先日、「トップランナー」に福永が出演していた。「武豊TV!」ではおちゃめキャラだが、NHKでは来し方の反省と将来のビジョンを、真剣な面持ちで語っていた。福永は<技術+度胸+愛嬌>を武器に、トップジョッキーへの階段を着実に登っている。「馬と話せる男」といわれた父(洋一氏)にどこまで迫れるか注目したい。
JCで一息ついた秋GⅠシリーズだが、今週は2歳牝馬NO・1決定戦のジュベナイルフィリーズだ。阪神マイルは最初のコーナーまで182㍍で、内枠の先行馬が後手を踏めば致命傷になる。アップダウンはあるわ、ごちゃつくわ、息は入らないわで、展開や運にも左右される。スイープトウショウ、ラインクラフトの断然人気馬も連を外したが、両馬はくしくもエンドスウィープ産駒だった。
鞍上(武豊)を加味し、アルーリングボイスが1番人気だろう。母系は阪神苦手とされるエンドスウィープだが、アンブロワーズ(昨年2着)と同じフレンチデピュティ産駒で、マイルはぎりぎりの守備範囲だ。モマれず進める⑭番枠も恵まれた。横山典騎乗のコイウタにとって①番枠はマイナスだが、牡馬と伍してきた実績からも好勝負は可能だ。
人気騎手を鞍上に据えた上記2頭より注目したのが、冷や飯組が騎乗する馬たちだ。GⅠで10勝(重賞は計31勝)を挙げるなど20代で脚光を浴びた角田だが、今年はまだ10勝と、かつての輝きは失せてしまった。角田は今回、フサイチパンドラに騎乗する。新馬戦の内容も高評価で、血統からも上位人気が予想される。小林淳(今季18勝)が騎乗するアサヒライジングにも期待する。無理なく先行できれば、2歳牝馬に酷なコースで「血の重さ」が生きるかもしれない。
取捨に迷う馬も多い。切れ味鋭いアイスドールは、レースごとに馬体が減っている。先行できそうなエイシンアモーレは、久しぶりが不安だ。前走で後手を踏んだブラックチーターは、調教がイマイチらしい。3頭まとめて消すことにする。
結論……。◎⑯フサイチパンドラ、○⑨アサヒライジング、▲⑭アルーリングボイス、△①コイウタ。3連単は⑯1頭軸で<⑯・⑨・⑭><⑯・⑨・⑭・①><⑯・⑨・⑭・①>の14点。馬連は⑨⑯、⑭⑯、①⑯の3点。
そういや2年前、角田はスイープトウショウに騎乗していた。敗戦が乗り替わりの要因になったことは想像に難くない。今回のフサイチパンドラにしても、馬主(関口氏)なら藤田、厩舎(白井)なら武豊と、ラインが敷かれている。勝っても安閑としていられないが、ここは冷や飯男の意地に期待したい。