「元の木阿弥」の由来は、戦国武将の影武者となった木阿弥という男が居て、一定期間影武者の身分のために豊かな暮らしができたものの、役を解かれた後に元の貧しい暮らしに戻ってしまったことによる。
木阿弥さんというのは盲目の僧だったとも言われ、僧の生活がどうなのかは知らないが、なんとなく可哀そうで、しかしそれでいてユーモラスな感じである。
しかしながら努力してなしたものが台無しになって、結局以前の状態に戻ってしまうようなことは、非常に悲しいわけで、木阿弥さんの悲しみに共通する無常感がある。思わずリンを鳴らしてしまいたくなるような悲しみは、やはり少しおかしみもあるようだ。