電脳六義園通信所別室
僕の寄り道――電気山羊は電子の紙を食べるか
水平線が弧を描いて見えるのは、地球が丸いからではない
2014年9月23日(火)
水平線が弧を描いて見えるのは、地球が丸いからではない
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水平線が弧を描いて見えるのは地球が丸いからではない。単に脳が弧を描いているように見せているだけである。
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ということではないか、と気づいたのは高校写真部部活の時で、歪曲収差のない 21mm 広角レンズが写す画像の不思議さに首をかしげたのがきっかけだった。
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横に長い建物とか、鉄道の高架とかを正面に立って眺めるとき、そういう平行なものが、広角レンズで撮ったように平行に見えるか、あるいは魚眼レンズで撮ったように両端がすぼまって見えるか、そう聞くと人それぞれ答えが割れるのだ。
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原理的に平行なものが平行に見える、平行ではあるけれどの中心から遠ざかる両端はすぼまって見える、そのどちらも理屈では正しいのだ。魚眼レンズが映す像が歪んでいるのではなく、魚眼レンズも広角レンズも歪んだ人間の知覚にあわせて補正してあるのだ。
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理屈ではどちらも正しい二つの異なった見え方をする人がいる。地球が丸いので水平線は弧を描いて見えると言われるけれど、ちっとも弧を描いているように見えない人もいる、それは脳の仕業だからだということがうまく説明できない。
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高校の部活で後輩たちに、広角レンズと魚眼レンズが設計の仕方の違いで、同じ平行なものを撮っても、理論的にそれぞれ正しい、違う写り方をするのに似ている、と説明したのだけれどうまくいかなかった。そういう説明からでも詰められそうな将棋に思えるけれど手数(てかず)が多すぎる。
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そのことを久しぶりに思い出し、ネット検索したら、水平線の見え方について少ない手数でうまく説明している人★1がいて感心した。横に寝ころんで水平線を見る、水平線に直定規状のものをあてがってみる、というまっすぐな攻め手に唸った。
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★1 →地球岬
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