カワセミ側溝から

好きな言葉は「のこのこ」。好きなラジオ中継「相撲」。ちょっと苦手「煮た南瓜」。影響受けやすいけど、すぐ忘れます。

とにかくカッコいい北の男   コンフィデンシャル:共助

2024-07-25 | 映画

コンフィデンシャル:共助/キム・ソンフン監督

 北朝鮮の高官が政府を裏切り、南に亡命し北の最高技術で作られた偽札の合板を持ち出した。その裏切りの際に妻を殺され一時は仲間として北の政府から拷問を受けていた特殊部隊の男が、復讐と合板を取り返すために南の政府と協力して韓国内で活躍する、という話である。韓国の警察は国際協力の名目のもと、表面上は共同して捜査しているふりをするが、実際にはこの北の警察の男を監視し、妨害ばかりする。それでも能力が突出している男の行動を止めることができない。そこのあたりが物語の見どころになっていて、最悪で困難な状況にありながら、さらに強靭で狡猾な悪の権化のような亡命組織と対峙する展開を見せる。アクションや格闘シーンも迫力満点で、ハリウッドのそれより質が高いくらいである。
 僕は知らなかったのだが、主演の北の男は、大ヒットした韓国ドラマの「愛の不時着」の主人公であるらしい。アクションも素晴らしいが、なんともかっこいいのである。この人のための映画と言ってもよく、これだけのスター性のある人間なら、荒唐無稽でストイックでかっこつけのくせに鼻につかない男は、演じられないのではないか。一方の南の刑事は、さえない風貌の上に最初は臆病で失敗ばかりしていて、どうにもだらしないのだが、しかし立場を利用して北の男になんとなく協力するようになり、最後も大失敗ですべてを破綻させかねないミスを犯しながらも、友情を育んでいく。いわゆるバディ(相棒)刑事ものという側面がある。敵をしとめる時のミスには、僕は映画を観ながらかなり腹立たしい気分に襲われたものだが(だからバディものとしては、ちょっとどうかな、ということである)、結果的には最後を盛り上げるためなのだから、目をつぶらなければならないのだろう。
 一応の完結もので、確かにそれは成り立ってはいるが、続編もある。それは観ていないので何とも言えないのだが、この映画の伏線を回収するためのものではないのではないか。そうなのだが、物語としては他に膨らみようのあるエピソードがそれなりにある。大きなスジを支える事件は終わったとしても、それらのものはこの映画だけで終わってしまうには惜しい気分が残る。北の事情はわかり得ないのだが、これだけの能力のある男が南から去ってしまうのは惜しいのである。いや、だから続編は作られたと考えるべきで、観終わってからの余韻のようなものに襲われること必至である。荒唐無稽なアクション映画でありながら、このヒーローの活躍を終わらせてはならない気分になるのであろう。
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