【果てしなく大きいということ】

2020年7月4日

【果てしなく大きいということ】

「無限は角のない正方形である」ということばが好きで、実にうまいことを言ったものだと思い出すたびに感心する。最初に何で読んだかは忘れたけれど「古代中国の諺より」と注釈が付いていた。

中国戦国時代の思想書『老子』第四十一章に次の一節がある。

大方無隅(たいほうすみなく)
大器晩成(たいきおそくなり)
大音希聲(たいおんこえまれに)
大象無形(たいしょうかたちなし)

最初の「大方無隅」が無限の定義に近くてここからとられた箴言かもしれない。

続く三句も素晴らしく、「大器晩成」は「あまりにおおきいうつわは、いつまでもできあがらない」、「大音希聲」は「あまりにおおきいおとは、おおきすぎておとがない」、「大象無形」は「あまりにおおきいかたちは、おおきすぎてかたちがない」となり、四句を対句として覚えておくと限りある人生の戒めとして役に立つだろう。

とくに「大器晩成」は、おくれてできあがるのではなく「いつまでもできあがらない」が本義であろうことに感心する。
(参考:一海知義『漢語の知識』)

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