日本製


D810 + SIGMA 35mm F1.4 DG HSM

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ご存知の通り、僕はいろいろな趣味に手を出している。
それぞれの分野で、海外製、日本製など、多くの製品を購入してきた。
だが日本人の作った製品には、常に共通したイメージがあるのを感じる。

それは・・・

・品質、性能ともに高く、作りが精密である
・微妙にデザインが悪い
・本質的なオリジナリティがない

といったところだ。
多くの人が同じ事を感じているだろう。

たとえば時計の分野でのS社。
車の分野でのT社。
靴の分野でのR社。
これらのメーカーの製品は、まさに日本的な特徴を備えている。

カメラの分野では、ほとんど日本勢が独占しているので、それほど感じない。
海外製に対抗するものがあまりないのだ。
もし外国製の製品にもいろいろ選択肢があれば、相対的に日本のメーカーの無個性さが目立つことになるであろう。

これだけイメージが共通しているということは、やはりこれが日本人ならではの個性なのだろう。
言うなれば「個性が無い」のが個性である。
逆に外国人から見れば、そのクールな無個性ぶりが、日本製品の魅力となっているようだ。

ただ問題なのは、いまだに「平気で外国の製品をパクる神経」が残っている点である。
恐らく、戦後本当に貧しい状態からスタートしたのが原因だろうと思う。
当時は欧米とはあまりに差があったので、それらをお手本とし、憧れの製品をコピーするのが精一杯だった。

前述の時計のS社は、無個性ぶりを逆手にとり、意図的に淡白なデザインで押しているように感じる。
最上級モデルのGSなど、半分意地になって淡白さを追求しているように見える(笑)
強みは、性能面と品質面では、ほぼ世界一であることだ。
あそこまでいくと、逆にひとつくらい持っていてもいいかな・・という気持ちにはなる(笑)

車のT社は大企業にもかかわらず、以前は他国の車のデザインを平気でコピーして出していた。
最近の製品についてはよくわからないのだが、個人的には現行の製品のデザインにもほとんど魅力を感じない。
真似をしていた頃の悪いイメージが、こちらの心に焼きついてしまったのかもしれない。

靴のR社は、どこかで見たことがあるデザインばかりだ。
新製品の葉書など貰うたびに、トリッカーズもどきやオールデンもどきのオンパレードに辟易させられる。
「そっくりなものが安く買えまっせ」の世界であるが、靴好きはコピー品なんて恥ずかしくて履けないから本物を買うだろう。
トリッカーズ自体が何であるか知らない人が、実際のユーザーではないかと思う。
靴業界は、業界が小さいのか貧乏根性が蔓延しており、酷いものは名前まで海外製からいただくこともあり、本当にがっかりさせられる。
しかし丁寧に作られた国産の品質は相当のものであり、一部ではオリジナルの製品を世界に発信しようという動きもあるようだ。

趣味の分野では、コピー品というのは、特に精神面において致命的といえる。
しかしそれが単なる実用品だとしても、成熟した社会では、コピーを作る製造会社の地位は確立しづらいであろう。
やはり所有する喜びというものは、ユーザーにはもっとも重要な要素なのだ。

今後オリンピックなども控えており、日本への注目は高まるであろう。
この機会に日本製品の良さをアピールしたいが、どうあがいたところで、生来の無個性ぶりから脱却することは難しい。
むしろ無個性であることを全面に出すことで、「個性的な」日本ブランドを打ち立てていくべきだと思う。
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