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一路(上巻)*浅田次郎、読書

2021-10-17 18:54:04 | 本と雑誌

一路(上巻)、浅田次郎

中央公論社、1013年初版

浅田次郎さんは鉄道屋(ぽっぽや)しか記憶にないけど、ファンタジーを書くと味があるなーと感じていた。

もう一作、幕末の頃を題材にした「憑神」が印象的だった。

自分的には「ポッポや」よりも「憑神」のほうがすきだーーー。

あれは浅田次郎さんしか書けない世界だからだ。

ぽっぽやは、あんがいかける人には書けるファンタジー。

「一路」は浅田次郎さんの得意な時代背景の江戸時代末期、幕末と言っていいころを題材にしている。

時代に翻弄される主人公を、胸を張って時代を背負って生きていく、、、ていう感じかな。

ある種の時代が終わるのだけれども、時代の流れに乗らず、流れに逆らって胸を張って生きていく。

「憑神」では3つの神がかりがあったが、それぞれの主人公は3通りの破滅するのだが、不思議に残酷じゃなくすがすがしさが残る。

一路では旗本の家柄ではあるが、えらく小さな武家の参勤交代を題材に持ってきた。

時代は浅田次郎さんの常で江戸時代の末期、武家の習慣が崩れていって参勤交代にしても簡略化され、武士の存在が商人に比べて貧しく落ちぶれていく時だ。主人公は参勤交代の御供頭を命ぜられた。御供頭は参勤交代のすべてを采配する重要な仕事。遠い地からの参勤交代であれば1ヶ月も2ヶ月もかかる。宿場に泊り泊りいくが、宿場には本陣という参勤交代の大名が泊まる格式ある宿がある。しかし東海道にしても中山道にしても行きかう大名がいて交差することもある。どっちの大名が本陣に泊まるのか、どっちが脇本陣になるのか、大名の格式やもろもろのことをふまえて一瞬で決まる。くらいの高いほうが本陣に泊まるけど、この主人公の武家は小さな旗本ではあるが、家康公由来の槍を立てて並みいる大名たちを押しのけていった。その痛快さが「一路」の神髄でしょう。

戦国時代に参勤交代が始まったが、その戦国時代に家康公から家宝として賜った槍は、屋敷の蔵にしまわれて忘れ去られていたが、その槍を誇りに忘れ去られていた由緒ある参勤交代を復活させた、、、これが「一路」の粗筋です。

物語の味付けは他にもいろいろありますが、家康公由来の槍がいわば錦の御旗になったということです。

浅田次郎さんはつくづく幕末のどさくさが好きなんでしょうね。

でも坂本龍馬や官軍、明治維新などが出てこない直前の江戸社会なのが浅田次郎さんらしい。

長く続いた江戸文化が爛熟して腐っていく、、、時代が変わる直前の輝きです。

月間秘伝 OBが載っていた(畑を自作農して生きて、古武道を極めている)

https://blog.goo.ne.jp/photostudioon/e/a3cfc9cf9fbef78e1fbdf81d0150403a

黙示録3174 ウォルター・ミラー 核戦争後の人類の退化と発展と業

https://blog.goo.ne.jp/photostudioon/e/e8fc99baeee0d4ddfa8f041027ff0330

荒野へ ジョンクラカワー

https://blog.goo.ne.jp/photostudioon/e/1ed709cf66d01a55e5b187730e4058b0

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神々の嶺、夢枕獏 ヒマラヤ登山の黎明期の出来事を、史実をもとにフィクション

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氷点、三浦綾子著 北海道を舞台にした私小説

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ローカルバスの終点へ 宮脇俊三著 ローカルバスの100kmを越える旅です

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君たちはどう生きるか 吉野源三郎著、80年前に書かれた名著で、今でも十分に通用します

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紀の川、有吉佐和子 女3代にわたるお話、親子供は反発しあっても、思いが繋がっていく

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日の名残り カズオ・イシグロ  英国愛をユーモアで語る ブッカー賞受賞作!

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鉄道エッセイコレクション 読み鉄へのご招待

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イザベラバードの日本紀行㊤ 1880年代にイギリス人女流冒険家さんの1人旅 

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イザベラバードの日本紀行㊦ 1880年代に1人で北海道に渡る 

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イザベラバードの中国奥地紀行㊤ 1880年代、ちょうど日清戦争が終わった頃です

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イザベラバードの中国奥地紀行㊦

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イザベラバードの朝鮮紀行 日本、中国、ロシアに挟まれた朝鮮、今も昔も変わらない

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