カワセミ側溝から(旧続・中岳龍頭望)

好きな言葉は「のこのこ」。好きなラジオ中継「相撲」。ちょっと苦手「煮た南瓜」。影響受けやすいけど、すぐ忘れます。

活字で無い村上ラジオ

2018-08-11 | 音楽

 村上ラジオを聞いた(8月5日)。初めて声を聴いて感激してしまったし、何よりその語り口と声、内容も素晴らしかった。構成もかなり考えられており、番組として凄いなと思った。こんなにラジオが楽しいというのも珍しい。もっともラジオなんてほとんど聞かないが。
 ラジオ特有の高揚感のある語り口がどうも苦手で(なんでラジオの人達って、ハイテンションの人が多いんでしょうね?)、聞いてて嫌になるのである。しかしながら村上さんの語りは、そこのあたりがちょうどいい感じだったかもしれない。喋りのプロじゃないだろうから、いわゆる上手い訳じゃないんだけど、聞きづらくない程度の高揚感は伝わる。内容も文学的でもあるし、オタクっぽくもある。
 声も意外だったけど、選曲も意外だった。いや、村上春樹のエッセイは読んでいるので、まったく彼の好みは知らない訳では無いんだけど、それにブライアン・ウィルソンのように贔屓の人もかかるんだけど、その選曲が意外なのだ。こんな曲たちは、ちょっと探しても見つかるものでは無い。おそらく影響力があるので再販になる可能性はあるが、今すぐ探しても簡単に手に入るものは少ない。今はどうだか知らないが、恐らく高騰もするだろう。まったく凄いものだ。
 聞いていて最初は気付かなかったけど、恐らくこの構成は通しで作られたものでは無いのではないだろう。テーマを決めて選曲をして、そうしてその曲の資料を再度検証したりして、ラフな原稿のようなものをつくって(というか箱書きでしょうね)、いくつか語ったものを録音して、そうして後でそれを順に曲とを交えて構成し直したのではないか。なんだかドラマチックに思えるのは、そのような組み立ての成果ではないか。
 最初はこの番組は続くものだと思い込んでいたが、とりあえず単発というか、様子を見ている感じだ。おそらく話題にはなっているだろうし、それなりにお金もかかっているのではないか。また番組は作られると信じたいが、課金システムとか会社の事情とかスポンサーのこととかで話し合いがなされているのではないだろうか。村上事務所との兼ね合いもあるだろうし。
 いろいろ言いながら、また新しいのを聞きたい。単純に純粋に聞きたい。音楽の趣味が同じとは言えないが、恐らく多くの人向けに万人向けに選曲がなされていたはずだ。実際の村上さんが好んで聞くようなものは、ちょっと秘密という感じもする。どうせわからんだろう、とも思っておられるのではないか。まあ、ちょっと考えられないくらい音楽には造詣が深い人みたいだし。日本に同じレベルで音楽を知っている人は、15人くらいは居るかもしれないが、それでは番組にはならない。
 この番組でかかった曲で、唯一僕がもっていたのはラモーンズのワンダフル・ワールド。実は諫早のFMのラジオに出演したことがあって、その時に三曲くらい好きな曲をかけてよいと言われた。その中の一曲として同じくラモーンズをかけてもらった。何を話したかとか他に何をかけてもらったのかはよく覚えてないんだけど、ラモーンズをかけたのは嬉しかったので覚えているのである。何と村上さんもこの曲を選んだなんて、単なる偶然でも嬉しいです。でも、棚を探してみたけど見つからなくて、またアマゾンでクリックしてしまった。整理整頓は大事ですね。
コメント
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