カワセミ側溝から(旧続・中岳龍頭望)

好きな言葉は「のこのこ」。好きなラジオ中継「相撲」。ちょっと苦手「煮た南瓜」。影響受けやすいけど、すぐ忘れます。

独裁の三人

2018-08-19 | ドキュメンタリ

 ドキュメンタリーの映像の世紀で、独裁者の三人を観た。ムッソリーニ、ヒトラー、スターリンである。
 もともとヒトラーはムッソリーニをたいへんに崇拝していた。また彼は禿げ頭ながら凄まじいカリスマで、肉体を晒して強さを国民に見せ、多国語を駆使して見事な演説をした。いつも自信にあふれ、まわりの人間を従わせることが出来た。そうしてヒトラーのことを馬鹿にしていた。今でいうとまるでプーチンみたいだが、ロシアというのはそういう土壌があるのではないか。
 しかしながら次第にヒトラーは勢力を拡大し、ドイツは力を増していく。対比してムッソリーニのイタリアは窮地に陥り、ヒトラーの援助を仰ぐようになっていく。
 ドイツに手を焼いている英仏などの国は、ソ連とドイツを戦わせようと画策する。ヒトラーもソ連と不進攻の条約を結んでいたが、一方的に破棄し進攻してしまう。当初はドイツも優勢だったが、ロシアの大地の寒さになかなか上手くいかなくなっていく。また、ソ連は曲がりなりにも大国なのであった。
 三人の独裁者たちは、基本的に独裁体制に入ってから我儘になっていくのだが、その権力を掌握するまでに、多くの民衆から支持を受けていたことが改めて分かる。時代や国が必要としていた人物こそ、独裁者なのだ。
 いろいろと面白いエピソードが満載で、見どころが多かった。
 ムッソリーニにファンレターが20万通も来て、その中でも熱烈な文面の14歳の少女が、後にムッソリーニの愛人になったりする。
 ヒトラーは特にシェパードが好きで、見事な芸をするととても喜んだ。純血の種が優れているという喜びがあったのかもしれない。
 レーニンの後継者は、実際はトロツキーという国民的な英雄だったが、スターリンは権力を掌握して、トロツキーを国外追放した上で、暗殺させる。この時代には少なくとも450万が粛清される。その前に経済成長のための農民の犠牲が1500万人だったり、ウクライナ人は300万人も餓死する。共産主義は、戦争よりもたくさんの人を殺すのである。
 このようにはっきりとわかりやすい悪であっても、権力の前に人々は簡単に屈してきた。現代にも独裁的な国家は存在している。そうして苦しんでいる人もまだたくさんいることだろう。
 多くの国は民主的な手続きをするようになっているが、その為にやはり何も決められなくなっている。その閉塞感のために、強いリーダーシップを欲しているようにも感じられる。その状態はもはや平和ではないが、仕方のないことなのかもしれない。やっぱり政治は、AIにさせるべきなのかもしれない。
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