電脳六義園通信所別室
僕の寄り道――電気山羊は電子の紙を食べるか
【曜変天目】
【曜変天目】
招待券をもらったので丸の内の明治生命館1階にある、静嘉堂(せいかどう)文庫美術館展示ギャラリーに「お雛さま―岩﨑小彌太邸へようこそ」という展示を見に行った。
小さなお雛さまのために用意された極小の小道具を見て妻は「わあ、かわいい!」と言う。一寸法師がお椀の舟に箸の櫂で京に上ったお話のように、小さいものに込められる愛は小さいがゆえにどこか切ない。
2023/03/19
DATA : PENTAX Optio RZ10 1 : 1 format
世界に三個現存するうちのひとつだという国宝「曜変天目」も小さく見えた。あらかじめ思い描いたものの現物が小さく見えることは人に特別な感情を呼び起こす。
ルーブル美術館でモナ・リザの現物を見たときも、幼少期を過ごした家から引っ越すときの空っぽになった部屋も、卒業式後に忘れ物を取りに行った小学校教室の机にも、小さく見えることによる悲しみがあった。人の背中が小さく見えるときもまた悲しく、去り行くものは大きくても小さい。
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