おもちゃ


D3X + PC-E Micro NIKKOR 45mm F2.8D ED

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部屋の棚の中に、ブリキ製のおもちゃが飾ってある。
古い家の押入れにしまわれていた箱の中から出てきたものだ。

サーキット場のコース一周を模して作られた、平たい形をしたおもちゃだ。
道の中央部に溝が切ってあり、その中に細くて長いスプリングが、道に沿って1本入っている。
そのスプリングをモーターでくるくると回すのだが、小さなレースカーの下方に突き出た突起部を、溝の中のスプリングに差込むと、スプリングが回転するのにつれて車が移動しコースを一周する・・という凝った仕掛けになっている。

なかなか優秀な仕組みである。
工夫して作られたそのアイディアに、むしろ今になって感嘆する。
しかし、子供の頃そのおもちゃで遊んだ記憶はない。
そのためか、新品のようにきれいだ。

記憶に強く残っているおもちゃと、そうでないものがある。
どうやら自分なりに、お気に入りの物があったようだ。

覚えているものを挙げると、まず幼稚園の時に懸賞で当たったジャイアントロボのおもちゃがある。
「空飛ぶジャイアントロボ」が当たるというので、どんなものかと楽しみにしていたが、届いてみたら空気で膨らますビニール製のおもちゃで、背中に滑車が付いていて、ロープを張ってそこを滑らすだけのものであった。
子供ながらにがっかりしたのを覚えている。
数回遊んで飽きてしまったが、これはがっかりしたために記憶に残った例だろう(笑)

今でも復刻品が売られているウルトラ怪獣のおもちゃは、大量に持っていた。
ウルトラQ、ウルトラマン、ウルトラセブンに登場した怪獣たちである。
(ご存知の通り、それ以降のシリーズは放映に間が空いており、違う世代になる)
親や叔母などが、面白がって僕に買い与えてくれたようで、ほとんどすべて持っていた。
よくおもちゃ屋の店先に、紐で吊るされて売っていたのを覚えている。

このおもちゃは、腕や足の関節に無理な力をかけると外れてしまう。
一度外れると、お風呂のお湯で暖めて柔らかくしないと入らない。
そのため内部に風呂の水が入ってしまい、どれもチャプチャプと音を立てていた。
当時のものは、今売っているものより大きかったように思う。

なぜか記憶に強く残っているのは、キャプテン・スカーレットのおもちゃだ。
無表情で直立不動のスカーレットが、やじろべえのような棒の先についており、電動でくるくると空中に浮かんで回るものを持っていた。
キャタピラユニットを後部に付けた戦車のような乗り物や、先端の尖った飛行機などもあった。
どれもデザインが秀逸で、日本の文化からかけ離れたセンスであるところが、好きだった理由のように思う。

タイガーマスクのコスチュームも記憶に残っている。
もちろん辻なおきの漫画とテレビアニメの頃の物であるが、これがもろにビニール製で、マスクを顔に被ると強いビニールの臭いがした。
多分有害なのだろうが、当時のビニールは特有の臭いがした。
今では危険でそのような物は売れないかもしれない。
しかし臭いとともに記憶に強く刻まれたため、今でも時折この臭いをかぐと、妙な懐かしさを感じる。

大量に持っていたのはGIジョーだ。
これは海外に住んでいた従兄弟から譲り受けたもので、すべてアメリカ製の本物であった。
ベトナム戦争真っ盛りで、M16やコルトガバメント、各種ホルスターやハーネス類、ヘルメット、無線機にいたるまで、驚くほどの装備が揃っていた。

今なら鑑定団なみのお宝であるが、僕から別の親戚に受け継がれ、そこで単なる子供のおもちゃとしてぞんざいに扱われ、庭で野ざらしになり、最終的にすべて捨てられてしまった。
最近までその家の庭の砂場から、時折GIジョーの断片が出てきたそうだ。
最初に買い集めた従兄弟がそれを聞き、半泣きになって悔しがっていたのを思い出す(笑)
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