
牛のプレート固定の研修指導にでかけて、
「開放骨折はどうですか?」と、何人かの牛の獣医さんに訊かれた。
人では、開放骨折をグレード分けする基準が用いられている。
Gustiloの分類。
骨の尖った先が皮膚を破っていたらType1.
骨が突き出していたらType2.
10cm以上の傷になっていたらType3.で、
皮膚で覆えそうなら3A.
覆えそうになかったら3B.
動脈の損傷があり、遠位部が血行を失っていたらType3C.
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折れた肢を振り回してしまう馬や牛の中手骨/中足骨骨折は、Type2.になっていることが多い。
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人の脚がこうなっていたらどうするんだ?
と考えると、馬や牛の肢もあきらめたものではないと思う。
とくに、牛は感染に強い。
骨癒合も早い。
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プレート固定の術創が化膿すると、スクリューがゆるむのと、骨癒合との競走になる。
術創が開いたりもしやすい。
が、プレートが外から見えるようになっても、骨癒合が進めばプレートやスクリューを抜けるようになるし、
プレートやスクリューを抜けば感染は抑え込めることが多い。
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もちろん、手術時には、傷をきれいに洗い、骨や術創もできるかぎりデブリドし、有効と思われる抗生物質投与を積極的に行う。
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骨の端が皮膚を破っていること、Type1.の開放骨折はサラブレッド子馬で何度かプレート固定の対象にしてきたし、
時間が早ければ、けっしてあきらめたものではない、と思っている。
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神戸へ帰って来た。
Fukuyama Masaharu 福山雅治 - 道標 (2008) live
誕生日おめでとう。
hig先生のお気持ちはわかるはずもないけれど、まだまだお元気でいて欲しいですね
牛は性格がおだやかで、皮膚が分厚いですが、耐えられないのでしょう。
キャストの中で皮膚が破れている、という経験からの質問でもあるのかもしれません。
ですので、プレート固定の対象になるかという観点からは、まず開放していない子牛の骨折を治せるようになりましょう、ということになります。しかし、皮膚に傷があったらプレート固定はできないか、というとそんなことはありません。
温かいはげましのことばありがとうございます。
さすが息子さんを立派に育てた方は ご自身を甘やかすこともしませんね。歯もですが手もその人の生き方が現れる部分と思います。
お誕生日、おめでとうございます。優しい時間を過ごされますように。
創外固定・・・私はキルシュナー鋼線によるピンキャストは創外固定とは呼べないと考えています。固定力があまりに乏しいですから。治ったとしてもほとんどキャストで治っているのであって、整復は不完全、固定力は弱い、早期の運動は無理、ということでAOの原則に反します。
解放骨折の場合ではないですが、スタイマンピン(特にフルピン)とレジンの組み合わせはかなり良さそうです。個人的な感想ですが、子牛の場合、固定力、早期の運動に適していると感じております。絶対的安定を求める関節内骨折はさすがに無理ですが長管骨はかなり良い印象があります。
そうです。ピンキャストをするなら、ネジが切られたそれなりの太さのピンを使うべきです。それでも感染でゆるんだり、固定力が不足しがちです。
管骨が、子牛の中手骨中足骨を指しているなら、それらはただのキャストで良好に治癒することがほとんどです。ピンキャストは多くの場合必要ないと思います。