【『街道を(ちょっとだけ)ゆく』―柳宮通り編―】

【『街道を(ちょっとだけ)ゆく』―柳宮通り編―】

 

(『電脳六義園通信所』アーカイブに加筆訂正した 2004 年 9 月 28 日の日記再掲)

江尻宿『メガネの春田』の角を曲がって旧東海道に別れを告げ、巴川にかかる柳橋を風に吹かれてふらふらと渡る。

老舗割烹『玉川楼』と『巴川製紙』の間の道を進み、左手に『静鉄ストア』を見て浜田踏切を渡り、浜田小学校前を通り、清水次郎長の墓がある梅陰寺門前を通り、清水第三中学横を通り、不二見小学校横を通り、新緑町交差点から広大な日立空調システム脇を流れる大橋川にそって延びる道(かなり長い)は宮加三のT字路まで真っ直ぐ続く。この道を『柳宮通り』という。

確か浜田小学校近くに『柳宮通り』の道標があり、なんと読むのかと気になっていたが『りゅうぐうどおり』で良いのだろうか。いったいどの区間をそう呼ぶのかと『柳宮通り』で検索すると『清水次郎長通り商店街』のサイトがヒットし
「さて、梅蔭寺を観たら梅蔭寺前の柳宮通りを左、港橋方向へと戻ればラーメンの五郎八。もちろんラーメンがオススメ」
と書かれているので、梅陰寺のある南岡町辺りまで来ても『柳宮通り』というらしい。

もう一件、不動産情報がヒットし村松にある 122.97 平米の店舗兼用土地付き住宅が 1,933 万円で売りに出ており『柳宮通り』に面していると書かれているので村松まで来てもこの道は『柳宮通り』である。

 

新緑町交差点を過ぎると、広大な『日立空調システム』の敷地にそって流れる大橋川のほとりを道は並行して進み、ちょっと見には城下町のお堀端のようであり、桜と柳の街路樹が続く。

水は清い方がいい。赤い花が咲けば水面は血を流したように赤く染まり、白い鳥が降り立てば水面は清らかな純白の布を敷いて迎える。

清水は温暖なせいか、自然環境さえ健全であれば生き物は地中から湧いてくるように満ちあふれ、生きることの歓喜を歌い上げる生き物の大合唱となる。

夥しい数の鯉に混じって敏捷に群れ泳ぐ川魚がおり、身体をバネのようにして泳いで方向を変える動作を見ているとウグイ(ハヤ)ではないかと思うが、釣ってみないとわからない。鯉は釣るなと書いてあるがウグイは釣って良いのだろうか。

小魚がたくさんいるので、白鷺や鴨にとっても大橋川は絶好の生活の場になっているらしい。

ところでこの辺りも『柳宮通り』と呼ぶのかしらと宮加三の丁字路まで来たら川の中にカメが泳いでいた。助けても竜宮城まで乗れる大きさはないし、だいいちカメは助けを求めていないのである。

『柳宮通り』脇の川を泳ぐカメを見ながら考えた結論は、柳橋と宮加三をつなぐ道だから『柳宮通り』という安直なものだが、さて、違うだろうか。

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