以前は、集魚剤として、さなぎ粉が1世を風靡していた。実は、さなぎ粉については30年も前から、へら鮒を集魚する効果があるのか疑問を感じていた。昔は、養蚕が盛んで、副産物であるさなぎは、安く大量に手に入れられる時代だった。このため、溜池でのコイ養殖において、安くて栄養価の高いさなぎは、自家配合飼料を構成する重要な素材だったのだ。当時のへら鮒の養殖において、さなぎが使われていたかは定かではないが、元々植物プランクトン専食のへら鮒に高たんぱくのさなぎを与えていたか非常に疑問である。いくらタンパク含量を高くしても、へら鮒は高たんぱくのエサを利用しきれないのである。さなぎは、独特なにおいが有り(私は結構この匂いが好きかも)、それがいかにも集魚効果がありそうだが、果たして植物プランクトン食のへら鮒にとって、魅力的な匂い(誘引物質)だったのだろうか???
現在は、悲しい事に養蚕自体が日本から消えてしまった。このため、恐らく今では、さなぎは日本では手に入らないものとなってしまったと思われる。たぶん今では鯉養殖でもさなぎは使っていないと思う。まして、ヘラ鮒養殖では使っていないはずだ。ますます、へら釣りのエサとしてのさなぎ粉の効果は疑問である。
ほとんど客のいないヘラ釣り堀でのことです。
客は私一人しかいなかったので、
帰り際に何気なくサナギ粉を粉のまま池にばら撒きました。
(私一人だったとはいえマナー違反、愚行でした、反省しております)
すると、サナギ粉は重いとはいえ、ご存じのとおり油分と表面張力で全て浮くのですが
釣り堀中のヘラがすべて浮いたのではないかというぐらい
水面で大量のヘラがバクバク始めました。
と、いうわけで個人的にはヘラはサナギ粉が好きだと思います。
とは言っても、寄るエサ=釣れる(釣り易い)エサでは無いのがヘラですよね!!
野生動物は、本能的にエサになるものとならない物を見分ける能力があるのだと思います。
サナギ粉中のアミノ酸に魚の接餌を誘引する物質が含まれていることも否定できないですね。
こだわりがあるのですね。
郡山の鯉屋さんでも出荷前にさなぎを食べさせているこだわりの業者さんがいます。
鯉を健全に育てるというより、味を良くするためのようですが。さなぎを食べさせないと鯉の味にならないとお考えのようです。
現場の情報ありがとうございました。