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馬医者残日録

サラブレッド生産地の元大動物獣医師の日々

1ヶ月齢の橈骨螺旋骨折

2019-06-24 | 整形外科

午前中、1歳馬の飛節OCDの関節鏡手術。

つづいて、6歳競走馬のEE Epiglottic Entrapment 喉頭蓋捕捉の切開手術。

昼休みしていたら、子馬の頭骨骨折の連絡。

午後に予定していた関節鏡手術とDDSPの治療を延期してもらって、内固定手術することにした。

            ー

私は仰臥で手術するのを好む。

写真はどういうわけか回転できないのだが、折れた肢はホイストで吊っている。

体重を利用して整復しようとしているわけだ。

橈側手根伸筋の内側に沿って橈骨に至り、橈骨に大きな骨鉗子をかけた。

整復を試みるが、だめ。

螺旋骨折なのだが、長斜骨折のようでもある。

今日は、「へ」の字作戦はダメだった。

思いっきり引っ張っておいてもらって、大きな骨鉗子で挟むことでずれがなくなって、なんとかlag screw で仮止めできるようになった。

仮止めできたら一安心。

テンプレートでLCPの形状を決める。

が、私はだいたい橈骨をはじめ、いろいろな骨の形状を経験で知っている。

微調整は、実際にプレートを骨に当ててみるしかない。

LHS用のドリルガイドをハンドルにしてLCPを橈骨に押し当てておいて、push-pull device をねじ込んでLCPを橈骨へ押しつける。

まず骨折部近くに皮質骨screwを入れる。

近位側と遠位側へLHSを入れる。

骨折線にかかっている一つの孔はscrewを入れないことにした。

内側にはナローLCP11穴を当てた。

やれやれ、それでも手術は2時間ほどだった。

明日は東京へ講演に行かなければならない。

この骨折手術の最中に、2歳馬の疝痛の依頼が来ていた。

骨折手術が終わるのにあわせて連れてきてもらい、すぐ開腹手術になった。



2 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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Unknown (はとぽっけ)
2019-06-24 21:20:14
 子供のころ下処理したキジやニワトリを手でさばいたときのことを思いだしました。
 柔らかそうな大きな筋肉と、開いた中にいろいろ見えたからかもしれません。食べ物にたとえたわけではありません。
 2時間で終わっちゃうんですか?!それに応えて最速さくさくと治りますように
 今日もすでに地震あったから、大きいのはないかな。お気をつけて。おうちに帰るまでが講演旅行。
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>はとぽっけさん (hig)
2019-06-27 04:17:29
筋腹を分ける、という点で同じ経験ですね。

私は、橈骨ボッキリ骨折の内固定はこれで5頭目かな。治って競走馬になってもらいたいです。
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