木の葉の子守歌(ララバイ・オブ・ザ・リーブス)
1932年、ジョー・ヤング作詞、アニーズ・ペトカー作曲
「南部の心地よい自然の中で、木の葉の子守歌を唄って、眠らせておくれ」と言うような歌詞。
懐かしい故郷に帰って、その自然の中で死を迎えたいものだとの思いが複線にある。
器楽演奏で聞く。
・エディ・ヒギンズ・カルテットによる「スモーク・ゲッツ・イン・ユア・アイズ(煙が目にしみる)」で。スコット・ハミルトンがテナー・サックス。
・ジェリー・マリガン・カルテットによる「オリジナル・ジェリー・マリガン・カルテット」で。チェット・ベイカーがトランペット。
・デューク・ジョーダン・トリオによる「ジェラシー」で。
【本の紹介】
小倉美恵子著/オオカミの護符/新潮文庫/H26.12.1
ここのところ、読書から遠ざかっていた。
コロナで、家での時間があり、モダン・ジャズをCDで聞いてばかりいたが、なんだかあきてきた。
関心の広がりが減速してきた。
それで、手にしたのが、小倉美恵子著の「オオカミの護符」。
本屋で、ページをペラペラめくると、御岳山や三峯神社のオオカミ信仰のことが書かれており、興味をもった。
著者は、川崎市宮前区にある実家の土蔵の扉に貼ってあった「オオカミの護符」への関心を端緒として、そのいわれ、バックグラウンドを調べ、記録に残していく。
多摩川流域での百姓の暮らし、その上流の御岳山とのつながり、そこに成り立つ暮らしぶり、いにしえからのアミニズム的信仰、これらが、取材され、記されている。
例えば、「講」の活動や儀式が具体的に語られる。おそらく、これらは、貴重な文化資料となるのでないだろうか。
多くの取材記録があり、とても興味深く読んだ。
また、一昔前のわれわれの暮らしぶりのことも思い出されて、懐かしかった。
私として、いささかもの足りないと感じたのは、オオカミが信仰の対象となった理由について、もう少し言及があってもいいのでないかということだ。
いまはなき日本狼の生態・習性、人間との関係、山の生態系の中での位置付け、森を守るということと、森から流れ出る川の下流域を守ると言う観点で、さらに述べられれば、「オオカミの護符」への理解がさらに深まるのでないかと思った。