疑問 その2


D810 + AF-S NIKKOR 85mm f/1.4G

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利益が少ないということは、恐らく仕事としては大きく発展はしないということだろう。
将来についての見通しも、あまり立てられないのではなかろうか。
そんな状況下で、仕事に対する熱意をどこまで維持できるのか・・・

ネットショップの関係者と話していて、時折ふと感じる疑問は、一体この商売がいつまで続けられるのだろう、ということだ。
製造業者の場合は、百年単位で続く老舗もある。
しかしネット通販という仕事は、数年程度の寿命ではないか・・と最初から感じさせるのだ。

実際、ネット通販の黎明期に、業界を席巻したサイトがあった。
ある商社にいた若者が始めた通販サイトで、誰もがネット通販なるものに懐疑的な時代に、いきなり業界の売上げランキングの上位に食い込んだ。
当時は、たいそう売れているらしい、という噂を何度も聞いた。
インターネットなるものは凄い、これからはああいう販売の形態になるのだと・・・
僕はその若者が商社の新入社員の頃に面識があり、意外な形で才能が花開いたものだな・・と思っていた。

ところがそのサイトは、現在でも存続してはいるのだが、いまや見る影も無い状態にまで落ちてしまった。
一時こそ業界を制覇したが、今は「ぱっとしないサイト」のひとつになってしまっている。
代わりに台頭してきた別のサイトが、楽天で日々トップを争い、鼻息の荒い状態になっている。

人間の才能には限界があり、一時は脚光を浴びても、次の時代には適応できない場合が多い。
その人のセンスの限界で、通用する期間が限られてしまう。
だから後から出てきたサイトの多くも、やがては同じように凋落の日を迎えるのではないかと感じる。
時代に合わせてどんどん変化して、しぶとく生き残る者もいるだろうが、ちょっとでも見誤ったらそれまでである。

インターネット自体が、まだそれほど長い歴史を持っていない。
まだまだ流動的で、10年も経てば業界の勢力図が変わるだろう。
昨日書いた会社も、開店から8年目だそうだが、それだけ続けば業界では「老舗」のひとつと言われているようだ。

しかしショップの利益が少ないにもかかわらず、エンドユーザーへの販売価格はそれほど落ちていない。
恐らく仕組みが未成熟のため、中間業者の富の分配が上手くいっていないのだろう。
要は多く取りすぎている会社が、途中に存在するということだ(笑)
まあそれもやがては正しい方向に進み、無駄な会社が淘汰され、それに伴ってネット販売業界の仕組みが洗練されていくのだろう。

現状では、この世界で商売を始めても、長く続けることを目標にするのは難しいように感じる。
もちろんオーナーと話せば、この商売を発展させて次の世代につなげていきたい・・などと語るだろう。
しかしその実、一時お金を稼ぐことが出来ればそれでいい・・とどこかで考えているようにも見える。

大きな波を捉えて、器用に乗りこなすサーファー・・・
しかし波の勢いはいつまでもは続かず、気付くと次の波に乗る者が後ろから迫ってくる。
ついそんな場面を思い浮かべてしまう。
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