◉沖と冲

2019年2月9日(土)
◉沖と冲

「恥ずかしながら初めて見た時は若冲をじゃくちゅうって読めなかった」
と正直に言ったら
「わたしはじゃくちゅうと耳から覚えたから読めた」
と妻が答え
「さんずいの字のほうでしょう」
と言う。相打ちである。冲は沖の簡体字であり、沖には衝突したり相殺するという意味もある。

若冲の描いた軍鶏はたいへん立派だが、喧嘩鶏として強いだろうか、よく敵を蹴るだろうかという話になった。私は蹴らないだろうと云い、友人はよく蹴るだろうと云った。私も友人も闘鶏を見た経験がなかったので、お互に根拠があって云ったわけではない。その論争は水かけ論になった。(井伏鱒二『軍鶏』)

(2019/02/09)

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