空気の流れ


Z7 + NIKKOR Z 35mm f/1.8 S

大きな画像

中国のレストランで発生した新型コロナウイルスの飛沫感染のメカニズムをテレビで特集していた。
エアコンの風の動きを原因とする感染拡大であり、以前より調査結果が話題になっていた。
地下にあるレストランで食事をしていたお客のうち、3つのテーブルで感染が発生した。

中央のテーブルに武漢から来た感染者がいて、その感染者の口から発せられた飛沫がエアコンの風に乗って移動し、同じテーブルと左右に隣接するテーブルに数人の感染者が出た。
調査の結果、壁際に設置されたエアコンから出た風が、反対側の壁に当たり戻ってくるという空気の流れができており、感染者の両側のテーブルにウイルスが運ばれたことが分かった。
場所は地下にあり、外部への換気がなされておらず、同じ空気が循環していたという。

3つのテーブルはレストラン内の端の方にあり、それ以外にも室内には多くのテーブルがあった。
しかし他の数十人の客や店員に感染者は出なかった。
同じ給仕が歩き回っていたが、他のテーブルには感染は広がらず、したがって感染は接触によるものではなく、エアコンの発する風によるものと断定された。

以前このニュースをテレビで見たときは、この話題のすぐ後に、満員電車の中での空気の動きを特集していた。
電車の窓を開けないと空気が動いてくれず滞留するので危険だという。
窓を開ければ車内の空気が一気に流れていく。

しかしこの二つの話題は何だか矛盾しているようにも思えた。
空気が動いたから感染が広まったのに、一方では空気が動かないから危険であるという。
汚染された飛沫が風に乗って動くわけだが、窓を開けていれば外に出て行ってくれるというのだが、そもそも出て行くときに顔のそばをかすめていくのではないか。

電車に乗っていると、窓が開けられている場合が多く、風が通り抜けていくのを感じる。
しかし風上の人の発したウイルスが運ばれてくる可能性もある。
数メートル離れたところでゴホゴホ咳をする人がいて、そちらから風が流れてきて自分の顔に当たっていれば、そりゃあ心配にもなるだろう。
また車両の後端などにいる場合、そこの窓だけ開かない場合もあり、出られなくなった空気がグルグルと渦を巻いているのではないかと気になることもある。

まあ物理現象であるし、その場所の環境によってパターンは無限大にあるので、完璧を目指すことは不可能である。
多少はウイルスが身体にくっつくかもしれないが、口などから入らなければ即感染するという訳でもない。
なるべく盛大に換気して、ウイルスを含んだ空気が少しでも早く外部に出て行ってくれることを願うしかないのであろう。
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )