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高島屋東別館建物ツアー

2022-04-04 | 建築巡り・街歩き【大阪】

昨日は高島屋東別館建物ツアーに申し込んでいたので、ついでに朝一コロナワクチン接種を予約して、済ませた後やってきた。
高島屋東別館は2010年のリノベーション前に一度見学したことがあり→
今回は、リノベーション後、どのように変わったのか?楽しみに。


鈴木禎次設計により、三期にわたり、建設された建物は、オーソドックスな歴史様式と、シカゴやニューヨークの先進的な百貨店建築を参考に、アールデコを融合したスタイルで建てられたという。
歴史的な説明は、2010年見学時のブログにて→



1階のアーチ部分は67mも続くアーケードに。
アカンサス模様が簡略化されたデザインが床に入れられ、


窓ガラス上部にはアカンサス模様をアールデコにデザイン化した模様などが見られる。
グレーに塗られているが、アメリカ軍接収時に塗られたものかもしれないとのこと。



柱の縁を飾る留め具など、細かい部分にもアカンサスがワンポイントに。
とにかくアカンサス尽くしの装飾たち。


1階の大理石のメイン階段ホール。
当時は、建物の両端に対称的にこのような階段が設けられていたという。


現在は1箇所だけ残されていて、
上階は現在はホテルになっていて途切れているのだが、2階以上も階段が続いてるかのように見える改修の工夫がされている。
ここまでは、普段から見れる箇所で、
この先の地階からは非公開エリア。


今回の見学では、この地階へも案内して頂いた。
見学の申込メールには、写真&動画撮影禁止と書かれていたので、写真は無理だと思ってたら、禁止箇所以外は写真撮影可能で、SNSもOKとのこと。

階段を降りた正面には大理石の台座が残されたショーウィンドウ部分。


大理石でできた大きな丸窓のようなもの。
こちらにも広告などに使われていたんだろうか。


階段踊り場にも丸窓のようなショーウィンドウに、一面は鏡貼り。


鏡には大きな水玉模様がポップで
ウキウキするような装飾になっている。


上部には、一列、またアカンサスを取り入れたデザインの照明がつく。


コーナー部分がアールに収められた階段。華やかな、デパートらしい雰囲気があふれる空間だった。


階段を降り切ったスペースの天井にも、当時のままの天井飾りが残されている。


そして、かつては壁の向こうには食堂が続いていたという床部分に、当時のモザイクタイルが残されていた!
わぁ〜、こんなところでタイルに出会えるとは!


赤系と青系のグラデーションの間に白色が入ったデザインは、とてもカラフル。
ほんの一部分だったが、これがこの壁の奥までずっと続いていたんだなあ。
想像するとワクワクする。
一部分でも残しておいてもらえててよかった。


場所は変わって、、バックヤード部分の地階には、こんな掃除用のシンク的なものが残されていたり、


壁面にはタイルが残されていたり、、
床も当時のままであるとか。
むやみにきれいさっぱりに改修し過ぎず、
できるだけ、当時の物を保存しながら活用するという姿勢があちこちで窺えた。


こちら地下1階のエレベーター。
メインの階のエレベーターよりは装飾が控えめ。
天井は配管が通っていることをカモフラージュするため、天井を下げ、梁が通っているかのように見せているのだとか。
真ん中のエレベーター以外は撤去されている。


時計のような階数表示板。
「下り」「上り」の下の四角のランプは、「休止」「満員」と書かれていたそう。



そして、これまたレアだったのは、当時は地階でお客さんと荷物の受け渡しが行われていたそうで、商品を地下へ下ろすバケットエレベーターというものが存在していたそうで、それが保存されていた。


両脇に大きな歯車のようなものが見える。
商品はカゴに入って下されていたそう。


地下2階に残された階段。
戦時中、金属供出などで4期工事は途中で中断されている。
こちらの階段は、完成していれば4階まで繋がるメイン階段になっていたとか。



階段は親柱や手すりなどの要所要所は大理石が用いられ、壁などはテラゾーを用いるなど節約も考えられていた。


そして、驚いたのはこの地下2階。
アーチの向こうには傾斜した壁に白いタイルが貼られていて、


その上は、現在は塞がれているが、当時はプリズムガラスが嵌められ、自然光を地下2階まで取り入れる構造になっていたという。
その取り入れた光を、反射性の高いタイルを貼ることにより、より明るく照らし出すという仕組みになっていたとか。
そんなタイルの活用法があったとは!?目からウロコで驚いた!
そしてこの壁の向こうはすぐそばに堺筋線が走ってる。


タイルを撫でてみたが、つるんと光沢がある。
上から光が注いだら、確かに明るく反射しそうだ。


そのタイルが貼られた傾斜した壁面の中には、大小様々な大きさの配管も通ってた。


そしてこちらが1階の最も華やかな装飾が施されたエレベーター。
こちらもやはり1基だけ残されている。
消防法により、非常用エレベーターとして、活用されながら保存されている。


エレベーターまわりは、サラサと呼ばれる山口県産の黄色い大理石が、両脇にはニノクロと呼ばれる岐阜県産の黒い大理石が用いられ、装飾はやはりアカンサス尽くし。
エレベーター周りの金属部分はホワイトブロンズのメッキがほどこされていたという。





持ち送りのようにつく天井の照明。



こちらのアーチの奥には中2階のレストランがあったところ。
壁の中に手摺が埋め込まれている。
改修前の見学会での写真あり→


現在非常階段用に使われている階段ホール。
大理石に囲まれたウィンドウも残されている。





金属供出により手摺が外された跡が階段の壁面にぽつぽつ残る。


残されていた手摺。
接続部分は金属だけど、手すりは木製。


回数表示板。
枠の装飾も小さなアカンサス。


階段踊り場には木製の枠の照明もあった。


ここで一旦建物の裏手から外へ。
建物から少し外側へ突出してる塔、こちらは店内の埃を排出する為の空気摂取塔。
外観のテラコッタは唯一この塔に貼られたものだけは上から塗り重ねて補修せずにそのままの状態で残っているという。


建物の裏側は一期から四期までの工事の拡張の様子が見られる。


四期工事が進んでいたらエントランスになっていた部分。

この後は史料館のほうへ戻り、見学会は終了した。
たっぷり1時間半くらい、前回の改修前には見てなかった箇所もたくさん
見ることができた。
できる限り元の状態を残し、新たな役割を持たせて活用しながら保存するということが考えられているところなど、すばらしいなと感じた見学会だった。

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