カエル


近所にある雑貨屋さんが閉店すると聞き、お店に入ってみた。
お店の奥の棚に置いてある大きなカエルのぬいぐるみが気になっていたのだ。
ぬいぐるみと言っても通好みのヨーロピアンなものではなく、どこでも売っているマンガチックなものなのだが・・・
しかしこういうものは一期一会なのである。

ところがそこは若い女性が入る雰囲気のお店で、とても40代のおじさんに似合うお店ではない。
おどおどしながらカエルの前まで行ったが、恥ずかしくて「これください」とは言えない。
Mrs.COLKIDが来たので「このカエルが欲しい」と言ったら、大きな声で「いい加減にしてちょうだい」と怒られた。
一体いくつ買ったら気が済むの!

それを聞いていたお店の若い女性の店員さんたちが下を向いてクスクス笑っている。
よほど変な夫婦だと思ったのだろう。
君たち夫婦っていうのはこういうものなんだよ。
いいさ、後でひとりで来て買うから・・・

夜になってもう一度お店に行った。
一気に奥の棚まで行って、カエルを掴んでレジに持っていった。
店員さんたちが「ホントに来た」という顔でビックリしている。
笑いをこらえながらカエルを包んでくれた。
店長さんらしい妙齢の女性が満面の笑みで「ありがとうございました」と手渡してくれた。

僕はカエルの大きな包みを持って家に帰った。
もちろんMrs.COLKIDからかなり怒られた。

S5 Pro + VOIGTLANDER MACRO APO-LANTHAR 125mm/F2.5 SL
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