◉銘々の歴史

2018年8月18日
僕の寄り道――◉銘々の歴史

茣蓙(ござ)の下に藁(わら)を詰めて厚みをつけたものを、銘々一枚(=しとね)だけではなく、部屋全体隙間なく敷き詰めることができるようになって、ようやく貧しい日本に座敷というものが誕生する。

そういう大きな座敷で大勢が食事ができるようになったとき、沢山の料理が並んだ大きな御膳を大勢で持ち上げて運んでくるわけにいかないので、一人にひとつずつの御膳を運んでくるようにしたのが銘々膳になる。家庭には箱膳があった。

そのちいさな膳をさらにちいさく凝縮したものが銘々に配られる幕の内弁当である、と言ってみると、むかし汽車旅で膝の上に広げた素朴な駅弁が無性に食べたくなる。

箱 庭 の 空 を 旅 ゆ く 秋 茜

(2018/08/19)


コメント ( 0 ) | Trackback ( )
« ◉パティ ◉思い出の夏 »
 
コメント
 
コメントはありません。
コメントを投稿する
ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません
 
名前
タイトル
URL
コメント
コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。