いぶろぐ

3割打者の凡打率は7割。そんなブログ。

排水路の記憶

2018-06-28 12:00:00 | 超・いぶたろう日記
静岡で排水路に中学生が落っこちた事故のニュース。
頭を強打して亡くなったとのこと、たいへんお気の毒。

でも…僕も一歩間違ってたらこうなったかもしれないんだよなあ…と、思い出す20年前の夏。

大学時代、僕は100人規模のバンドサークルに所属していて、
1週間泊まり込みの合宿が年に2回あった。
越後湯沢のスタジオ付きホテルに1週間こもるのだ。
朝から晩まで、楽器をいじって、曲書いて、音出して、ふざけ合って、
合間にプールで泳いだりスキーしたり、最終日はライブと大宴会。
いま思うと本当に贅沢な時間だった。

ある年、僕はクルマでこの合宿に参加し、
何人かで連れ立って真夜中の河原に遊びに行ったことがあった。
街灯もほとんどない、山麓を走る川沿いの道路。
クルマを駐め、真っ暗な中を向こう見ずな僕は
一番乗りを果たそうと河原に向かって駆け下る。

その数秒後、ふと、足下の地面が消えた。
一緒に居た友人達によれば、僕は一瞬で姿を消したという。
果たして僕は幅2m・深さ1.5mほどの排水路に落っこちたのだった。
水はほとんど無く、下まで流されることはなかったが、コンクリートの段差に胸を強打し、
しばらく呼吸ができなくなった。これはひょっとしてマジで死ぬのかと思った。

ただ、幸いなことに落ちた場所がちょうど踊り場のようになっているところで、
しかも落ち方がとてもキレイだったらしく、まったくケガらしいケガもせずに済んだ。
しばらくすると呼吸も落ち着いた。
周りもビックリしていたが、割と平気そうな僕に呆れつつ、
あ〜怖かった〜なんて言いながら帰ったのだった。

翌朝、僕はどんなところに落ちたのか、明るい中で確認したくて再び現場に向かってみた。
ひと目見て、背筋が凍った。

まさに今回の中学生が落ちたのと同じような造り。
草むらに覆われた斜面が途中で消え、柵も何もなく、いきなり剥き出しのコンクリート。
よくこんなところに全速力で落ちて死ななかったなあ…という感じ。

見ると僕の駆け下りたルートはまた絶妙で、助かるとしたらここしかない!という場所に
まっすぐキレイに嵌まり込むように落っこちたのがわかった。
骨ひとつ折らずに生還した我が身の幸運に感謝せずにおれなかった。
考えられる限りの守護霊の皆さんに篤くお礼を申し上げた。

久々に思い出して、Googleでそれと思しき場所を検索してみる。
あまりくわしくは出なかったけど、たぶんここ。
あの時の恐怖が蘇る。

そんなわけで、今回の中学生が転落した原因はわからないけれど、
人ごととは思えないのだ。とにかくかわいそう。
僕のケースは軽率との誹りを免れ得ないけれども、ともかく運がよかった。
たぶん亡くなった彼との差はそこだけだ。
注意してても不注意でいても、生きるか死ぬか、運ひとつなんだろうか…とも思う。

その前もその後も色々と向こう見ずなマネをしてたっくさん怖い思いをしまして、
30歳過ぎたあたりからは安全第一です。
憎まれっ子、長生きするぞー。
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