COLKIDが日々の出来事を気軽に書き込む小さな日記です。
COLKID プチ日記
主題歌
Z9 + NIKKOR Z 50mm f/1.2 S
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YoutubeをBGM的に使うことがある。
先日ハンナ・バーベラ・プロのアニメーションの主題歌(日本版)を集めたものが、たまたまお勧めに表示された。
懐かしいので、それを流しながら作業することにした。
ほとんどの歌が、まったく忘れていたにも関わらず、流れるや否や記憶がよみがえり、普通に歌えるのだから凄いものである。
僕が子供の頃に、夕刻になるとテレビで放映されていた米国製の短編アニメーション群である。
恐らく同世代の人たちの多くは、これを見て育ったはずである。
内容はそれほど高尚なものではなく、単に絵の動きを見て楽しむ、いわゆる「テレビまんが」であった。
本来はもっと低年齢の子供を対象にした作品だと思うのだが、それでも多くの小学生が、テレビをつけて何も考えずにボーッと見ていた(笑)
その中に「シンドバッドの冒険」というまんががあった。
「冒険シンドバッド」とか「少年シンドバッド」とか、放映のたびに題名が変わったようだ。
船乗りの少年が主人公で、マジックベルトというベルトをギュッと強く締めると、上半身が筋骨隆々にになり、パワーアップして悪漢を倒す・・という他愛の無いストーリーであった。
独創的なものも多い同社のアニメーションの中では、それほど個性の強い作品ではなかったように思う。
その主題歌であるが、2種類あった。
ひとつはグループサウンズっぽいもので、もうひとつは子供の合唱団が歌うものだ。
そのYoutubeの動画は凝っていて、その両方が入っていた。
当時は少年少女合唱団の歌う方は、子供っぽくて嫌いであった。
どうせ子供向けの作品だから・・と、馬鹿にされているような気がしたのだ。
大体子供というものは、子供っぽいものは好まないものだ。
まあ自分が子供だからこそ、そう感じるわけだが・・・(笑)
当時から気になっていたのだが、この二つの主題歌は、まったく雰囲気の違うものでありながら、歌詞はほぼ同じであった。
どちらが先に作られたのかは分からないが、基本的に同じ歌詞をベースに、一部削除あるいは追加して、全然違う曲をつけたのは明らかであった。
子供ながらに、どうしてひとつの歌詞に2種類のメロディがあるんだろう・・という疑問を感じていた。
しかしそう思いながら、50年からの年月が過ぎてしまった(笑)
たまたまYoutubeで流れて、当時感じていた疑問が復活した。
半世紀ぶりに謎が解けないかと思い、ネット上にその情報が無いか調べてみた。
結論から先に書くと、やはり曲が2種類になった理由は判明しなかった。
しかしWikiを見ると、結構大物のスタッフが曲作りに関わっていることが分かった。
歌詞を作ったのは司会者の前田武彦(マエタケ)氏らしい。
当時アニメ作品の主題歌の作詞をいくつか手掛けていたのだという。
作曲はクレイジーキャッツの曲の多くを作った萩原哲晶氏。
この二人のコンビは「エイトマン」の主題歌も作っている。
そうそうたるメンバーである。
驚いたのはグループサウンズ版の演奏者の表記で、「フォアジェッツ(安岡力也)」となっている。
ホタテマンの安岡力也氏である。
フォアジェッツとは何ぞや・・と思ったのだが、どうも実態の分からない謎のグループらしい。
グループ名を正式に書けない時に、この名称を使っていたのではないか・・という記述も見つけた。
安岡力也氏はシャープホークスに属しており、この演奏も実際には同グループのものだろうという。
その辺りの詳しい経緯が書かれたものはみつからない。
所詮子供のテレビまんがの主題歌である。
アルバイトでちょっと演奏してよ・・という程度のことだったのかもしれない。
将来アニメーションが日本を代表する文化になる・・などとは思いもよらず、歴史を正確に残そうという気持ちもなかったのだろう。
前田武彦氏の書いた歌詞に、2種類の曲をつけたことになる。
しかも極端に雰囲気を変えた曲に仕上がっている。
一方は流行を取り入れていて、もう一方は子供向けに徹しているのを見ると、局側の作品への考え方自体に変化があったようにも見える。
担当者の方針、スポンサーの意向、視聴者の反応への対応、時代の流行の変化・・など、いろいろな理由が考えられる。
しかし実際にどのような事情があったのかは分からない。
何しろ1960年代の話であり、直接関わった人たちの多くはすでにこの世にいない。
ネットには情報が溢れているが、書き込んでいるのはある年代までの人たちなので、それ以前の事は意外に分からないことも多いのだ。
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