◉お父さんの仕事

2018年7月8日
僕の寄り道――◉お父さんの仕事

四半世紀ぶりに「ネットワークからプッシュ配信される『匿名の群衆のつながり』である SNS サービス」をやめてみたら、朝起きて他人が書いた「言葉」を読みたいとき、まず配達された新聞を読むという習慣が戻ってきた。なるほど新聞とは面白いものだったのだなと改めて思う。

オウム真理教事件について報じる朝日の論調は予想通りだったので、買い物ついでにコンビニで産経新聞朝刊を買ってきたら、やはり産経らしいのも予想通り。どちらも描きたいベクトルで書いている。海外での日本の新聞信頼度は日経が一位で産経は四位、朝日は最下位だと書かれていて笑った。信頼度とは新聞の側ではなく読者個々に属人的な判断力としてあるもので、若き信者の人生を狂わせたのも他者への軽率な「信頼」だったはずだ。

産経新聞の4色刷りレジスター

新聞の紙面は広くてページ数が多くて、興味ある記事間の行きつ戻りつが迷路化するので、食卓にある黄色い蛍光マーカーで「ふむ」と思った要所をハイライトさせている。妻が笑うので
「何がおかしい、大事なポイントを親切に示してやってるんだからちゃんと読むように」
と言ったら
「新聞を読むのはお父さんの仕事」
だと笑顔で言う。面白いことを言うと感心した。

定位置に父親のいる家庭をほとんど知らずに育ったので意識したことがなかったけれど、確かに世間では朝の食卓で配膳を待ちながら、日の当たる縁側で足の爪を切りながら、あるいは個室トイレでしゃがみながら新聞を読むお父さんの姿がホームドラマのデフォルトになっていた。そうか、あれは「お父さんの仕事」だったのかと再認識した。仕事なのだからもうちょっと気を入れて読もう。(2018/07/07)

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