先月、コスモバルクの父ザグレブは「ウサギ追い」の種牡馬と書いたが、「狐狩り」の間違いだったかもしれぬ。
というのも、英国では最近、狐狩りの是非をめぐって議論が沸騰していたからだ。労働党は人道主義と庶民感情を盾に廃止法案を提出し、下院では可決されたが、上院では条件付きで継続を認めた。ザグレブが狐狩りの種牡馬なら、何とか生き延びたことになる。
それにしてもブレア首相、ブッシュのプードルとまで痛罵されても、イラクから撤兵する気配はない。労働党が掲げる人道主義も眉唾と思えてくる。プードルゆえ、狩られる狐の痛みは共有できても、血を流す人間の苦しみは理解の外なのかもしれない。
さて、その英国から参戦するラクティに死角ありだ。日本の馬場に対応できるという評価だが、走ってみなければ何ともいえぬ。ずっと2000㍍戦を使われ、マイルは前走のみ。同馬に7回騎乗したデムーロで臨むなら話は別だが、騎手も日本は初めてらしい。無印だ。
テレグノシスもどうか。天皇賞の騎乗ミスを咎められ、勝浦は降ろされた。外を回って伸びなかったのはナリタセンチュリー、バランスオブゲーム、シルクフェイマス、リンカーンも同様で、アンカツまで馬場を読めなかったことは事実だ。勝浦だけを責めるのは酷というもの。テレグノシス―勝浦。不器用な人馬で2度目のGⅠを目指すからこそドラマがある。コンビが解消された以上、買う気はしない。
逆に、天皇賞で恵まれたのがダンスインザムード。なぜかあのレース、内が伸びた。枠順もよく、位置取りも結果的に最高だったのだ。でも、今回は外枠だし、G1連戦の疲れもあるだろうから消す。
上位人気で残るのが、⑦デュランダルと⑤ファインモーション。女王杯では出遅れた池添だが、同じ轍を踏むまい。一方、二股男の武は、アドマイヤを女王杯で勝たせた以上、ファインを上位にもってこないと男が立たぬ。モテモテ男は義理を欠かせないものなのだ。恐らく馬連⑤⑦は1番人気。これじゃ妙味がないので、マイルG1で好走する⑨バランスと、先行すればしぶとい⑪メイショウを絡めてみよう。