カワセミ側溝から

好きな言葉は「のこのこ」。好きなラジオ中継「相撲」。ちょっと苦手「煮た南瓜」。影響受けやすいけど、すぐ忘れます。

古き良き愚かな若者たち   アニマル・ハウス

2016-09-02 | 映画

アニマル・ハウス/ジョン・ランディス監督

 米国の大学には学生に開放している建物があるらしい。単純に比較できないが、部活動など部室が集まった学生棟のようなものだろう。そこには派閥があって、優等生で学校側の保守的なグループと、落ちこぼれで反学校的なグループがある。主にこの落ちこぼれ集団が派手に暴れまわるさまを描いた作品。酒を飲んで暴れるくらいなら、まあ、普通だけれど、いろいろ壊したりいろんな女性を誘惑したり、ともかく派手にやるわけである。車社会だからあちこちぶつけたりして破壊の仕方も激しい訳だが、現代の日本社会だと飲酒運転に厳しくなっているので、とてもシャレでは作られない作品になっているのではなかろうか。いや、もう米国でもこのような作品は少ないとは思うが…(実際に古いし)。
 古い作品だからカルト的に愛されているという話なんだが、今見てみるとなんとなく地味で、可愛らしい印象さえ持つ。そういえば若いころにはグローイングアップ・シリーズなんかが人気があった。ちょっとHで羽目を外す青春群像なのだが、そういうものが求められた時代ということなんだろう。今だとちょっと子供っぽいというか、下品でやってられないというか、まあ、そんなところだろう。
 高校生の頃には多くの場合親の支配下にあるわけだが、大学生ともなると親元を離れて、さらに悪い先輩なんかがいて、ずいぶん開放的になる。そういう気分は分からないではないが、だからこのようなことに多かれ少なかれ普通の人々が巻き込まれたというのはあると思う。さすがに映画だから軌道の逸し方が派手で金がかかっているというのはあるが、日本の学生だって、多かれ少なかれこんな感じはあったのではなかろうか。学生街の大人社会は、時には眉を寄せながらも、おおむね寛容にこのような若気の至りを受け入れていたのではなかろうか。今でもそんな風潮はあるが、学生は比較的おとなしくなって(大人になって)文化的にこのような流行はすたれてしまったのだろう。今や悲しんでも仕方がない。残された映像でしのぶより無いのだろう。
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