10万㌔(または10年)で交換を要するタイミングベルトは
自動車業界に携わった40数年前の昭和53年から
すでに不安を感じる気に入らない方式そして部品でした。
(歯が付いたコグドベルトを使っている)
その理由の初っ端となったのは、昭和50年頃のVWビートル後継車
ゴルフに新採用となったこのベルトに関する信じられない出来事です。
当時、私は新車で購入した1303S(タイプⅠ・通称ビートル)の
乗り換えを考慮中で、フルモデルチェンジされたこの真四角のスタイルが
どうしても好きになれず、すでに生産中止(だったはず)の
中古のタイプⅢ(ファストバック)に代替した直後でした。
よく立ち寄るヤナセの懇意の整備士に内緒で教えてもらったのですが
志賀高原ユーザーに納入された新車のゴルフが真冬、エンジンが
掛からなくなるトラブルが頻発し、その理由がなんと
新たに採用されたこのタイミングベルトだというのです。
ちなみに簡単な話、流行りのエンジン形式におけるバルブの開閉が
この方式によってコスト、騒音、潤滑、タイミング精度の面で
極めて優れていたために採用されたとのことでした。
彼から耳にしたのは、エンジン本体の外側に装着されたこのベルトを
覆っているプラスチックカバーが上半分だけだったため、積雪路を走行中に
はね上げてベルトに付着した雪が夜間に凍り付き、翌朝セルを回した際に
コマがズレて始動できないというなんともお粗末な内容だったのです。
実際にリフトアップした車体を覗くと
まさに「歯付きベルト」の本体が見えてしまっていました。
今でこそ憧れはそれほどでもないのでしょうが、当時と言ったら
それはそれは懼れ多いあのドイツ製の新型車にしてこの失態 !?
故に以降、少なくてもVW製ニューモデル車は一切信用できず
にも拘らず旧車のビートルは5~6台乗り継ぐという
歪んだVWファンになってしまいました。
本国で生産中止になった後、確かスペインかメキシコで
生産が続いていた新車ビートルを真剣に購入しようと思ったほどです。
その後三菱車ディーラー勤務後も数年間、休日のプライベートでは
ビートルを乗り回していたのですが、その頃でさえ、カバーで覆われ
見えない個所にありながら切れたらエンジンが原則"終わってしまう"
このメカニズムに伴う高額な負担をユーザーに強いることに
納得できない個人的不満はずっと燻り続けていました。
エンジンが"終わる"とは、切れた瞬間、走行不能に陥ることを指しますが
その上エンジン内部の重大な破損によりオーバーホール修理に
数十万円と相当な日数を要する結果をもたらします。
そして三菱車のみならず、以降に発売された国産車のほとんどに
このベルト方式が採用され、主にディーゼル4WDの中古車販売店として
独立した13年後はもちろん、三菱では2800㏄、トヨタでは3000㏄の
ディーゼルエンジンにチェーン方式が採用されるまで
「走行距離8万㌔超」を売る際には、交換するかどうかを
必ず悩むほどの不信感は続きました。
かくして内燃機関(エンジン)好きな私のクルマとの付き合いは
このタイミングベルトとの40数年間に渡る関わり合いの上に
成り立っていたと言っても決して過言ではありません。
さらにチェーン方式が一般的になったこの歳になってもまだ
新車でなく「中古・格安・軽4WD」を選ぶ以上は、乗り換え時での
"たまたまの出会い"任せなのですから、この腹立たしいほどに
高額な負担を強いるベルトを避けることが
出来ないという悲しい現実。。。
少し前まではエンジンルームを覗くと、横置きエンジンの左側
または縦置きエンジンの前側の黒いプラスチックカバーによって
その存在がすぐに分かったのに、エンジンケース内部に
納まって見えなくなったのが今風?
この"腐れ縁"に今回要した費用がこれ。
部品代 31185円(ベルトキット・テンショナー
ウォーターポンプセット等)
工賃 31680円
合計 64460円
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