未唯への手紙

未唯への手紙

ソーシャルネット社会

2011年06月23日 | 4.歴史
未唯へ

 昨日は次期システムのことでシステム担当者と話していたら、19時を過ぎてしまった。残業2.5時間です。ゼロにするために今日・明日は早く帰ります。

 スタバでニーテェの『道徳の系譜学』を読むことにした。土曜日に図書館に返さないと。

ソーシャルネット社会

 このまま、超国家になるか、テロ国家になるかの境目に、ソーシャルネットワークのフェイスブックが出てきた。

 アラブ世界にソーシャルになれば、世界は変わります。新しい方向です。本当の意味の国民国家です。

 そこで、環境もクルマも考えていく時です。どうしたら、それに近寄れるかです。

 政治を見ても分かるように、組織は動いていません。官僚の組織は自己完結で、従来通りです。

 次の世界をどういうカタチにするのかを提案するには丁度いいかもしれません。

 エネルギーなどを使って、国家を存続させてきたものを、市民がそれを使って、どのように生きていくのか。

 ある意味では宗教国家に近いものかもしれない。暴力で組織を維持するのが、いちばん簡単です。外れた時に、新しい世界をどう作っていくかです。企業と行政と市民で、国家を作っていくしかない。

私のミッション

 数学者である限りは、自分では変えないです。全体を見ていくのが私のミッションです。

次期の構想へ感想

 eの次期構想のビデオを再度見たけど、やはり、おかしい。販売店の体質を変える方に持っていかないといけない。

 タブレットでは何もできません。お客様との接点のスタッフとのコミュニケーションをを作り上げないといけない。メーカーとして、売るを変えていかないといけない。

 なぜ、その部分がないのか。それで「いい町・いい社会」ができるわけないです。

電算部に立場

 システム担当者の部分はなくなるでしょう。それを行ったからといって、電算部にとっては何のメリットもない。むしろ、新インフラとタブリます。

 タブレットそのものを、パソコンソフトを手製で作ろうというのは間違っています。データを外付けにして、クラウドのサーバセンターでやることでしか、答はない。

 そうでないと、電算部は能力が疑われます。元々、能力はないけど。

 その時に、ネットワークとタブレットとクラウドは一体化します。他に頼るものがないから、販売店の環境を替えないといけない。その前に人の意識を変えないといけない。

プルの力で世界を変える

2011年06月23日 | 3.社会
『「PULL」の哲学』より

世界を変える戦略を構築する要素

 世界を変える戦略が成功するには、三つの要素が必要だ。世界を変えるビジョン、世界を変えるプラットフォーム、そして世界を変える行動と資産だ。ビジョンは向かっていく方向、つまり軌道を決め、プラットフォームは参加者にとってのレバレッジとなる。そして行動と資産は、進化を加速させるのに必要な人材やリソースだ。

世界を変えるビジョン:軌道

 最初のステップは、参加者の意識改革になる。金銭などのインセンティブに関係なく、参加者が自主的に大きな目標に向かっていくようになるかどうかは、彼らの意識を変えられるかどうかにかかっているだろう。

 まずは、明確で、説得力のある長期の目標をかかげることがカギになる。この目標によって、参加者すべての目指す方向がはっきりする。どんな行動やリソースが必要かがわかるので、間違った努力をする心配がない。それにビジョンがはっきりしていれば、目標を達成したときの報酬も、明確にイメージできるだろう。

 大きなビジョンなので、細部まで決めておかなくてもかまわないが、目の前に迫った難しい選択で、どちらかを選ぶ根拠になれるくらいには明確である必要がある。軌道とはあくまで目標であって、そこにいたる過程ではない。

レバレッジを作るプラットフォーム

 世界を変える戦略の二つ目の要素は、活動を行う場所となるプラットフォームだ。プラットフォームがあるおかげで、参加者は、少ない労力で最大限の効果を上げることができる。今のように先が見えない時代では、プラットフォームが提供してくれるレバレッジ効果が、とてもありがたい存在になるだろう。先が見えないと、労力や資金の投資にも臆病になってしまうが、プラットフォームがあれば少ない投資で最大限のリターンを得られる。

 プラットフォームが提供してくれるレバレッジには、たいていの場合二種類ある。一つは、開発のレバレッジだ。これがあると、製品やサービスを開発するときのコストを削減できる。開発のレバレッジは、テクノロジーの分野で活用されることが多い。たとえば、フェイスブックのプラットフォームは、ソフトウェア開発者が集まって、ウィジェットと呼ばれる簡易アプリを開発する場所として力を発揮している。

 そしてもう一つは、交流のレバレッジになる。大人数で協力して何かをしたい場合、プラットフォームを使えば、人を集めたり管理したりする労力がかなり削減できる。

 たとえばグーグルのアドセンスは、自分のサイトに広告を掲載して収入を得ることができるサービスなのだが、これも、広告主、サイトの持ち主、潜在的な顧客を結びつけるプラットフォームと言えるだろう。このプラットフォームの真の価値は、すべての流れの手順が決まっていて、誰でも簡単に利用できるところにある。これも、最小限の投資で最大限の効果を上げる一例だ。

加速するための行動と資産

 中心となって変化を起こす会社が持っている資産と、その会社が取る行動。これが、世界を変える戦略の三つ目の要素になる。

 どんなに説得力のあるビジョンも、どんなに優秀なプラットフォームも、中心の会社に成功する能力がないかもしれないという不安が消えなかったら、まったく役に立たなくなってしまう。逆に、参加者にとっては、中心の会社が力をつけすぎることも不安材料になる。いずれ自分のマーケットを奪われてしまうかもしれないからだ。

 ここで中心の会社が行わなければならないのは、どちらの心配もないと参加者に納得してもらうことだ。そのために、自分の行動と資産を活用することになる。ここで失敗して誰も集まってくれなかったら、せっかくのビジョンとプラットフォームがムダになってしまうだろう。

個人が起こすプルの革命 変化のきざし

2011年06月23日 | 3.社会
『「PULL」の哲学』より

前にも触れたように、変化は「個人」「組織」「社会」の三つのレベルで順を追って起きていく。そして、プッシュ型からプル型に変化していく過程で、「軌道」「レバレッジ」「ぺース」という三つの要素が見えてくる。プッシュからプルヘと変わるときは、個人も、組織も、そして社会全体も、この三つの要素に導かれて進んでいくことになる。

まず最初に行うのは、自分の進む先を決めることだ。目標地点が決まっていないと、同じ場所をぐるぐる回ってしまうかもしれないからだ。進む方向を決める、それが「軌道」だ。

軌道が決まっていれば、自分のやるべきこともわかってくる。今のように変化の激しい時代は、とかくリソースを広く浅く分散してしまいがちだが、目的地がはっきりしていれば、いちばん大切な場所にリソースを集中させることができるだろう。変化の時代でいちばん気をつけなければならないのは、身の周りで起こる変化に対応するだけで精一杯になり、自分にとって重要な変化を見分けられなくなってしまうことだ。

進む方向がはっきり決まっていれば、それが周りにも伝わり、同じような方向を目指している人たちを引き寄せることになる。軌道の段階では、つねに自分の情熱がガイドの役割を果たしてくれるだろう。

次の「レバレッジ」の段階では、プルの力を利用して、他の人たちとつながることになる。周りの人から必要な知識を手に入れ、彼らと協力してその知識を活用していく。

レバレッジとは「てこの作用」という意味で、つまりすべてを自分一人の力でやらなくてもかまわないということだ。競争が激化し、それにつれてプレッシャーがどんどん大きくなる今の時代、人間関係のレバレッジを活用すれば、コストをかけずに多くのことを達成できるようになるだろう。

変化が加速する時代、「ペース」があれば自分も迅速に動くことができる。もちろん、ペースにはレバレッジも関係してくる。レバレッジがあれば、新しいことを学ぶのに余計な時間をかけずにすむからだ。

しかし、レバレッジの働きでさらに重要なのは、新しい知識を創造するベースを上げることだ。新しい知識を持っている人は、戦略的にかなり優位に立つことができる。

軌道、レバレッジ、ペースの三つの段階は、この順番で起こるのが自然な流れだが、並行して起こすこともできる。とりあえず、旅の最初に決めるのは軌道になるだろう。自分の方向性がわかれば、どこでレバレッジを手に入れればいいかもわかる。また、軌道が決まっていれば、参加するネットワークを選ぶこともできる。

しかし、旅に出発してからは、軌道、レバレッジ、ペースを並行して行っていくと効果がさらに大きくなる。レバレッジを手に入れようとしているときに新しい発見があれば、それが軌道の修正につながっていくこともあるだろう。ペースを上げようと努力していると、参加したほうがいいネットワークが他にも見つかるかもしれない。三つの要素は、相互関係の中でいろいろと変化していくのである。

この章の残りでは、三つの要素を活用して変化の時代を生きていく方法について説明しよう。三要素をうまく使えれば、自分から変化を起こすことができる。変化の時代を「切り抜ける」のではなく、自分から道を切り拓いていける。自分か主導権を握れば、変化のストレスに苦しむことはなくなり、心が穏やかになるだろう。そして退屈が情熱に変わるはずだ。

もちろん、簡単な旅ではない。さまざまな困難に直面することもあるだろう。自分の快適空間から外に出なくてはならないし、大きなリスクも取らなくてはならない。そしてもちろん、新しいことを始めるのだから、いつか大きな失敗もやらかすだろう。

生まれ変わったあなたを見て、友だちや同僚の中には、離れていってしまう人もいるかもしれない。それに、昔ながらの安定した生活にさよならすることになるので、どこか不安や寂しさを覚える人もいるだろう。

しかし、ほとんどの人はもう気づいている。ここまで来てしまったら、もう後戻りすることはできない。昔の時代に帰ることはできないのだ。

頭ではわかっていても、気持ち的に受け入れられないという人もいるだろう。そういう人が、本能的にソーシャルメディアやデジタル文化を毛嫌いする。「ブログなんてただの時間のむだ遣いで、大切な仕事を先延ばしにしているだけだ」。これは、私たちの友人の、ある学者の言葉だ。

コラボレーション曲線

2011年06月23日 | 3.社会
『「PULL」の哲学』より

前にも見てきたように、経験曲線では、経験がどんどん蓄積していくと、ある地点から成長のペースが鈍るようになる。

しかし、現代の私たちは、ついにこの経験曲線の限界を超えるチャンスを手に入れた。きちんと設計された創造の空間に参加する人数が増えるほど、そして参加者同士の交流が増えるほど、参加者の成長のペースがどんどん加速していくのだ。

私たちはこの現象を「コラボレーション曲線」と呼んでいる。経験が増えるほどリターンが減る経験曲線とは異なり、コラボレーション曲線では、経験が増えるほど永遠にリターンも増えていく。

ところで、「リターンが増える」というのは具体的にどういう意味なのだろうか? ここでは、ネットワーク効果というわかりやすい例を使って考えてみよう。ネットワーク効果の説明では、ファックスが使われることが多い。

たとえば、ファックスが一台しかない場合は、まったく使い物にならない。むしろ、ただの電話よりも価値が少ないと言えるだろう。ファックスの機能が使えないのに、その分の購入費用や維持費用がかかる分、マイナスになるからだ。

しかし、ファックスを使う人がどんどん増えれば、それに比例してファックスの価値も高くなるだろう。だが、ファックスを使う人がどんなに増えても、一台のファックスにできることは変わらない。価値が上がったのは、ネットワークとしての機能だけだ。

それでは、ファックスを使う人が増えるほど、一台のファックスの機能も向上するとしたらどうなるだろう。これがまさに、創造の空間で起こっていることだ。参加する人数が増え、交流も増えることで、参加者が自分の能力をどんどん向上させるのである。

現在のところ、コラボレーション曲線を証明するだけの実例は、まだ十分に集まっていない。創造の空間自体がまだ誕生したばかりなので、それも仕方のないことだろう。それに、コストの削減なら数値化するのも簡単だが、価値の創造を数値化して評価するのは難しい。もしかしたら、今もっとも数値としてあてにできる実例は、ワールドオブウォークラフトかもしれない。

WOWプレーヤーのパフォーマンスは、「経験値」というポイントで評価される。プレーヤーは、難しい課題をクリアするごとに経験値を増やしていく。上の図を見ればわかるように、最初の二〇〇万ポイントの経験値を獲得するまでに、だいたい一五〇時間プレーすることが必要になる。しかし、次の一五〇時間では、平均して八○○万ポイントも獲得できるようになる。つまり、プレーヤーの腕が四倍も上達したということだ。

本章で紹介したような創造の空間は、すべてエッジで生まれている。これは偶然ではない。危険な大波の来るオアフのノースショアも、オンライングームの世界のダンジョンも、みんな中央の世界から離れたエッジだ。メインストリームから外れた人たちがまず創造の空間の核を作り、そこにさまざまな人たちが引き寄せられてくる。

これらの創造の空間で中心になって活躍しているのは、組織を離れた個人だ。次の章でさらに詳しく見ていくが、プッシュの経済からプルの経済に移行するにつれて、個人が組織を変革する触媒として、どんどん大きな役割を果たすようになってきている。

これまで、プルの三つの段階について見てきた。第一段階は「アクセスする」、第二段階は「引き寄せる」、そして第三段階は「達成する」だった。次の章からは、これらの三つの段階を実際に活用する方法を、個人のレベル、組織のレペル、そしてより広いマーケットや場所のレペルと、順を追って見ていこう。

自分の好きな分野を扱っている創造の空間のうち、もっとも将来が有望な場所はどこだ

CRMの定義

2011年06月23日 | 7.生活
『NGO・NPOと企業協働力』より

二〇〇八年のリーマンショック(国際金融危機)以降、企業のCSR的関心に新しい変化が起こっていると思われる。①CRM(コーズリレーテッド・マーケティング Cause Related Marketing)、②BOPビジネス、③プロボノ、の三点に対して強い関心を持つようになっているようである。

 CRM(コーズ関連マーケティング)は、コーズ(cause=大義、目標、理想、よきこと)を全面に出したマーケティング活動のことである。フィリップ・コトラーは「企業が製品の売上げや取引に応じて、得られた利益の一定割合を何らかの組織に寄付すること」で、「時間的限定で、特定製品を対象に、特定のコーズ」と共に行うマーケティングであると定義していび。

 CRMは「社会問題解決型マーケティング」、あるいは「ソーシャル・マーケティング」の新しい形ともいわれている。ソーシャル・マーケティングは社会課題解決に基本的な軸足を置いて取り組むマーケティングとされているが、コーズマーケティングは利益獲得(販売増)を中心目的としているところ、あるいは貢献の水準が製品の売上と結びついている点が特徴となっている。

 この種の「寄付つき商品」の販促手法はかねてからあったが、CRMはその取り組みを「より本格化・体系化」したものとして登場させてきている。CRMの事例は実に多様であるが、コトラーは理想的なのは「マス・マーケット向けに大量の潜在顧客を保有し、流通チャネルに幅広く展開している製品を扱う企業」(金融、消費財、航空産業、通信分野)が行うケースだと述べている。

 NGOにとっても、CRMは新しい安定的な資金源として、また自らのNGOの認知度、ステータス、信頼性を高めるものとして有効であることから、CRMにおける企業との協働を前向きに検討するようになっている。

 CSRの本質は、何度も述べているが、企業が「コアビジネス(本業)」において社会課題(環境と社会問題)に取り組んでいるかどうかにある。この点で、CRMは、第一に、企業がそのマーケティング力を社会課題解決のために提供するものであること(それによって収益増大を目的とするとしても)、第二に社会課題への取り組みをテーマとして販売促進活動(マーケティング)を行い、その売上額の所定比率をNGOに「寄付」しようとするものであること。収益からの「寄付」という点で、従来型のマーケティングと同様と考えられるが、自社の本業である製品に対して寄付システムを直接的に組み込むという点で、本業(経営システム)として取り組んでいるということがいえよう。

 第三に、企業のマーケティング力の提供という意味で、その商品が売れたら寄付するという、特定商品の販売額に限定した寄付(いわゆる全社収益からの寄付という形と比べると縮小型の寄付)ではあるが、マーケティング力を最大化することによって、そのコーズ(社会課題)とコーズに取り組むNGO活動を広報することになり、コーズの実態とNGO活動の実態を知ることを通じて、消費者の開発教育への効果も大きく期待できるという点で、CRMはCSRの一環であると考えてもよいであろう。

 フェアトレードと同様、CRMは消費者にとって、日々の消費行動を通じて無理なく社会貢献を行う一つの手法として、今後企業によってますます取り入れられ、社会に浸透していく可能性もあろう。さらに、CSRの観点からも「本業」を通じた戦略的な取り組みとして、また企業・消費者・NGOなど多くのステークホルダーを巻き込む形での効果的なマーケティング手法として一層展開されていく可能性もある。

エコとは何か

2011年06月23日 | 3.社会
共鳴したので、アップしました。

COx地球温暖化情報の発信はニュースや特別番組に限らず、あらゆる番組や記事の底流となっているようです。現在の日本では、“エコ”とか“地球に優しい”あるいは“環境に配慮”といった言葉だけが一人歩きし、意味不明の正義となってしまっているようです。

では「エコロジー」とは一体どんな意味なのでしょうか。その背景には20世紀に入って発達した化学工業の下で生産された、膨大な化学物質による環境破壊や公害の発生があったようです。同年にレイチェル・カーソンの「沈黙の春」が刊行されるや、DDTをはじめとする農薬や化学肥料の問題が人々の共感を呼び、環境保護運動の輪が世界中に広がっていきました。70年代・別年代にかけてエコロジカルな運動は、反核・反原発や反捕鯨といった緑の政治運動に変貌していくと共に、化学物質(ダイオキシン等)とリサイクルをその対象ととらえた時期でもありました。それ以降これらの問題は、すべてCOxによる地球温暖化問題と結び付いていったのです。この時「エコロジー」の持っていた反企業・反政府・反体制といった意味は薄れ。逆に企業や政府が“環境配慮”を自己の商品や政策の売り込みを促進するための積極的手段として採り入れる中で、“エコ”や“地球に優しい”という言葉が生まれてきたようです。“持続可能性”や“リサイクル”もその概念に取り入れながら、現在「エコ」という言葉は“CO2の排出削減”・“化石燃料や火力発電の抑制”・太陽熱や風力など“自然エネルギー促進”・“水質や環境の浄化”・さらに自然の再生を目ざす“生物多様性”などの概念をも幅広く含む用語になっているようです。

そこで問題となるのが、これらの多様な概念を吟味しようとしたりCOx温暖化説に反対したりすると、その個人なり団体はすべての内容に反対しているとみなされ、あらゆる場面でバッシングに会うことです。前にも申し上げましたように、そこでは省エネや代替エネルギーがCO2による温室効果とイコールであり、リサイクルや生物多様性に関する議論が異常気象や環境汚染等に直接結びつけられているのです。また、日本人特有の「節約」や「もったいない」という“道徳観”がそれらの一つと結びつく時、環境問題や地球温暖化は“科学”からするかに遠いところに行ってしまうようです。

例えば、バイオエタノールは温暖化の切札のようにいわれていますが、車一台のガソリンタンクを満杯にするために必要なトウモロコシの量は、一人の人間が1年間それだけで生きられる量であること、その生産にはエネルギー収支上同量の石油が使われることなどは考慮されていません。同様なことが、太陽電池や風力発電・原子力発電にも言えるわけですが、詳しくは後に譲ることとします。

またオール電化が地球に優しく、電気自動車がエコカーであるなども似たレペルのことです。電力が主として火力発電所で生産される限りそこではCOxが出ているわけですし、電気自動車の製造段階で出されるCOとか、一般の車よりはるかに多いことを考えれば、仮に多少燃費が良くても今の車を大事に使った方がエコではないでしょうか。また、これらの商品に付加される“エコポイント”は、さらにその先で商品やサービスに変わる--これらもCOxを排出する--とすれば、現在の政策は矛盾しているとしかいいようがありません。

レジ袋が石油消費の0.2%にしかあたらないこと、故紙やペットボトルのリサイクルがエコノミー的に行き詰まっていることなどを考えると、果たして“環境”とは何なのかを考えてしまいます。例えばペットボトルのリサイクルには分別回収や製造工程で人件費の他に石油が使われ、キロ当たり600円とされるフレーク(売値は3~30円)に対し、ナフサはキロ当たり15~20円とされているのです。一方排出権取引--これは情報・金融の世界--では巨額マネーが世界を飛び交い、浮利を得ている政治家などもいるようです。