◉関東十八檀林

2018年8月31日
僕の寄り道――◉関東十八檀林

小石川の伝通院(でんづういん)は浄土宗関東十八檀林(だんりん)のひとつだという。正式名称は無量山傳通院寿経寺(むりょうざんでんづういんじゅきょうじ)といい、この寺も山岡鉄舟と大変縁が深い。

家康の生母於大の方(おだいのかた)の法名「傳通院殿」から院号を「傳通院」とした。京都伏見城から運ばれた遺骸は大塚の智香寺で火葬されたというけれど、各種縁起に御尊母傳通院殿御葬禮場の御遺跡、傳通院殿御荼毘地に建てられたとあるので、智香寺はあとからできたのだろう。どこだろうと地図を調べたらなんと四年間通った大学の敷地に隣接していた。知らなかった。

浄土宗僧侶を養成する檀林があった十八の寺を調べてみると、増上寺(東京都港区)、伝通院(東京都文京区)、霊巌寺(東京都江東区)、霊山寺(東京都墨田区)、幡随院(東京都小金井市)、蓮馨寺(埼玉県川越市)、勝願寺(埼玉県鴻巣市)、大善寺(東京都八王子市)、浄国寺(埼玉県さいたま市岩槻区)、光明寺(神奈川県鎌倉市)、弘経寺(茨城県結城市)、東漸寺(千葉県松戸市)、大巌寺(千葉県千葉市)、弘経寺(茨城県常総市)、大光院(群馬県太田市)、善導寺(群馬県館林市)、常福寺(茨城県那珂市)、大念寺(茨城県稲敷市)で十八になる。

この中で訪ねたことがあるのは芝増上寺と地元の小石川伝通院なのだけれど、もうひとつ鎌倉材木座の光明寺が懐かしい。この寺の裏手にかつて北区の施設があって区内の小学生は臨海学校で合宿し、わが学年は四年と五年の夏をそこで過ごした。

寺の脇の苔むした石塔を見ながら裏山に上ると古びた木造施設があり、かつて刀工がここで刀を打ち、刃傷沙汰もあったので天井に血の跡があるなどと教師に脅かされた。

たしかにいわく因縁がありそうな場所ではあったが、『光明寺裏遺跡 鎌倉市材木座所在北区立鎌倉学園用地内の中世遺跡発掘調査報告書』(1980)を北区教育委員会が出しているので、教師の怪しい話も半分くらい本当だったのかもしれない。

檀 林 で 怪 談 を 聴 く 夏 休 み

(2018/08/31)


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