▼どてら・たんぜん・かいまき


小学生時代を過ごした東京都北区王子、夕飯に呼んでくれたり泊めてくれたりした同級生がおり、家族揃って気取らない親切な一家だった。夜はどてらを着て寝ろと言い、後ろ前に袖を通し掛け布団のようにして寝かされたと帰宅して言ったら「それは掻巻(かいまき)のことだよ」と母は懐かしそうに笑った。



2009年12月25日、駒込駅近くの生花店にて
左からカランコエ、オタフクナンテン、ヒヤシンス



「神田佐柄木町や雉子町のつづきに、堀丹後守という小さな大名の屋敷があって、その付近に風呂屋が多くできた…丹後守屋敷の前ということで、この風俗営業のことを略して、丹前とか丹前風呂とかよんだ…町奴たちがカネにあかした伊達姿をきそったが、その姿を丹前姿と…」司馬遼太郎『韃靼疾風録』より



2009年12月25日、静岡県清水から届いたシクラメン



丹前はどてらとも呼ばれる。どてらの語源は『物類称呼』によると「襦袢、北国及び東奥の所々にて、ててらといふ」とあるそうで、夜具に「ててら」を用意してくれた友だちの両親は東北出身だと聞いた気もする。物心つく前ほんの一時期両親と仙台で暮らしたが、掻巻もててらに似た東北地方の寝具である。

 
コメント ( 0 ) | Trackback ( )
« ▼老人と餅 ▼夢の重さ »
 
コメント
 
コメントはありません。
コメントを投稿する
ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません
 
名前
タイトル
URL
コメント
コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。