酔生夢死浪人日記

 日々、思いついたさまざまなことを気ままに綴っていく

パンデミックはわが魂に及ぶ?

2020-02-29 22:34:00 | 社会、政治
 第2回「パワーシフ杉並連続講座」(高円寺グレイン)に足を運んだ。「チェイシング・コーラル 消えゆく珊瑚礁」(2017年、ジェフ・オーロースキー監督)上映、再生可能エネルギーの浸透に取り組む「みんな電力」の長島さん、「FOE」(国際環境NGO)日本支部の吉田さんによるプレゼンテーション、質疑応答と続く。

 長島さん(24歳)は若い世代のライフスタイル(ミニマリズム志向)に言及していた。パワーシフトとは電力会社を選択するアクションだが、電力に限らず、グレタさんが提起した<気候危機を克服するための生き方のチェンジ>に繋がっている。

 「チェイシング・コーラル」は会の趣旨に相応しい作品で、海水温上昇に起因する珊瑚礁の死滅を追っている。動物と植物の機能を併せ持ち、二酸化炭素を吸収し、津波の防波堤の役割を果たす珊瑚礁は生態系の基本といっていい。珊瑚礁の白化現象が気候変動のスタートラインであることを教えられた。

 別稿(2月3日)に記したが、俺が初めてパンデミックという表現に触れたのは11年前のこと。辺見庸はETV特集「しのびよる破局のなかで」で、<金融危機、気候変動、新型インフルエンザ(09年)の蔓延を単層ではないパンデミック>と捉えていた。辺見の慧眼に驚嘆するしかないが、「デモクラシーNOW!」で興味深い記事を見つけた。

 ソニヤ・シャー(科学ジャーナリスト)は、<気候変動が原因で感染症流行が起こりやすくなっている。自然が壊れることで生息地が破壊された野生動物の移動パターンが変化し、ヒトと動物の距離が今までにないほど接近した。これにより、新しい病原体が発生する可能性が高まった>(要旨)と警鐘を鳴らしている。

 自粛の嵐が吹き荒れている。日本だけなら〝行き過ぎている〟と批判的に記したはずだが、海外でも似たような状況だ。昨日のこと、地下鉄車内でマスクなしにゴホッと咳をしたら、冷たい視線の集中砲火を浴びた。俺に否はあるが、パニックは時に人を獣にする。欧州ではマスク姿の東洋系観光客が暴力を振るわれたという。集団化と同調圧力が過剰な日本では、別の形で悪が具現化するかもしれない。

 安倍政権が発表した学校一斉休校を引き金に、スポーツ、文化の自粛の流れが決定的になった。送別会キャンセル続出の飲食店も大変だろう。私ごとだが楽しみにしていた落語会が中止になる。テレワーク奨励、業務縮小、イベント中止で〝板子一枚下の地獄〟に落ちる中小規模の企業や店舗の従業員、非正規や派遣の労働者も少なくない。セーフティーネットが張られていない社会で何が起こっても、〝貴族院〟に棲息する特権階級は気にも留めないだろう。

 アメリカの疾病対策センター(CDC)は<新型コロナウイルスは確実にパンデミックを招来する>と警告した。同国ではここ数年、インフルエンザが猛威を振るっている。仕事先の夕刊紙コラムが<この冬、最低でも2600万人が罹患し、25万人が入院、1万4000人が亡くなった>と報じていた。従来のインフルにコロナが重なれば恐るべき事態に陥るだろう。

 この国でコロナ以上に深刻なのは、汚穢と腐臭まみれの政権だ。森友、加計、桜、レイプ記者免罪、検察人事介入と<国家私物化ウイルス>の蔓延に、政官財、司法、メディアが手を貸している。前稿で紹介した北とぴあの護憲集会で松元ヒロが<辺野古埋め立ての事業者は安倍首相に近い企業>という事実を明かしていた。国家私物化、ここに至れりだ。

 あす朝はサウスカロライナ州での民主党予備選、なぜか開催される東京マラソンと注目イベントが続く。〝ユーチューバー〟折田アマの編入試験突破をはじめ将棋界もニュース満載だが、最大のイベント「奨励会三段リーグ最終日」と併せて記したい。
コメント (1)
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