前を走る車がワーゲンでTSIと書いてある。後で調べたら、ターボチャージャーなんとかかんとかというエンジンのシステムの略文字であることが分かった。気になったのは、それなら仕方のないことだが、なんとなく速そうじゃないな、と感じたからかもしれない。
日本車の場合は、SとかRとかZのような文字がくっ付く場合がある。何の意味かは実はよく知らないが、なんとなく速そうな印象があったりする。おそらく日本人にとってそれらのアルファベットは、そういうクオリアがあるのだろう。ドイツ人にだってそういう感覚はあるんじゃないかと思ったのだ。
さらに思うのだが、確かにドイツ車というのは、このアルファベットの使い方が、なんとなくそっけない。ベンツのくせにCクラスとかLとかいうのがある。実際はどうだか知らないのだが、なんとなく程度が低そうな印象が無いか。これはドイツ合理主義の所為だという話であるが、そうなのか。ヨーロッパ車には数字(ナンバー)の場合もけっこうあるようだ。そっけないし覚えにくい。子供のころは911とか928とか言っていた気がするが、あれは昆虫採集のような物覚えの良い時期の為であるようにも思う。覚えている人はいるが、覚えにくい人もいるのではないか。
名前を付けると輸出をする際にその国での印象が良くないという事があるという。日本車が米国で販売されるときに違う名前になったりする。それはなんとなくめんどくさそうだが、別にかまわないような気もする。日本でも米国でもドイツなどは数字やアルファベットで通すのだ、というような頑固さがあるんだろうか。いや、これは頑固なのか。
記号や数字でも意味を知りたい。またその印象も知りたい。どうしてそのようなものに、感覚が伴うのだろうか。また、これには男女差もあるのではないか。
僕はブランド名がほとんど読めないが、そのようにローマ字読みなどで分からない文字を、そのまま日本で売っている感覚がよく分からない。ルビを振って欲しいな、と思うのだが、それじゃだめなのか。
まあ日本車だって「トヨータ」と言われたり「ハンダ」と言われたりしても、通じてはいる。日本人だってよその国ものをちゃんと発音できているかは怪しい。数字やアルファベットは、そういう意味では無難なものなのかもしれない。