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村上春樹 著 『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』

2013-04-22 | 本の紹介
村上春樹 著 『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』読了しました!

発売当日まで一切の情報が伏せられ、村上春樹の3年半ぶりの書き下ろし長編作というだけで発売前に重版がかかり、
午前0時に発売開始のカウントダウンイベントをする書店まであって深夜にメディアで報道されました。
4月12日に発売してからわずか1週間で100万部が発売!!(ミリオンセラー!)。

まず、題名が変わっていますよね。
長いし、この中に人名が入っているとはすぐには考えつきません。
そして表紙の絵は、20世紀アメリカ美術を代表する画家の一人モーリス・ルイス(Morris Louis)の
「Pillar of Fire」(火の柱?)という色彩豊かな作品が使われています。

内容は、これから読む方のためにあまり詳しく書きませんが・・・
一言でいうと静かな作品だと思います。
今、同じくベストセラーとなっている『海賊とよばれた男』とは正反対の感じです。
きっと、読む人が今、どんな状況下にあるかによって様々な読み方の出来る作品なのではないかと思います。
友人関係に悩んでいる方には寄り添う感じが持てるし、
過去に辛い体験をした方は共感するかもしれないし、
恋人との関係を改めて考えたり、自分の仕事というものの価値について考えたり、
幸せや生き方について考えたり・・・多様な読み方が出来そうです。

「記憶を隠すことはできても、歴史を変えることはできない」
私は、この言葉に叱咤激励されて前へ進んだ主人公の思いと彼の孤独が一番心に沁みました。

この小説の中で、重要な場面で印象的に繰り返し登場するクラシック音楽があります。
フランツ・リスト作曲、ラザール・ベルマン演奏の「巡礼の年」という曲です。
この曲が聞きたくなり動画サイトで聞いてみましたが、作品の感じにぴったりでした。
同じ思いの人が多いのか、アマゾンの「MP3アルバムのベストセラー」で1位を記録!
「itunes Classicアルバムチャート」では5位、
アルバム8曲目の「ノスタルジア」は「Classicソングチャート」で3位とヒット中だそうです。

そして、「巡礼の年」日本盤CDが5月15日に発売されることが急きょ決まったそうです。


これはアマゾンの「輸入盤のベストセラー」で1位!(予約しちゃいました・・・)
思わぬところで波及効果があるものですね。
フィンランドのヘルシンキへ行く人も増えるかしら?
彼の代表作『ノルウェイの森』ブームの時のように。

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2 コメント

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村上作品 (桜子)
2013-04-25 12:40:49
holyさん、「海賊~」に次いで、村上作品も読み終えられましたね。
この度は、出版界の不況とは無縁。2作品共あっという間に売り切れてしまいました。
ちょうどこの春NHKのラジオ番組で「英語で読む村上春樹」が始まりましたので、テキストを購入。「色彩~」は一昨日、ようやく入手しました。早く読んでしまうのが、惜しいような気がして英語のタイトルを「Colourless Tsukuru Tazaki and His Years of Pilgrimage」を眺めています。時には、非常に長くユニークなタイトルに興味が惹かれます。
「巡礼の年」のCDも予約されたのですね。you tube で聞いてみましたよ。前作「1Q84」ではヤナーチェクの曲。
今回も読者の期待感を高める工夫は、国内だけではとどまらないのではないでしょうか。(ミーハーな私です)

貧血、お薬で改善されたとのこと。あくまでもお薬ですね・・・。ご無理なさらないでくださいね。
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桜子さま (holy)
2013-04-26 01:00:10
ラジオ番組で「英語で読む村上春樹」というのがあるのですか?!
ちょっと気になります。
アメリカに住み翻訳家としても活躍中なので、ご自身で翻訳したのかしら?
村上春樹の作品は、文章は平易ですがその意味するところが難しいと言われています。

村上さんは音楽にも造詣が深く、『小澤征爾さんと、音楽について話をする』という著作もあります。

私の体調をご心配下さりありがとうございます。
そうなのです、根本原因が完治したわけではないので、薬が手放せませんので気を付けて暮らします。
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