約束通りにライフのキーを持って来てくださったお嬢さんは
亡くなったKさんに良く似た顔立ちの50がらみ
と、お見受けしましたが、私は最近、オバサンからお婆さんまでの女性の
年齢当てが苦手になっていますので自信は全然ありません。
すぐにでも現物を見たかったのですがその日はもう暗くなっていましたので
我慢して翌朝、なにをさておき今は住む人のないKさん宅へ歩いて行き
まず最初に確認したのはフロントガラスの車検ステッカーでした。
よく見ても間違いなく今年の6月に車検は取ったばかり
車検残はなんと20カ月ということになります
Kさんが亡くなったのは確か梅雨明けの頃でしたし
その前に入院していたことは風の便りに私の耳にも入っていましたので
この車検取得後はほとんど乗る機会はなかったものと思われます。
一番の気がかりの車検残が大満足の結果にホッとして
でも念のため車検証で確認するとともにそもそもの年式を知りたかったですし
一緒にあるはずの整備記録簿で過去の整備内容を把握したいと思い
グローブボックスやドア内張りのポケット等などをどう探しても肝心な車検証が見当たりません。
「しまった!キーと一緒に持って来てもらえば良かった…」
とりあえず、フロントガラス上部に貼られた点検済みステッカーから
サブディーラーの町工場(認証工場)で今年の車検が実施されていること
メーターの走行距離は72000㌔で意外に走っていること
そして、不要品と一緒に残されていた任意保険の昨年の控えから
肝心な年式はH11年であることは分かりました。
*サブディーラー…中古車販売店や整備工場など
メーカー直列の正規ディーラー以外で新車を扱っている販売店のこと
下回りを覗くと錆止め塗装がまだ黒々していていかにも車検直後のままですが
左リアクウォーターのちょうど目に付く高さにキズがあります。
このように、思っていたより古い年式&多目の走行距離
見苦しい個所にあるキズに加え、集中ドアロックもキーレスもなく
さらにリアプライバシーガラスに見慣れた目には
この単なるブルーガラスはいかにもグレードが低い感じがするなど
自分が乗るつもりで見回せば何カ所か難点はあります。
ちなみに、オーディオの装備はなく
シングルスピーカー内蔵のさびしいAMラジオが付いているだけでした。
そして運転席に座りそれ以上に困惑したのは
パワーウィンドウのスイッチがドア内張りに“見当たらない”ことでした。
ホンダの初代ステップワゴンはハンドル右側のダッシュボードに付いていたり
輸入車でセンターコンソールにあったりもしますが、どこにもありません。
なんで?と思ってふと助手席側に目をやると、この手巻きハンドルの姿が…。
そうです、このクルマは“電動”のパワーウィンドではないので
そもそもスイッチが見当たらなくて当然なのです
そう言えば、タイヤも今では軽トラや軽の箱バンの一部にしか
装着されなくなった12インチ+ど鉄ホイールですので
ほとんどバン仕様の低いグレードなのでしょうが、なぜかABSは装備されています。
その後、一発始動のエンジンをかけ自宅へ持ち帰りネットで調べたところ
H11年式ライフ、やはり一番低いグレードの「Bタイプ」であることが分かり
まずはともかく査定価格を出してもらうため買取り店に出かけたのでした。
(続く)