電脳六義園通信所別室
僕の寄り道――電気山羊は電子の紙を食べるか
【ノード】
2020年1月30日
【ノード】
時事ニュースを見ていたら観光バスが映り、車体に大書された文字を見て
「TOTO はバスもやってるの?」
と妻が聞く。
「これは ToTo って書いてあるから東都、TOTO の方は東陶」
と笑いながら説明しつつ、トートーで同義反復のトートロジーを思い出した。トートロジーのロジーは接尾辞 logy だとすぐにわかるけれど、トートの方はなんだろうと辞書を引くと tautology と書いて tauto はギリシャ語で「同じ」を意味するのだという。トートバッグのトートは tauto じゃないだろうと思ったらやはり tote でその語源的由来はわからない。
辞書に糸を垂れての語源釣りは楽しい。受験勉強で英単語をせっせと記憶に詰め込みながら、ひとつの単語はいくつかの意味をつなぎ合わせ、ノード(node)によってできているのだと仕組みを理解し、のちにパソコンを使うようになったら、そもそも記憶の仕組み自体が意味と意味、点と点をつなぐ配線、すなわちノードなのだなと思う。そして日本語の哲学書を読んでも読んでも内面化しにくいのは漢字化された術語が難解かつ曖昧で、明確な点となってノード化されにくいのだと思う。実在とか本質とか実体とかより、和訳せず existence とか essence とか substance とかのままの方がわかりやすく、ちゃんと論脈がノードのまま繋がれて記憶におさまる。
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