修理不能


SIGMA DP2

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興味深い話を聞いた。
飛び物を撮る人たちの間で、旧型のマニュアルレンズに移行する人が増えているという。
ひとつには、飛行中の被写体(生き物)を撮るのに、常に移動しているものを「追いかける」形のAFレンズでは、完全にピントが合っているものが1枚もない・・という結果になる場合が多いかららしい。
朝夕の暗い環境での撮影が多く、超望遠レンズを開放で使うパターンが多いため、ピントが非常にシビアなのだ。

もうひとつ、深刻な理由がある。
故障した際にまったく使えなくなるAFレンズが出始めているというのだ。
修理に出したところ、もう部品の在庫がないという理由で、修理不能で返却されることがあるという。
ところが電装系が故障した場合、手動ではピントリングが回せない構造のレンズがあり、その場合完全に使用不可能になってしまうのだ。

何とかなるのではないか・・と思っても、何ともならない。
ファインダーを覗いてみても、ぼやけた画像が見えるだけである。
簡単に修理できませんと言われても、100万円からする超望遠レンズである。
惜しくてとりあえず手元に置いてあるが、実際には最早「ただのゴミ」でしかない。
捨てる以外に道はないのだ。

ニコンの製品でも同じようなことが起きているらしいが、何でもパーツをまだ保有していて修理してくれる業者がどこかにあるそうで、皆そこにお願いしているという。(そういう情報網は凄い・笑)
ところが某社のレンズでは、サービスセンターに持っていっても、10分ほど待たされて、結局修理不能ですと返されて終わりだという。
その対応に、ちゃんと内部をチェックしているのだろうかと疑問に思った人が、レンズをあらかじめ分解して、カバーを開けたらわかるように細工をしてサービスに出したところ、内部を見てはいないことが判明した。
もうそこの製品は買わないと怒っていたという。

まあ、実際に分解しなくても、見ただけで修理不能と判断できるのかもしれない。
だがこれだけ高価な製品なのだから、もう少し対応を考えてもいいのではないかと思う。
もっともその人の場合は、何故か一時的にAFが治って動いてくれたので、急いでその状態でレンズを中古に出してしまったそうだ(笑)

それで皆がマニュアルの超望遠レンズを探し始めたのだが、意外に数が少なくて、なかなか見つからないらしい。
今ほど多くの人が超望遠レンズを保有していたわけではないからだろう。
2年ほど前の話だが、珍しい鳥が飛んでいるという噂を聞きつけて、埼玉県のある川原に全国から飛び物カメラマンたちが集まったそうだが、それが数百名もの大群衆となり、その数だけの超望遠レンズがズラーッと並んだという。
今や超望遠の市場も大衆化が進み、それほど多くのレンズが巷に溢れているのだから、それだけ故障する率も高くなる。
メーカーも設計段階から、長い期間修理対応が可能になるよう考慮すべきである。

ところで今から買うならマニュアルレンズか、少なくとも故障した時に手動で動くレンズにするべきであろうが、あまり古くても光学系の性能が悪い。
選ぶべき製品はおのずと限られてきて、入手するための競争も激しくなるのが現状のようだ。
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