夜、疝痛馬の診察。
てっきり結腸捻転だろうと思って覚悟していたが、来院したらなんとなく治まっていて、
血液検査所見も悪くなく、超音波検査でも直腸検査でも異常なく、しばらく様子を観てから帰っていた。
夜中に難産の依頼で起こされる。
「後肢も出てきちゃってる」とのこと。
枠場でやるか、全身麻酔して後肢吊り上げでやるか、あるいは・・・・と考えながら待った。
来てみたら、頭と両前肢だけでなく両後肢が陰部から出てしまっている。
これは帝王切開しないと出せません、と説明して手術を同意してもらう。
頭位(頭から出てくるお産)なのに、後肢も産道に入って来ている難産では、
引張れるだけ引張っておいて、子馬を胸で切胎し、下半身は後肢を引張って娩出させる。
しかし、こんなに後肢が出てきてしまっていては押し戻すことはできない。
帝王切開して子宮から胎仔を出すにも引っ張るところがないので、手術台の尾側を高くし、後肢を押してもらったが、押し戻すことはできなかった。
それで、子宮の中で飛節にチェーンをかけてホイストで引張って後肢を戻した。
それでも肢先が腹壁や子宮にひっかかるので、繋ぎにチェーンをかけかえて、子宮から両後肢を出した。
それをホイストで牽引して胎仔を子宮から出した。
あとは子宮切開の断端からの出血に注意しながら子宮切開創を2層縫合して閉じた。
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痛みで食欲が出ないのだろうと考えて、昼過ぎにフルニキシンメグルミンを注射した。
その後、夕方までに、積んであった切り草、乾草、青草を完食した。
どうやらフルニキシンが効いたようだ。
もう5月だから今年の種付けは厳しいだろうが、まだ若いので来年は受胎してくれると思う。
今年は残念だった。辛かったね。来年またがんばれ。
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リ-・チャイルドのジャック・リーチャー・シリーズの他の作品を読もうかとamazonのレヴューを見たら、
スティーヴン・ハンターの「極大射程」の評価の方がずっと高いので、読んでみることにした。
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極大射程〈上巻〉 (新潮文庫) |
スティーヴン ハンター | |
新潮社 |
ちょっとした理由があって、ライフルとはどういうものか興味もあった。
主人公ボブ・リー・スワガーは、やはり退役軍人。伝説のスナイパー。しかし、現在は世捨て人のような生活を送っている。
その主人公を殺人犯に落とし入れる巨大かつ巧妙な陰謀が企てられ、スワガーはどうみても勝ち目がなさそうな反撃に出る。
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映画化もされていて(「The shooter」)、英語でよければYou tubeで全編観れてしまう。
Shooter - Mark Wahlberg / Action [HD-1080p]
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愛犬を殺された主人公は、復讐することを決め、愛犬を埋めてやるために無謀な襲撃に赴く。
気持ちわかるな~
記事とは関係ないことですが、おんまさんが顔をくっつけてきて、じっとしているときって、負の感情のときだけでしょか?どうしたんだろう、と思うだけで精一杯で、撫でてあげることも、どうすることもできなかったことを思いだしています。
食べてくれてよかったですね。元気にな~れ。
ワンコ死んじゃうシーンは、だめだ、見れそうにもない。
辛くなると人に頼りますね。でも暴れているときは人のことなどおかまいなしです;笑
映画ではワンコは出てくるものの、殺されたり、ワンコの遺体を奪いにいくエピソードは割愛されていました。
まあその筋の人はどっからでも持ってこれるのでしょうが。
開腹したところからホイストで引っ張るわけですね。
よく裂けないものです。
パワープレイも技術のうちだと思うのですが、この辺もイメージで獣医師やっている人は拒絶反応するでしょうね。
そして牛でも絶望的に出せないでしょう。
帝王切開すらせず廃用にするかも知れません。
切胎するという選択も一般的ではないので、出てきそうになったらとにかく押し込んどけと指示してすっ飛んでいくわけです。。
ホイストは強引に使うのではなく、50kgの仔馬を持ち上げるのがたいへんだからです。無理したら子宮が裂けるでしょう。