カワセミ側溝から (旧続・中岳龍頭望)

好きな言葉は「のこのこ」。好きなラジオ中継「相撲」。ちょっと苦手「煮た南瓜」。影響受けやすいけど、すぐ忘れます。

イヌまで殺さなくていいじゃないか   リベリオン―反逆者―

2018-08-04 | 映画

リベリオン―反逆者―/カート・ウィマー監督

 SF近未来ディストピア設定作品。人間の感情を抑制する薬を飲むように強制されている独裁社会の中にあって、主人公はこの薬を飲まない反政府の人々を取り締まる立場の超人である。冷酷な取り締まりで、多くの人を不幸に陥れる象徴的な存在である。ところが誤って自分が飲む薬の容器を壊してしまい、飲まないまま任務にあたっていた。そのまま変わらずに冷酷に捜査にあたっているかに見えていたが、しかし徐々に感情を取り戻していき、自分が飲むべき薬を隠して飲まなくなっていくのだった。
 感情を持たないから反乱しないという発想だと思うが、例え薬を飲まないままでも、十分人々は反乱を起こしそうな情勢である。主人公は強すぎる訳だが、敵の放つ弾が当たらないのだから強いのも当たり前だ。そういう動きや能力を持っている前提なんだが、マトリックスみたいでカッコいい反面、ちょっとシラケる。個人が国家や軍隊より強いのならば、大衆も独裁者も無かろう。自分が君臨して平和な世の中を作ればいいのである。
 まあしかし、こういう雰囲気を楽しむ映画であるから、実はこれはこれでいい作品ともいえる。気楽というか、それなりに楽しめるのも確かだ。特に主人公のクリスチャン・ベールのキャラクターが、もともと禁欲的な雰囲気にあっているし、めちゃめちゃ強くてもクールなままでいいのである。たくさんの苦悩も抱えているはずだが、そういうことも語らずもなんとなく伝わってくる仕組みである。低予算というのも良く分かるが、それならこういうつくりをすればいいというようなお手本にもなっている。そういう背景もあってか、公開中は日本では、ほとんど話題になることも無くすぐに打ち切られたという話であるが、後にじわじわと人気が出た作品と聞いている。地味であっても良いものは良い。アクションは派手だから、本当に地味な作品ではないが、アジア的なストイックさを西洋風に翻訳すると、こんな感じになるという事が、なんとなくわかるのではなかろうか。
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