カワセミ側溝から

好きな言葉は「のこのこ」。好きなラジオ中継「相撲」。ちょっと苦手「煮た南瓜」。影響受けやすいけど、すぐ忘れます。

商売は売れてナンボでんな   海賊とよばれた男

2018-08-14 | 映画

海賊とよばれた男/山崎貴監督

 原作は百田尚樹のベストセラー小説。出光興産の創業者の伝記的な物語らしい。話題になったのはもちろん知っていたし、息子が小説を読んでいたようだ。僕は未読。
 時代がまだ石炭中心だった頃に、石油の将来性を見越して販売を手掛ける石油商店の奮闘記である。もちろん国内の別の販売業者や、戦争や、外国の巨大石油メジャーの妨害を受けながら、さまざまなギリギリ商法で乗り切っていくという話である。
 なるほど、観ながら感じたことは、確かに多少国粋主義的な雰囲気がある事かもしれない。こんなに凄い日本人がいて、苦しみながらも戦いに勝っていくという事と、悲恋の物語が絡んでいる。もっとも悲恋の方は、片側だけのような気もするが。
 正直にいうと、今一つ盛り上がらない感じもした。スゴイは凄いかもしれないが、なんとなくヤクザ的な決断の凄さであって、カタギっぽい努力にはあまり見えない。もちろんカタギにだって腕も努力も必要で、ヤクザだから出来るという問題では無い。そういうバランスがなんとなくわるい感じで、さらに奥さんに逃げられてしまう(ように見える)。それでも頑なに負けないように頑張って会社は相当デカくなっているが、もっとデカい石油メジャーが本気になって、どうしようもなくなって、ほとんど特攻隊になっていく。戦争で生き残った命は、このような使われ方でいいのだろうか?
 もっとももっと背景が細やかに描かれていたのかもしれない。映画の尺の問題もあるので説明は最小限という事か。英国の身勝手さにおいては、ある意味でかの国にも後ろめたさのようなものがあったのかもしれない。読み勝ったという事なら見事なことである。
 映画の本質とは違うことだが、実際の人物がどんな人だったかには諸説ある。しかしながら、日本人が頑張ったという話は、確かにいろんな人が頑張ったのではある。独裁者をたたえて神格化すると問題があるが、いろいろな偉人が居ていいと思う。そういう人の発掘であれば、もっと積極的に顕彰映画がつくられていいのかもしれない。
コメント
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