【モモゾノ】

【モモゾノ】
 
 

(『電脳六義園通信所』アーカイブに加筆訂正した 2005 年 9 月 18 日の日記再掲

9 月 18 日が母の 1 週間早い四十九日法要だったので 17 日に帰省した。

仲の良い魚屋一家と一緒に食事が出来ることになり「日記にあった『モモゾノ』にみんなで行ってみませんか」ということになった。

子どもがいないので、ファミリーレストランに子連れで出掛け、うるさい子どもたちに
「さあ、おまっちゃ何でも食べたいもんをたーんと食べなよ」
などと調子の良いことを言って、自分はビールをバカ飲みするオヤジを演ずるのが夢の一つだったので嬉しい。

6 人席がありそうなので 2 階に向かい、階段を上っりきったら、突如色の白い裸の少年がこちらを向いて立ち小便をしているのにギョッとして笑ってしまう。

写真上:大和屋前から見た清水駅前銀座商店街入口。1 日の通行人量が増えているという。
写真下:『モモゾノ』2 階のジュリアン坊や。本家ベルギーでは火伏せのお守り説も。
DATA:Panasonic LUMIX DMC-FX8 

飲食をするために入ってくる客の方を向いて、小便をする子どもの像が置かれているのが凄い。だが、小便小僧生誕の地ベルギー(ブリュッセル)に伝わる伝承を調べてみると、こういう小便小僧の飾り方というのは決して不潔でも無礼でもなくて妙に縁起が良くおめでたく感じられたりし、こういうのを見て大らかに笑えるのが健全な精神を持つ大人の証拠かもしれない。

現役時代の王選手は球場に向かう途中で霊柩車とすれ違うと
「やった!今日もまたホームランだ!」
と思ったといい、そういう負を正に転じる思考を持てたからこそ「世界の王」になれたのだろう。『モモゾノ』2 階への階段を上り小便小僧の放心放尿を見るたびに
「やった!今日も快食・快便・快勤・快眠だ!」
と思えることこそファミリーを重んじる清水っ子の心構えであり、そういう意味で『モモゾノ』の小便小僧は清水っ子の「心のおしぼり」である(ほんとか?)。

写真上:駅前名物ナスソバ、甘口である。おいしい。
写真下:こちらはエビソバ、サッパリ味である。酒呑みはこっちがおいしい。
Data:RICOH Caplio R1 

それにしても外から見た通りこの店は繁盛していて、店員もニコニコ愛想がいいし、客層も意外と若くて、キャッキャとあちこちのテーブルで歓声が上がり、何となく景気の悪い清水にしては景気がよいのが意外であり嬉しくて、複雑な心理で憂さを忘れる。

もともと中華料理から発展した店なのか中華メニューが多く、気になっていた『駅前名物ナスソバ』も中華料理だった。駅前の楽しみがまた一つ増えた。

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