細かいクエルダセカ技法のもの、筆絵付けしたマヨルカタイルも。
こちらはクエンカタイルといって素地に凹凸をつけて釉が混じらないようにしたタイル。
こちらはクエルダセカタイルよりも古く13世紀頃からスペインで作られていたとか。
そしてこちらはスグラフィートタイル。
焼成前にタイルの素地と違った色の化粧土を塗り、乾いてから化粧土を削り、
模様を出し、その後焼成、さらに透明釉をかけて焼成して完成。
中世のイギリスで作られたタイル。
こういうタイル、見かけたことはあるけど、こんな風に造られていたとは。
これはクエルダセカだけれど、最高峰の細やかさ。
こんなに細かく塗り分けできるんだなあ。
スペインタイルの世界をいろいろと詳しく知ることができて楽しい体験だった。