電脳六義園通信所別室
僕の寄り道――電気山羊は電子の紙を食べるか
【達筆な便り】
2020年9月24日
【達筆な便り】
サービス付き高齢者住宅で暮らす妻の友人女性から、
「コロの十万がなくならないうちに早く一杯やろう」
と定期的に手紙が届く。コロは新型コロナウイルスのことで、犬のように呼び捨てるのが面白い。老いたとはいえ、ぞんざいな言葉遣いにまだ勢いがある。
ご老人から手紙をもらうと読みにくさの程度で老化の進み具合がわかるが、その人は若い頃からミミズがのたくったような字を書いていた。達筆という言葉にはふたつの意味があり、ひとつは文字自体や文章が上手なこと、ふたつめは筆跡に勢いがあることで、ミミズののたくりかたが激しいことも達筆という。暴れるような筆勢だ。おもて書きを見て、配達員さんがよく解読して配達したと思う。悪い意味で達筆なうちは達者な人なのだ。ほんとうに衰えた人の文字は消え入るように儚げになる。
やさしいのに力強い見事な字を書くご老人もたまにおられる。感心しながら読めないこともあり、
「大学出のくせに自分の名前の草書体も読めないのか」
とご老人に叱られないよう「草書体 雅」「草書体 彦」で画像検索するとたくさんのお手本が出てきて、昔の人の達筆さに驚く。自分の姓名くらい草書体で書けるよう練習しようと思った。
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