血液検査では、血液の1滴をスライドグラスに塗り広げて、乾燥・固定・染色し、顕微鏡で観て、白血球を分類して百分比を出すことも行っている。
白血球数は、ほとんど自動でやってくれる血球計数装置で数えられているので、百分比と掛け算をするとどんな白血球が増えたり減ったりしているかわかる。
これは好中球。
ヒトやウマの末梢血の白血球の中ではふつう一番多い。
細菌などの外敵を貪食することなどで免疫の重要な部分をになっている。
しかし、対応しきれない炎症や感染が起こると末梢血中で減ってしまったりする。
ウシでは末梢血中で最も多い白血球。
今は細かく分類されていて、外敵との戦争とも言える免疫において情報伝達したり、抗体産生に関わっていることがわかっている。
外敵を貪食し、分解してその情報をリンパ球にわたす。(どうやって?;学生さん、勉強してね)
免疫の最初の情報戦を受け持つわけだ。
体の各組織の中ではマクロファージと呼ばれる。
馬の好酸球は大きなピンク色の顆粒を持ち、とてもハデ。(ホントは染めているだけで、赤い酸性色素に染まるので”好酸”)
(美しいと思うか、ケバいと思うかは好みだな;笑)
アレルギー疾患とか寄生虫疾患に関係している。
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うちの検査室では獣医師が顕微鏡をのぞいて白血球百分比を出している。
最近では白血球の分類までやってくれる血球計数装置があるが、やはり古典的な方法の方が精度は良い。
赤血球に寄生するピロプラズマを検査したり、
異常なリンパ球に気づいて白血病を疑ったりも、顕微鏡で観ているからできる。
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私は学生のとき内科学教室に居たため、さんざん血液塗沫標本を作ったので上手に塗沫標本を作れる。
恩師の一条先生は獣医血液学も専門にしておられ、イヌやネコのパルボウィルス感染症も研究しておられた。
それで、先輩の骨髄液の採取や、骨髄の塗沫標本のカウントも手伝った。
まれに末梢血中にも骨髄球が出てくるが、学生の頃の経験のおかげで骨髄球に驚かずに済んでいる。
白血球百分比を上手に数えるためには骨髄液の塗沫標本も見てみると、骨髄でできてくる白血球の成熟と分化が観察できるので役に立つ。
「あの頃」やったことの価値を思い、今になって感謝している。
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今日は、朝かなりの降雪。
湿った重い雪を除雪。
午前中、当歳馬の飛節OCDの関節鏡手術。
Tieback&cordectomyの再検査。
午後、鼻の粥腫の切開。
競走馬の腕節骨折の関節鏡手術と蟻洞の処置。
夕方、繁殖雌馬の食道梗塞。
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日が長くなるのが待ち遠しい・・・・ああ、でもまた忙しい春が来る・・・・暗くてもイイか;笑。
うちの大学は単核球苦手でしたね。
学生には真意が伝わらず塗沫みても?してました。
へたにフローサイトメトリーの機械を持っていたからかもしれません(笑)
外科の塗沫引きはスピード勝負ですからね。
機械立ちあげる隙も金もないですし当たりつけるだけなら自信ありますよ。
いつもカウントするのに追われますが、余裕があって、しげしげと油浸レンズで観察して、いろいろ考えた次第です。