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馬医者残日録

サラブレッド生産地の元大動物獣医師の日々

飛節での肢軸異常

2017-01-18 | 整形外科

飛節のOCDで手術に来た明け1歳馬。

立っている様子をみたら、右後肢が飛節で外反していた。

右後の蹄は内側ばかりが磨り減って内外不対称。

内が狭く、外が広い。

尾側から見ると、内側の蹄球が高くなった挙踵。

こうなると、慢性の跛行をしたり、蹄側裂につながったりする可能性もある。

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内側ばかりが磨り減らないようにはしてやった方が良い。

しかし、もう蹄の処置で矯正しようとするのは無理。

飛節での肢軸矯正手術はまだ間に合う。

脛骨の遠位成長板の内側を貫くようにスクリューを入れて、内側の成長を抑えてやるのだ。

すると、飛節での外反が矯正されるはず。

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ケンタッキーでは飛節での肢軸矯正がかなり行われている。

しかし、日本では「後は放っておいても治る」とか、「後は曲がっていても構わない」などと言われて放置される傾向にある。

昨年晩秋に飛節での肢軸異常の矯正にきた当歳馬は歩様がおかしかった。

よたよたしか歩こうとしなかった。

1ヶ月あまり経って、肢軸は矯正されてきており、歩様も良くなっている、とのこと。

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飛節のOCDで関節鏡手術した1歳馬は、距骨内側滑車の内側に軟骨が磨り減った部分があった。

外反しているので、本来当たらないところが当たってしまうのだ。

後肢の肢軸異常も放置しないで矯正することを考えた方が良い。

                                           ///////////////

今日は、1歳馬の飛節OCDの関節鏡手術。

やはり飛節で外反していて、蹄は内外不同蹄だった。

午後も1歳馬の飛節OCDの関節鏡手術。

そのあと、跛行する競走馬の診察。

そのあと、跛行する輓馬の診察。

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うっやられた もうだめだ

あ~きもちよかった

 



4 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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Unknown (piebald)
2017-01-18 20:54:11
私の母は、外反母趾です。変形した蹄の画像を見て、ふと連想しました。変形した足で歩き続けるのは、良いことじゃないですね。

オラ君は、hig先生の反応も楽しんでいるのかのようですね。雪の上でも寝転がれる強さは、うらやましいです。
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Unknown (はとぽっけ)
2017-01-18 21:15:48
 オラ君、絶妙なキャプションとすごい形相が可笑しくて可笑しくて、こちらももんどりうってしまいそうです。いいお顔もまた見れたらいいな。
 でも、このおんまさんの脚と蹄は負の連鎖で、おりこうさんではいられなくなりそうで、症状以上に深刻なのかも。競争のことですし命にも関わることにもなりかねないかと。どれくらいまでなら蹄のケアで、という判断基準のようなものはあるのでしょうか?若さ?重篤度?
 冬の食料を蓄えるリスとか越冬する昆虫などは、将来のことを考えていたり、危惧したり、妄想したりするのでしょうか?おんまさんはお気楽ではなさそうだけど、そういうことは考えてなさそう。
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>piebaldさん (hig)
2017-01-19 04:20:12
外反母趾も痛みがでなければ、ハイヒール用の足、ということで好いのかもしれませんが、痛くなったり機能障害が出てきますよね。

寒さ、冷たさの感じ方は人とはぜんぜん違うようですね。寒い中、冷たいのが気持ちよいみたいです。
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>はとぽっけさん (hig)
2017-01-19 04:23:23
夏か秋くらいまでなら蹄の処置で肢軸を矯正できるかも、と思います。後肢の場合です。

エサを貯えておく動物なども本能なんでしょうね。日本人もそういう性質をもっているのかな、と思います。
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