ことしはどういうわけか直腸膣瘻や第三度会陰裂傷が多い。
セリで売れ行きが好調だったので、以前なら処分されていた馬が、治して種付け、となっているのかもしれない。
第三度会陰裂傷の修復でも、直腸膣瘻の修復でも、この直腸壁と膣壁の切り分けがたいせつ。
そして直腸壁と膣壁を別々にしっかり閉じて、左右の壁を貼り合わせるのだ。
新鮮創を出して縫合しておけば癒合する、などというものではない。
腸管壁、膣壁という性質の異なる組織を、その性状にあった糸の運びでしっかり縫わないと癒合しない。
直腸から糞汁が漏れたら癒合しないし、直腸便のテンションに耐えられるように丈夫な膣壁を再建しないと傷が開いてしまう。
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直腸膣瘻での切り分けは、もっと複雑で難しい。
切り分けると、直腸壁と膣壁にそれぞれ穴が開いた状態になる。
(その途中にどうなるか、想像できるかい?)
切り分けさえ終われば、それぞれの穴をしっかり閉じれば良いわけだ。
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私は牛の第三度会陰裂傷を縫合したこともある。
若いときに2頭、往診して縫合した。
牛地帯の獣医さんに、牛の第三度会陰裂傷や直腸膣瘻はどうですか?
と何度か訊いたことがある。
「こうやって治します」としっかりした答えが返ってきたことはない。
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むかし、漁師がおそれた海坊主って、こんなヤツだったんだろうね。
繁殖までは1シーズンは休ませるのでしょか?
酪農家さんだって、治せるなら治して、飼養を続けて繁殖とか搾乳に従事(?)してほしいのではないでしょか?
みなさんどうしているのでしょ。
お魚をもらえると思っているのでしょか?久しく会ってない顔です。
まさに、「坊主」ですね。
PS,前記事の名無しの権兵衛は私でした。失礼しました。
黒毛和牛もホルスタインも、やはり膣が汚れるようでは受胎しづらいようです。あきらめていたり、手術してもうまくいかなかったりすることが多いようです。手術方法を普及させる必要があるかもしれません。
図と画像が酷似していてふむふむと思うも、外科治療となると実習も必要なのでしょね。
骨折のプレート固定のように、練習というか実習には直腸膣部位を用立てることで可能なのでしょか?治療も実習も術前術後の飼養管理もコツなようなものがありそうですがhig先生、獣医さん方って気持ち。
かつては治せなかったものを、勉強して、工夫して治せるようになり、それを教えるのですが、教わったほうはさしてその価値を理解しておらず、また駄目だった楽な手抜きの方法へ戻ろうとする者もいます;笑
手術前、手術後の絶食、下剤投与もきちんとしないと、結局また馬に可哀そうなことを繰り返すことになります。