2021年帝王切開は4頭。多い年ではなかったようだ。
静脈維持麻酔による難産整復は13頭。
さして多いようには感じない数字かもしれないが、ほとんどが3月4月に集中し、夜中の重労働だ。
時間もかかる。
ワンショット麻酔による難産は2頭。
合わせて15頭が全身麻酔しての難産介助ということになる。
立位・枠場保定での難産介助・失位整復が16頭。
枠場が使えるおかげで「出せる」ということはある。
しかし、難産介助の途中で輸送時間を挟むのは、母馬にとっても、子馬にとっても良いことではない。
運ばれてくるような難産は、子馬は死んでいるか、腕節や球節が伸びないのが多いが・・・・
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総計35頭が帝王切開・難産介助・失位整復の件数。
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私は獣医師になって38年。
馬の二次診療にたずさわって37年。
ひどい馬の難産をいちばん診てきたのだろう。
正解のない、とても難しい選択が必要な診療だと思う。
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きのう、日曜日は、前日に依頼された当歳馬の喉嚢真菌症。
2ヶ月前から頭をかしげ、左耳の位置が低かったらしい。
10日前にわずかに鼻出血した。
前日、大量に鼻出血し、喉嚢内視鏡検査をしたら大量の血餅と真菌病巣が左喉嚢にあった。
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来院して口粘膜を見たら貧血気味。
心拍66.
頭の傾きはわからないが、左耳が低い。動いてはいる。
右喉嚢から内視鏡検査したら、茎状舌骨の上側がやや太い。
左喉嚢は血餅がいっぱいで観察不十分だが、真菌病巣が内頚動脈部にあるのが確認できた。
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全身麻酔して、左の内頚動脈結紮とマイクロコイル栓塞術を行った。
この当歳馬、左耳の中が赤い粘液で汚れていた。
喉嚢(耳管憩室)から内耳、中耳を経て汚れがあふれてきたのだろうか?
喉嚢炎でも、側頭骨舌骨関節症でも、そんなことになった症例は診たことがないが・・・・
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血液検査、抗生剤治療、抗真菌剤治療、を提案しておいた。
重症だ。
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全国の天満宮で奉られている菅原道真公は、牛にも縁があったらしい。
蒔絵で牛車を引いているのは、黒毛和牛だよね。
肥育して食べたりはしなかったのだろうけど;笑
慎重率といいますか、牛医者に同じ処置やらせたら大変なことになりそうな気がします。
正解がないとなるとなおさら、かもです。
右憩室から診た理由はなにでしょうか。素人なものでして。
和牛は使役ですから。
牛左利きなら馬右利きみたいな。
右脳左脳、冷静と情熱のあいだ。
鉢巻かっこええなあ。
配合相手はどうしようと様々に考えてその日を待っているでしょうから、助けたいでしょね。
あら、牛の像には寛大ですね。
個性が際立っていて和牛ってかわいい。意外と賢いそうです。
耳を絞った馬の銅像みました。乗り手の合図に集中しているのだと思いました。
左右とも検査する必要があるので、左に病巣がありそうなら、汚れない可能性がある右から観る、ということです。
この牛の像も近年造られたものでしょうから、平安時代の牛の姿かどうかはわかりませんけどね。
たしかに、牛の像には違和感を持ちません。私は、馬の姿には自然と厳しくなっているんでしょうね。
ただ、この牛の像もよくできていると思います。牛の方が身近な動物になってしまっているのかもしれません。
牛独特といえば多胎なんでしょうけれども、エビとか馬で起きたらそくギブアップかも知れません。
これ戻してなんぼが牛医者かも。
対側診るのが必須ならなるほどですね。
感染まき散らすこと考えろという。
昔の牛のほうが賢そうかも。
肉追いかけてばかりでバカっぽくなってきているかも。
働かせる動物は、賢く育種されるかもしれませんね。