電脳六義園通信所別室
僕の寄り道――電気山羊は電子の紙を食べるか
【文字と意味の風景】
【文字と意味の風景】
子どもの頃遊んだ昭和の時代の路地裏には袋小路が多く、
「とほりぬけられません」
などと書かれた貼り紙をよく見かけた。
「とほりぬけられません」と書いておかないと通り抜けられると思って迷い込む人が気の毒だから、という親切心もあったのだろう。だが入ってみたら実は通り抜けられる小路もあって、それはたいがい家と家の間にできた私道であり、近所の人たちが秘密の近道にしているのだった。近所の住人が近道する分にはよいけれど見知らぬ余所者の抜け道にはされたくない、という思いもあったのだろう。
千代田区神田淡路町
DATA:RICOH Caplio GX
久しぶりに
「この先、通り抜けできません」
と書かれた貼り紙を見つけ、その路地をのぞいたら、確かに通り抜けられそうに思って迷い込む人が多そうに見えた。
通り抜けられそうな気がする小路
DATA:RICOH Caplio GX
本当に通り抜けられないのだろうか、近所の住民だけが知っている秘密の抜け道になっているんじゃなかろうかと興味がある。だが、「この先、通り抜けできません」と書いてあるのに用もなく入り込んでいたら不審者であることを宣言しているようなものなので気が引け、貼り紙はそういう者の浸入を拒む抑止にもなっているのかもしれない。
通り抜けられないという路地の奥に連絡所と書かれた看板が立っているので調べてみたら現役区議会議員の自宅兼事務所だった。
( 2009 年 3 月に閉鎖した電脳六義園通信所 2007 年 8 月 1 日、15 年前の日記に加筆のうえ再掲載。)
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