酔生夢死浪人日記

 日々、思いついたさまざまなことを気ままに綴っていく

雑食獣から見たアメリカ

2004-11-01 07:00:34 | 社会、政治
アメリカ大統領選挙の投票日が迫ってきた。勝つのはどちらか一方だから、競馬よりたやすい賭けだろうが……。

 殆どの日本人がそうであるように、俺は文化的雑食獣だ。その習性はミーハーかつ深みがない。目の前に美味そうなものがあればガブリと食いつく。胃がもたれて吐き出すと、ラベルや包装紙に“made in America”と書いてある。俺はそのたび、アメリカにヤラれちまってることを実感するわけだ。

 人生で最も感銘を受けた小説はマッカラーズの「心は孤独な狩人」で、映画も50年代のハリウッド作品から「ドニー・ダーコ」のような新世紀のインディーズまで追いかけている。ライブで最も衝撃を受けたバンドは、フジロック97でのレイジ・アゲンスト・ザ・マシーンだ。すべてアメリカ製である。
 などと書くと、嫌みなスノッブ野郎と誤解する向きもあろうが、さにあらず。繰り返しになるが雑食獣に深みはない。俺が至福を覚えるのは、まさに平均的なアメリカ人同様、NFLを見ながらマックをコークで流し込む瞬間なのだから。

 雑食獣の更なる欠点は優柔不断さだが、アメリカ中西部から南部にかけ、迷いが一切ない肉食獣が繁殖している。洗脳とも思える手法で、共和党と結びついたキリスト教原理主義者が急増し、ブッシュ再選の道を切り開いているのだ。「神は正義のための戦いを認めている」という主張は、そのままイスラム教原理主義者の聖戦思想と重なるから恐ろしい。

 俺の予想。
 残念ながらブッシュが勝つ。その結果、民主党はリベラルとラディカルに分裂して凋落し、4年後はブッシュ弟が悠々と大統領になるだろう。仮にケリーが勝てば、保守主義者が暴走し、新大統領やマイケル・ムーアの身を案じなければならなくなる。いずれにせよ、悪夢の始まりになりそうな選挙ではなかろうか。  
 
コメント
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